40代は、仕事や収入が安定してくる一方で、住宅ローンや教育費などの支出も増えやすい世代です。また、がんや生活習慣病といった健康リスクが高まる時期でもあります。
万が一の時に備えておきたいと感じつつも、「どれくらいの保障が必要なのか分からない」「今入っている保険で本当に足りているのか不安」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、40代に多いリスクや平均的なデータをもとに、独身・家族ありといったライフスタイル別に必要保障額の考え方をわかりやすく解説します。自分に合った生命保険を選ぶためのポイントについて、1つずつ整理していきましょう。
本記事の監修者

柴田充輝(しばたみつき)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
社会保険労務士
行政書士
宅地建物取引士
大学卒業後、厚生労働省や不動産業界での勤務を通じて社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。 独立後は多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行いつつ、金融・不動産系の記事を中心に執筆しており、1,200記事以上の執筆実績がある。自身でも株式や不動産への投資を行っており、実体験を踏まえて記事制作・監修に携わっている。
40代に生命保険は必要?まず押さえておきたい基礎知識

40代で生命保険が必要かどうかを判断するには、つぎの3つを整理することが重要です。
・病気や死亡のリスクはどの程度あるのか
・万が一の時に家計へどれほど影響が出るのか
・公的保障でどこまでカバーできるのか
これらを把握せずに保険を選んでしまうと、保障が足りなかったり、逆に過剰になってしまうことがあります。まずは40代のリスクや家計状況の特徴を、基礎データから確認していきましょう。
40代の死亡・病気リスクの現実
40代は、20代・30代と比べて死亡率が徐々に上昇し始める年代です。厚生労働省の「令和5年 患者調査」によると、40代の死亡率は30代のおよそ2倍に上昇しており、がんや心疾患が主な死因として目立ち始めます。また、入院患者数は40代以降から徐々に増加し始める傾向が確認されています。
特に、がんや心疾患、脳血管疾患といった重大な病気による入院の割合も高まっており、40代は「健康リスクが現実化し始める年代」であることが分かります。「入院=特別なケース」ではなく、誰にでも起こり得るリスクなのです。
医療技術の進歩により入院日数は短期化していますが、経済的な負担が軽くなったわけではありません。入院が短くなる一方で、再入院や通院が増える傾向があり、特にがんは通院中心で治療が長期化しやすい特徴があります。また、治療中は仕事を制限せざるを得ず、収入が減少する可能性もあるため、経済的な備えが必要です。
参考:患者調査 令和5年患者調査 全国編 推計患者数 Z10 推計入院患者数,性・年齢階級(5歳) × 傷病分類 × 病院-一般診療所別 年次 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
40代で経済的リスクが高まる理由
40代は収入が安定する一方で、住宅ローンや教育費などの支出が重なり、家計負担が大きくなりやすい時期です。特に子どもがいる家庭では、高校や大学進学に伴うまとまった教育費に加え、塾や習い事などの支出も増えていきます。こうした状況の中で万が一のことが起きると、家計への影響は非常に大きくなります。
さらに見落とされがちなのが、働けなくなるリスクです。病気やケガで長期間就業できなくなると、収入が減少または途絶える可能性があります。会社員であれば健康保険から傷病手当金を受け取れますが、支給期間は通算1年6か月が上限です。治療がそれ以上長引いた場合、公的な所得補償はなくなります。さらに、自営業やフリーランスが加入する国民健康保険には傷病手当金の制度自体がないため、就業不能になった時点から収入がゼロになるリスクがあります。
このように40代は、「支出の大きさ」と「健康リスクの高まり」が同時に訪れる年代であるため、死亡だけでなく、生きている間の収入減少リスクへの備えも重要になります。
関連記事:【図解】傷病手当金とは?支給条件やもらえないケースについて解説 - マネコミ!〜お金のギモンを解決する情報コミュニティ〜
40代の生命保険加入率と平均データ
40代は、生命保険への加入が一般的になっている年代です。
生命保険文化センターの「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」によると、40代の生命保険加入率(全生保)は男性で83.5%、女性で86.8%と、いずれも8割を超える高い水準となっています。全体平均(80.0%)を上回っており、多くの人が何らかの保障を持っていることが分かります。
この背景には、住宅ローンや教育費など家計上の責任が大きくなることに加え、健康リスクの高まりが影響していると考えられます。実際、20代では加入率が半数程度にとどまるのに対し、30代で大きく上昇し、40代でほぼピークです。
また、保険料の面でも40代は負担が大きくなる傾向にあります。同調査によると、年間払込保険料(全生保)は50歳代が男女ともに最も高額ですが、40代も全年代平均(全体17.1万円)を上回る水準にあります。
このように40代は、「多くの人が保険に加入している」「保険料負担も比較的大きい」という点が特徴です。そのため重要なのは、単に加入することではなく、保障内容と家計のバランスを見直し、過不足のない設計にすることです。
参考:2025(令和7)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター
40代におすすめの生命保険の種類と特徴

40代は、死亡リスクだけでなく、病気やケガによる収入減少リスクも無視できません。そのため、目的ごとに保険の役割を分けて考えることで、過不足のない保障設計がしやすくなります。
ここでは、40代で検討されることが多い代表的な保険の種類と特徴を解説します。
※以降でご紹介する商品の詳細につきましては、「パンフレット」「重要事項説明書(契約概要/注意喚起情報)」「ご契約のしおり・約款」を必ずご覧ください。
就業不能保険の特徴と向いている人
就業不能保険は、病気やケガによって長期間働けなくなった場合に、毎月一定額の給付金を受け取れる保険です。死亡時の保障とは異なり、「生きているが収入が途絶える状態」に備える点が大きな特徴です。
たとえば、入院や在宅療養などで就業不能状態が続いた場合、生活費を補う目的で毎月給付金が支払われます。給付期間は一定期間または定年までなど契約によって選べるため、自分の働き方やライフプランに合わせた設計が可能です。
ただし、給付金はすぐに受け取れるわけではなく、多くの商品には「支払対象外期間(免責期間)」が設けられています。これは、就業不能状態になってから一定期間(60日や180日など)は給付金が支払われないという仕組みで、この期間の長さは商品によって異なります。加入前に必ず確認しておきたいポイントです。
40代は住宅ローンや教育費など固定支出が多く、収入が途絶えた際の影響が大きくなりやすい年代です。そのため、万が一働けなくなった場合の生活費をどのように確保するかが重要なポイントになります。
特に、家計を支える世帯主や、貯蓄が十分でない人、自営業やフリーランスなど公的保障が手薄な人にとっては、就業不能保険の必要性は高いといえます。
たとえば、東京海上日動あんしん生命保険が提供する「あんしん就業不能保障保険(就業不能保障保険(無解約返戻金型)[無配当] )」は、所定の就業不能状態が一定期間続いた場合に毎月給付金を受け取れる商品で、働けない期間の生活費を継続的にサポートできる点が特徴です。収入減少リスクに備えたい40代にとって、有力な選択肢の1つといえるでしょう。
収入保障保険という選択肢
収入保障保険は、被保険者が死亡した場合に、毎月一定額の保険金を受け取れるタイプの死亡保険です。一時金でまとめて受け取る一般的な定期保険とは異なり、生活費を月単位で補填できる点が特徴です。
必要な生活費総額は時間の経過とともに減っていくのが一般的ですので、この保険も保険期間が進むほど総受取額が減少します。その分、同じ保障内容でも保険料は比較的抑えられる傾向にあり、合理的に保障を準備できるのがメリットです。
特に子育て世帯では、子どもの独立に伴い必要な生活費が減るため、この仕組みと相性がよいといえます。毎月の生活費を安定的に確保したい人や、無駄のない保障設計をしたい人に適した保険です。
たとえば、東京海上日動あんしん生命保険の「家計保障定期保険(無解約返戻金型)」は、万が一の際に毎月一定額の給付金を受け取れる収入保障型の商品で、遺された家族の生活費を継続的に支えられる点が特徴です。
医療保険との違いと組み合わせ方
生命保険(死亡保険)と医療保険は、そもそも保障の目的が異なります。死亡保険は万が一の際に遺された家族の生活費を支えるためのものであり、医療保険は病気やケガによる治療費や入院費に備えるためのものです。この役割の違いを理解し、それぞれを適切に組み合わせることが、40代の保険設計では重要になります。
医療保険は、入院時の給付金や手術費用の補填に加え、がんや三大疾病に備える特約を付けられる点が特徴です。40代は健康リスクが高まり始める時期でもあるため、治療費への備えとして医療保険の重要性はより高まります。
基本的な考え方としては、死亡保障は子どもの独立までなど「必要な期間」に絞って収入保障保険などで確保し、医療保障は一生涯にわたって備えられる終身型で持つのが一般的です。さらに、がんなどのリスクが気になる場合は、必要に応じて保障を上乗せするとよいでしょう。
たとえば、東京海上日動あんしん生命保険の「メディカルKitNEO(医療総合保険(基本保障・無解約返戻金型)[無配当]」は、一生涯の医療保障をベースにした終身型医療保険で、長期的な備えに適しています。
また、「メディカルKitR(医療総合保険(基本保障・無解約返戻金型)健康還付特則 付加[無配当]」は、一定期間入院給付金のお支払いがなければ既払込保険料の全額が、入院給付金等のお受取りがあった場合は給付金と既払込保険料の差額が戻ってくるのが特徴です。
このように、1つの保険で全てをまかなうのではなく、目的ごとに保険を分けて組み合わせることで、無駄のないバランスの取れた保障設計が可能になります。
ライフスタイル別|40代の必要保障額の考え方

40代の必要保障額は、家族構成や働き方によって大きく異なります。同じ40代でも、「独身」と「子育て世帯」では必要な保障額に大きな差があるため、自分の状況に合わせて考えることが重要です。
基本的な考え方はつぎのとおりです。
・今後必要となる生活費・教育費を算出する
・遺族年金などの公的保障を差し引く
・現在の貯蓄額を考慮する
この差額が、おおよその必要保障額の目安になります。ここからは、ライフスタイル別に具体的な考え方を見ていきましょう。
40代独身に必要な生命保険
40代独身の場合、大きな死亡保障は必ずしも必要ではありません。自分が亡くなった後に長期間生活費を支える家族がいないケースが多いためです。
主に備えるべきものは以下のとおりです。
・葬儀費用
・死後の整理資金
・親を扶養している場合の生活費補填
鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査」によると、葬儀費用の全国平均が約119万円程度とされています。死後の整理資金を含めても200万〜500万円程度の死亡保障があれば十分でしょう。
一方で、独身の40代にとって特に重要なのは「生きている間のリスク」への備えです。そのため、「死亡保障は最小限に抑え、医療保険や就業不能保険を重視する」という設計が基本となります。具体的には、以下のような備えが必要です。
・病気で働けなくなった場合の生活費
・長期治療にかかる費用
・収入減少に対する備え
独身の場合、収入源が自分1人に依存しているため、働けなくなった場合の影響は非常に大きくなります。
参考:【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) アフターコロナで葬儀の規模は拡大、関東地方の冬季に火葬待ちの傾向あり | はじめてのお葬式ガイド
既婚・子あり世帯に必要な生命保険
子どもがいる家庭では、必要保障額は大きく増加します。万が一の際には、残された家族の生活費や教育費を長期間支える必要があるためです。
主に考慮すべき支出は以下のとおりです。
・子どもの生活費
・教育費(高校・大学進学)
・住宅ローン残高
・配偶者の老後資金への影響
特に教育費は支出の中でも大きな割合を占めるため、子どもが大学を卒業するまでの期間を基準に、将来必要となる生活費を逆算して保障額を設定することが重要です。
たとえば、配偶者と子ども1人(小学生)の世帯で、毎月の生活費が25万円、子どもが大学を卒業するまで約15年間と仮定すると、生活費だけで4,500万円が必要になります。
ここに教育費(高校・大学で約800万〜1,000万円)を加えると5,000万円を超える規模になり、遺族年金や貯蓄を差し引いても、数千万円規模の死亡保障が必要になるケースは珍しくありません。子どもの年齢が低いほど必要な期間が長くなるため、保障額も大きくなる傾向があります。
ただし、子育て世帯では常に高額な保障を持ち続ける必要はありません。子どもの独立とともに必要な支出は減るため、「必要な期間だけ大きな保障を持つ」という設計が合理的といえるでしょう。
共働き世帯の保障設計
共働き世帯では、「夫婦それぞれの収入が家計にどの程度影響しているか」が重要なポイントになります。
確認すべき主な点は以下のとおりです。
・世帯収入に占めるそれぞれの割合
・どちらかが亡くなった場合の生活費の不足額
・保育費や家事代行などの追加支出
夫婦それぞれが一定の収入を持っている場合、ある程度リスクの分散ができています。しかし、フルタイムかパートかといった働き方の違いや、将来的にどちらかが働き方を変える可能性によって、必要な保障額は大きく変わります。
そのため、「どちらか一方の収入がなくなった場合でも生活が成り立つか」という視点で、具体的な不足額を確認することが大切です。その上で、夫婦それぞれに適切な死亡保障を持たせておくことで、どちらに万が一のことがあっても家計への影響を抑えることができ、リスクを分散することにつながります。
専業主婦(主夫)家庭の保障設計
専業主婦(主夫)の家庭では、世帯収入が1人に依存しているため、万が一の際のリスクが世帯主に集中しやすくなります。生活費のほぼ全額を補う必要がある上、教育費も単独で支えていかなければなりません。そのため、必要となる死亡保障は共働き世帯より大きくなる傾向があります。
一方で、専業主婦(主夫)が亡くなった場合の影響も小さいわけではありません。家事や育児を外部に頼る必要が生じたり、働き方の見直しによって収入が減少したりする可能性があり、精神的・時間的な負担も増えることが考えられます。
そのため、保障は世帯主に重点を置きつつも、配偶者にも一定の死亡保障を持たせておくことが望ましいでしょう。40代の保険設計では、「誰にどのリスクが集中しているか」を明確にし、それに応じてバランスよく保障を配分することが重要です。
40代の生命保険の選び方5ステップ

保険選びでは、「なんとなく安心できそうだから」という感情的な理由ではなく、数字と根拠に基づいて判断することが重要です。特に責任や支出が大きい40代では、保障の過不足が家計に与える影響も少なくありません。
ここでは、過不足のない保障設計を行うための5つのステップを解説します。
1. 必要保障額を計算する
最初に、「いくら必要なのか」を具体的に把握しましょう。基本的な考え方は以下のとおりです。
まずは、将来必要な支出を検討します。
・日々の生活費
・子どもの教育費
・葬儀費用・整理資金
つぎに、そこから差し引くものを考えます。たとえば、以下のようなものがあります。
・遺族年金などの公的保障
・会社からの死亡退職金
・現在の貯蓄
この差額が、おおよその必要保障額となります。
重要なのは、「不安だから多めに入る」のではなく、根拠を持って必要な保険金額を決めることです。これにより、必要以上に保険料を支払う事態を防ぐことができます。
2. 公的保障(遺族年金・高額療養費制度)を確認する
民間の生命保険を検討する前に、日本の公的保障制度を正しく理解しておくことが大切です。主な制度には以下のようなものがあります。
・遺族基礎年金
・遺族厚生年金
・高額療養費制度
・傷病手当金
これらの制度を活用することで、一定の収入を確保し、医療費の負担を軽減できます。
ただし、これらの制度には支給額の上限があり、子どもの有無や年齢によって内容が変わる点に留意しましょう。また自営業の場合は遺族厚生年金や傷病手当金がなく、保障が十分でない可能性もあります。
公的保障の内容を把握せずに民間保険へ加入すると、過不足が生じてしまう可能性があります。まずは、「すでに備わっている保障」を理解し、不足分だけを民間保険で補うことが大切です。
3. 保険期間を決める
つぎに考えるべきは、「いつまで保障が必要か」という期間の設定です。たとえば、以下の基準で考えてみましょう。
・子どもが独立するまで
・定年(60歳・65歳)まで
ポイントは、「責任が大きい期間だけ保障を持つ」ことです。この責任の大きさは、ライフステージの変化とともに自然と変わっていくものです。
たとえば、子どもが独立すれば教育費や養育費の負担はなくなります。また、老後に向けて貯蓄が積み上がるにつれ、万一の際に家族が必要とする資金も少なくなっていきます。つまり、必要保障額は加入時がもっとも高く、年月とともに逓減していくのが一般的です。
それにもかかわらず、必要以上に長い保険期間を設定したままにしておくと、すでに不要になった保障に対しても保険料を払い続けることになります。定期的に家族構成や資産状況を見直し、そのときの責任に見合った保障内容へ調整していくことが、賢い保険の活用につながります。
4. 無料相談を活用する
ここまで整理しても、「本当にこれで適切なのか」と不安に感じる場合は、専門家の意見を活用するのも有効です。無料相談を活用してみるのもよいでしょう。専門家に相談することで、以下のようなメリットがあります。
・必要保障額を客観的に算出してもらえる
・公的保障も含めた総合的な説明が受けられる
・自分では気づきにくい過不足を指摘してもらえる
特に40代は、家計状況やライフプランが複雑になりやすいため、第三者の視点が役立つ場面も多いでしょう。
ただし、提案された内容をその場で決めるのではなく、一度持ち帰って比較・検討することが大切です。
40代は「今の自分に合った保障」を選ぶことが大切

40代は収入が安定する一方で、住宅ローンや教育費の負担が増え、健康リスクも高まり始めます。「万が一」の影響が大きくなりやすい年代である点を押さえておきましょう。生命保険はリスクへの備えとして重要ですが、過剰な保障は家計を圧迫するため、「自分にとって適切かどうか」という視点が欠かせません。
保険選びでは、必要保障額を数字で把握し、公的保障を踏まえて不足分だけを補うこと、そしてライフステージに応じて見直すことが大切です。家族構成や働き方によって最適な保障は異なるため、「今の自分に合っているか」を基準に、根拠を持って備えることが重要です。







