でも、実際にはどんな人でどういった話をするのか想像がつかず、「相談するのはちょっとハードルが高い…」と思っている人も多いかもしれません。そこで、今まで一度も保険に加入したことがなく、もちろんライフパートナーに相談した経験もないマネコミ!の編集部員が、初めて相談をしてみることに。こちらの記事ではその様子をお伝えします。
相談者
坂部 萌(さかべ もえ)
編集者という仕事の傍ら、副業でゴスペルを教えている27歳。現在一緒に住んでいる恋人と結婚準備中。趣味は海外旅行。好きな国へいつでも行けるくらいの貯金はしている。資産運用は気になっているが、まだ手は出せず。正直ライフパートナーに対しては、「保険を営業してきて圧が強い人」というイメージがあるが……。
ライフパートナー
大橋智治(おおはし ともじ)
東京海上日動あんしん生命ゼネラルライフパートナー。母親のがんや祖母の認知症の経験から「家族が安心して暮らせる幸せ」をモットーに、保険の大切さと必要性を伝えている。結婚・出産・子育て・介護とライフスタイルが大きく変わる女性に向けて、「生活の不安要素を解消するお金のセミナー」をテーマに全国で講演を開催。個別相談では、「お金の貯め方」「お金の使い方」「お金の増やし方」「お金の守り方」をテーマに個人のライフプランを中心に将来設計を行う。
保険会社のライフパートナー、保険の話はしなくていいの?
坂部さん、こんにちは。大橋と申します。
こんにちは。今日はよろしくお願いします。さっそくですが、保険は何に入ったらいいでしょうか⋯⋯?
おっ、いきなり保険の話ですか!
あっ、いや、えっと、保険の相談をしないといけないのかなと思って……(笑)。
私どもライフパートナーは、保険の話に限らず幅広くお金の貯め方、使い方、増やし方、守り方、そしてお金の不安を解決する方法についてお話しています。その解決策の中に保険のことが入ってくるかもしれないし、入らないかもしれない。今日は坂部さんがどのような生活をしてらっしゃるのかお聞きしながら、お金の知識を学んでいただければと思っています。
そうなんですね。すぐ契約の話になるかと緊張していたので、ホッとしました(笑)。
気楽にお話ししていただいて大丈夫ですよ。でははじめに、これからしてみたいことからおうかがいしましょうか。
留学かワーキング・ホリデーに行きたいと思っています。私はゴスペルをやっていて、その先生に「行っておいたほうがいい」と言われたこともあり、海外で暮らす経験をしてみたいなと。でも、貯金があまり得意じゃなくて。費用はどれくらいかかるでしょうか。
留学は行き先と期間によって費用がかなり違います。私が今まで聞きかじった情報ですが、費用を抑えたいならフィリピン、マレーシア。アメリカやカナダだったら12週間で50〜100万円。1年間だと500万円程度はかかるケースが多いようです。
ですよね。長く行きたいと思っていたけど、500万円かあ。
まずは仮に「100万円」という目標をつくって、計画的に貯めるといいと思います!
夢を叶えるための貯金、なぜ貯められないのか聞いてみた
これまでもなんとなく「貯金したほうがいいな」と思って別の口座に移すなどはしてみたんですが、なかなか貯まりません。貯まったら旅行で使う…の繰り返しです。
ふだんの生活をしながらどのくらいの期間でいくら貯められるか、具体的に考えてみましょう。ポイントは「使うお金」と「貯めるお金」、「増やすお金」、「守るお金」を分けることです。たとえば、目的を「5年後に留学」と設定し、目標を「100万円」とします。そうすると簡単に計算できますよね。
〈表〉5年後の留学に必要な月額貯金額
つまり、月々約1万7,000円を貯めていけばいい。
おお、なんだかいけそう!
実際に貯めていける計算をしてみましょうか。今、生活費はいくらかかっていますか? だいたいで結構ですので、かかっている費用を全部挙げていきましょう。この「使うお金」を全部計算して、手取りから引いてみます。そうすると最大で貯めることができる金額が決まってきますね。
〈坂部さんの収支〉
収入(手取り) 25万円 | 支出 18万5,000円 |
・家賃 5万5,000円 ・食費 3万円 ・光熱費 1万円 ・通信費 1万円 ・日用品 2万円 ・自由費 4万円 ・美容、服飾費 2万円 |
この収支を踏まえると……
〈表〉貯金できる最大金額(月額)
最大6万5,000円が貯金できる計算になります。このうちの約2万円は留学のために貯金できるということがわかりますね。今までなかなか貯まらなかった理由は、こうして使っているお金を整理したり、具体的な目標金額を設定したりしなかったからかもしれません。
確かに、家計を「見える化」すると貯められそうな気がします!
「守る」「貯める」「増やす」お金とは?
すごく初歩的な質問だと思うんですけど、貯金をするとしたらやっぱり定期預金がいいんでしょうか……?
目的によって変わってきます。お金を貯めるポイントは「使うお金」「貯めるお金」「増やすお金」「守るお金」に分けることと言いましたよね。さらに先ほど「使うお金(=支出)」について整理できました。同じように、「貯めるお金」「増やすお金」「守るお金」についても、整理して考えてみましょう。定期預金が坂部さんに適した方法かどうかもわかってきますよ。
まず最初に、3カ月分の生活費を貯めて、口座に入れておきましょう。これを使わずにおいてほしいです。怪我で働けなくなったり、何かの事情で退職をしたりと、収入が途絶えてしまった緊急事態のための生活予備費ですね。これが「守るお金」です。
その上で、目的によって「貯める」か「増やす」かを考えます。
「増やす」方がいいんじゃないんですか?
もちろん、増えたらうれしいですよね。でも、安定的・効率的に「増やす」ためには時間が必要なんです。短期間で「増やす」には、一定程度のリスクを想定しなければなりません。たとえば、坂部さんが行きたい留学は5〜10年以内に使うことがわかっているものです。このくらいの期間で、安全かつ効率的に「増やす」のは難しいと言えるでしょう。
つまり、留学資金は、元本保証が確保されている「貯める」という選択肢を取ることになります。利率が高いネット銀行などの預金や定期預金、元本保証の個人向け国債などが向いていますね。
なるほど、目的によって方法を変える意味がわかりました。
それと貯金の仕方にもポイントがあります。収入から生活費を引いて残りを貯蓄するのではなく、収入から貯金額を引いて残りで生活すると自然とお金が貯まります。
たしかに、最初に貯金額を引いてしまうのはいいですね!
一方で、老後の資金や将来お子さんが生まれて大学の入学資金にしたいなど、使う時期が10年以上先のものがありますよね。これは、投資信託などを利用して増やすことを考える、つまり「増やすお金」として考えるといいと思います。
先ほど、坂部さんが貯金できる最大6万5,000円から、留学用の貯金額2万円を引くと4万5,000円になります。このうちどこまでを増やすお金に回すか、しっかり考えていかなければなりません。
いつの間にかこちらから聞きたいことがどんどん出てきて……
なるほど! あと、もう一つ気になっていることがあるんですが……。
なんでしょう? 気がかりなことはなんでも相談してください。
実は、今一緒に住んでいる彼氏と近々結婚する予定なんです。挙式は海外がいいなあと思っています。友だちは呼ばず2人だけでいいんですが、どれくらいかかりますか?
ハワイだと、2人での挙式だけなら100万円くらいです。パーティーをする場合は300万円くらい1)。あまりお金をかけたくないなら写真撮影のみのパターンもあります。「お金が足りないから諦める」ではなく、ご予算に応じてどういうパターンが可能か、もアドバイスできますよ。
そうなんですね。留学、海外挙式、それぞれ専門業者に行かないと相談できないと思っていたけど、こうした漠然とした段階でも、ライフパートナーさんにまとめてご相談できるのは嬉しいですね!
ところで、これまで「ファイナンシャルプランナー」「FP」という言葉を聞いたことがあったんですが、ライフパートナーとどう違うんですか?
「ファイナンシャルプランナー」というのは、家計にかかわる金融や税制、不動産など幅広くお金に関する知識を備える専門家のこと。私も、保険だけでなくこれらの知識を備えているという点では同じです。
でも私は保険会社に所属しているので、どうしても「保険販売をしたいんでしょ」と思われる方が多いのです。私どもライフパートナー担当者は、お客様にそういうイメージを持っていただきたくない。相談者ご本人と家族を守ることを第一として、一生涯相談にのってくれる存在。そんな風にライフパートナーを捉えてもらった方がいいと思います。
正直なところ、私もお会いする前は「この保険がいいよ、加入してください!」っていう話をされるんだと思ってました……。でも結局、今日は保険の話をしなかったですね(笑)。
こういう時もあります(笑)。お客様の一生に関わるお金は、保険だけではないですからね。保険以外の部分についても、お客様の悩みや不安の解決をお手伝いしていきたい。お客様が入院された時も、「(高額療養費制度を利用するための)申請書類を出しましたか?」といったお役に立ちそうな情報提供をさせていただいています。いろいろと不安のある時は、公的制度の申請などを忘れがちですから、頼っていただければと思っています。
頼もしい! これまで自分のお金にちゃんと向き合ったことがなかったけど、今日はお金に対して全般的に知ることができ勉強になりました。今後もいろいろとご相談したいと思います!
相談を終えて……
保険の営業の方は「圧が強い」というイメージで、正直最初は構えていたのですが、そんなことは全然ありませんでした。なんでも質問しやすい雰囲気で、「定期預金がいいですか」という初歩的な質問にも真摯に答えてくれてよかったです。
保険ってたくさんありすぎてどれに入ったらいいかわからないし、カタログを読んでもわかりにくいですよね…。私の収入やライフプランにぴったりの保険について、また詳しく聞いてみたいなと思いました!
この記事の著者
安楽由紀子(あんらくゆきこ)
ライター。1973年、千葉県生まれ。国際基督教大学卒業後、編集プロダクションを経てフリーに。芸能人、スポーツ選手、企業家へのインタビューを多数行う。