これから「お金」がどれだけ必要か、どのように準備するべきなのか、年齢や家族構成、そしてライフプランの考え方によって、ひとりひとり違いがあるものです。『お金のホント相談室』では、“生涯にわたる良きパートナー”として、現在の家計の状況やライフプランに応じて最適な提案を行っている東京海上日動あんしん生命保険のライフパートナーから、実際にあった提案事例をご紹介していきます。

今回は、ご両親をともにがんで亡くしたことから、ご自身もがんへの備えとして保険加入を考えているAさんの相談です。がんのリスクへの不安が強い方の場合には、保険加入においてプラスアルファの配慮が必要になります。Aさんにアドバイスしたライフパートナーの佐々木 亮輔(ささき りょうすけ)が説明します。

今回、相談に答えたライフパートナー

画像: 結婚前の30代男性「両親をがんで亡くし、自分も将来が不安です。どんな保険に入るべきですか?」

佐々木 亮輔(ささき りょうすけ)

東京海上日動あんしん生命保険
福岡支社 第1営業所 ゼネラルライフパートナー
2021年度MDRT成績資格会員

お客さまの悩みや不安を正直にお話しいただけるよう、空気作りを大切にしています。私自身、4歳と0歳の子どもがおり、これから父親として頑張る立場です。お客さまと同じく、家族や自分の保険について検討する時期であり、自分の体験をふまえて、みなさまにアドバイスするよう心がけています。

Aさんの悩み

Q.両親をがんで亡くしており、自分もリスクを感じています。結婚を考えている相手もおり……、どんな保険に加入すれば良いですか?

画像1: 画像:iStock.com/takasuu

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●プロフィール

基本情報35歳・男性・会社員
家族構成独身
世帯年収(手取り)270万円
住居借家(4万円/月)
預貯金約50万円
近況両親をがんで亡くしており、自分もがんリスクを危惧。備えとしての保険を検討している。Aさんが20代後半の時に父親が、30代前半の時に母親が他界しており、その医療費はAさんがまかなった。Aさんには交際相手がおり、近いうちに結婚したいと考えている。

●家計の内訳

画像: Q.両親をがんで亡くしており、自分もリスクを感じています。結婚を考えている相手もおり……、どんな保険に加入すれば良いですか?
項目収入支出
Aさんの給与(手取り)180,000円-
住居費(賃貸費用)-40,000円
生活費(食費等)-40,000円
貯金-50,000円
通信費-5,000円
その他-25,000円
生命保険料-2,000円
小計180,000円162,000円
月々の収支+18,000円-円

●備考

  • Aさんは堅実な性格で、元々貯金は数百万円あったが、両親のがん治療に使ったため現在50万円しか残っていない。
  • 生命保険は10年近く前に加入した医療保険(月々の保険料2,000円)のみ。

Aさんへのアドバイス&解決策は?

両親をがんで亡くしたAさんには、結婚を考える相手がおり、将来を見据えた時にどんな保険を組めばいいか悩んでいました。私がAさんへどのようなアドバイスや提案を行ったのか、ポイントを絞って解説していきます。

【ポイント1】がんによる経済的なリスクをお伝えする

がんの疾病リスクに不安を感じる場合、まず把握しておくべきなのは、がんになった場合の経済的なリスクの大きさです。まずはAさんに、医療費と生活費等に分けてお伝えしました。

“がん”と言っても医療費は様々。公的医療保険適用内の治療なら上限がある

画像: 画像:iStock.com/marchmeena29

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よく「がんの治療=高額な医療費がかかる=公的保険の適用外」と思われる方がいるのですが、がんの治療であっても一定程度、公的医療保険が適用されます。

ただし、がんの種類と治療の種類によって、医療費は大きく増減してしまいます。そのため、一括りで医療費の目安を出すことは難しいと言えるでしょう。

とはいえ、公的医療保険適用の範囲内の治療であれば、高額療養費制度によって支払う医療費は月ごとに上限があります。そのため、自己負担額分については、大まかな計算は可能です。この制度は所得によって、自己負担の上限額は異なり、以下のように区分されます。

〈表〉高額療養費制度:所得によって異なる自己負担上限額(69歳以下の場合)1)

適用区分1カ月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円

たとえばAさんの場合、年収は手取りで約270万円ですから、額面の年収は350万円程度でしょう。その場合、ひと月の上限額は57,600円になります。たとえば、月100万円かかる治療が半年続いた場合でも、35万円程度の自己負担額で済むことになります。

実際に、Aさんには高額療養費制度による上限額の計算方法をお伝えし、仮にがんに罹患した場合の医療費をイメージしていただきました。

▼高額療養費制度についてもっと知りたい方はこちら

ただし、未承認の抗がん剤などの薬を治療に使いたい場合は、公的医療保険適用の対象にはならず、高額療養費制度も適用外となります。そうすると、医療費が高額になることも少なくありません。もちろんご本人の判断の上で治療は行われますが、こういったケースも想定しておきましょう2)

長期に及ぶ闘病では、生活費の増加・収入減のリスクも

画像: 画像:iStock.com/bankrx

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がんになった場合、生活費が通常より多くかかったり、収入が減ったりする、経済リスクも発生します。

たとえば、通院時にタクシーを利用したり、自炊ができず中食や外食が増えたりする場合もあるでしょう。治療によってサプリメントやウィッグ等を購入する必要がでてくる、といったことも考えられます(生活費の増加については、改めて後述します)。

また、会社員の場合、病気等で会社を休んでも、傷病手当金によって1日あたり給料の3分の2が支給されますが、期限は最大1年半まで3)ですし、収入減には変わりありません。Aさんの貯金は50万円ですから、「もし今がんに罹ったら…」と考えると、治療しながらこの先も生活を続けていくのは少し厳しいかもしれません。

このように、がんに対しては経済的なリスクを十分に考える必要があります。がんへの不安が大きいAさんのような方にとっては、なおさら必要なことでしょう。

【ポイント2】がんに対する保障を選ぶポイントをお伝えする

がんの保障では「診断給付金」を充実させることが重要

画像: 画像:iStock.com/kazoka30

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では、経済的なリスクが大きいがんに備える場合、どのような保険を選ぶべきなのでしょうか。

様々な考え方がありますが、もし、がん保険を検討するのであれば、私が重視するのは「診断給付金」の充実です。これは、がんと診断された時点でまとまった額の給付金を受け取れる保障です。

私の経験から、がんは入院費や医療費以外の出費がかさみやすいといえます。たとえば、がん患者のお客さまの多くが追加の料金がかかる個室を希望します。がん治療のために抗がん剤を打つと、直後は不眠や吐き気に苦しみ、嘔吐などが起こることが多くあります。他の人に迷惑をかけないように、という配慮から、個室を望まれるのです。また、通院時の交通費や、自炊できない分、食費がかさむこともあります。がんに罹患すると医療費以外のお金も多くかかります。そこでがんと診断された時にまとまったお金が入る「診断給付金」が役立ちます。

入院・通院時、1日ごとにかかった医療費を受け取れる保障も必要ですが、使い方を限定されない診断給付金を最初にまとめてもらう方が実用的と私は考えます。まとまったお金を受け取ることで精神的にもゆとりが生まれるでしょう。

手厚くするなら、死亡保険や特約にも注目を

画像: 画像:iStock.com/metamorworks

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がんのリスクに対して、より手厚い保障を考える場合には、がん保険だけでなく、死亡保険や医療保険の加入も検討した方がよいでしょう。

たとえば、Aさんの場合、医療保険に加入していましたが、これには「先進医療特約」はついていませんでした。「先進医療特約」は、高額になりやすい保険適用対象外の治療を受けた際の医療費を保障してくれます。「先進医療特約」を付けていれば、先進医療を受けたいけどお金の問題で受けることができないなどの治療の選択肢を狭めてしまうことはありません。

また、商品や条件次第ではありますが、がんと診断されたら、保障はそのまま継続し、その後の保険料払込が免除される、という保険もあります。このような保険を選べば、がんによる経済的なリスクにさらに備えることができます。

【ポイント3】Aさんのご要望に合った、具体的な保障を提案する

ここからは、実際にAさんに提案した保険を説明します。Aさんは結婚も考えていましたが、まずは独身のままでも加入をおすすめしたい保険についてです。

初めの設計は「保障重視」で。保険料が高ければそこから調整する

画像: 画像:iStock.com/scyther5

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まず、私が保険をおすすめする時の基本的な考え方をご紹介します。Aさんには「がん保険」死亡保険」「医療保険」を提案したのですが、最初は保険料を気にせず、保障の内容を優先して保険商品をピックアップしました。

というのも、月々の保険料の上限額を定めた上で選ぶと、本当に必要な保障を満たせず、不安を取り除けないことがあるからです。

まずは必要な保障から保険商品を選び、もし保険料が高過ぎれば、組み合わせ方や契約期間を工夫して、保険料を下げていく方がよいでしょう。必要な保障と支払う保険料の調整をしていくことが、私たちの役目だと思っています。

[がん保険]あえて2本に加入して全体の保険料を少なく

画像: [がん保険]あえて2本に加入して全体の保険料を少なく

Aさんがもっとも不安を感じている点であり、手厚い保障を備えるべきなのが「がん保険」です。

そこで最初は、保障を手厚めにするため、終身タイプで診断給付金300万円+入院給付金3万円(60歳払込満了)のがん保険を提案しました。この内容であれば、がんと診断された場合、Aさんの年収以上の金額を受け取ることができるようになります。傷病手当金と合わせれば、当面の生活費を心配する必要はなくなるでしょう。

ただし、Aさんは保障内容には納得されましたが、月々の保険料がやや高めになってしまったことから、支払いに対する不安を感じていらっしゃいました。そこで、終身で診断給付金100万円+入院給付金1万円(60歳払込満了)の保険と、10年定期で診断給付金200万円+入院給付金2万円の保険、という2本に分けて加入する形を提案しました。

2本目の保険は期間が10年と限定されるので、月々の保険料は安くなります。このように契約ごとに保険期間を変えて分割した場合、2本トータルの保険料は、終身タイプ1本で診断給付金300万円の保険に加入するよりも減らすことができます。

これからの10年は、2本合計で300万円の診断給付金+3万円の入院給付金が支給されます。また、10年後以降は、100万円の保険が継続されますし、その時の経済状況に応じて追加のがん保険に入ることや200万円の契約を更新することもできるとご説明しました。

〈表〉Aさんに提案したがん保険

商品保険料保障内容
がん保険①約4,500円/月・診断給付金100万円+入院給付金1万円(終身、60歳満了)
がん保険②約2,000円/月・診断給付金200万円+入院給付金2万円(10年定期)
約6,500円/月

[死亡保険・医療保険]足りない保障を付けながら、がんへの備えも万全に

画像: [死亡保険・医療保険]足りない保障を付けながら、がんへの備えも万全に

ご相談時、Aさんが加入していたのは、医療保険のみ(入院日額5,000円)でした。今後、彼女との結婚を考えた際に、Aさんに万が一のことが起こった場合、彼女に迷惑をかけてしまう可能性があるため、将来を見据え、早いうちに死亡保険に加入することをおすすめしました。

保険は一般的に年齢が上がっていくと保険料も上がっていくため、年齢が若いうちから加入することで経済的にも負担が減らせることをお伝えしました。

さらにこの死亡保険は保険料免除のオプションを付けているので、がんと診断された場合、その後の保険料払込が免除され、なおかつ解約返戻金が発生するしくみになっています。亡くなった時だけでなく、がんになった際、病気と闘うお金が生まれるのもポイントです。

次に医療保険ですが、すでに契約していたものは10年ほど前に加入したものでした。当時と今を比べると、保障対象になる病気が10倍以上増えているケースがあります。また、前述した先進医療特約もついていませんでした。そこで先進医療特約をつけた新しい医療保険を提案しました。

〈表〉Aさんに提案した保険商品

商品保険料保障内容
死亡保険約15,000円/月・500万円(死亡時・要介護状態)
医療保険約5,000円/月・入院給付金:5,000円
・通院給付金:3,000円
・先進医療特約

▼Aさんに提案した「死亡保険」「医療保険」はこちら

【ポイント4】結婚後は、家族の生活を支える保険をプラスするようアドバイスする

画像2: 画像:iStock.com/takasuu

画像:iStock.com/takasuu

さらに、Aさんは結婚を考えていらっしゃる、ということでしたので、もし結婚した場合の保険プランも提案しました。

まず、Aさんに結婚後のライフプランのイメージをお聞きしました。結婚後はどんな生活がしたいのか、お子さまは何人くらい欲しいのか、などです。

Aさんは、早くお子さまが欲しいと希望されていました。お子さまが生まれれば、当然がんにかかった場合の経済的なリスクはより大きくなります。家族の生活費やお子さまの教育費にも支障が出るでしょう。

そこで、結婚した場合には、就業不能保障が付いた「定期保険」に追加で加入することを提案しました。こちらは死亡した時だけでなく、長期的に働けなくなった場合、月々10万円が給付される保障です。

診断給付金は前述のがん保険でまかなわれていますが、一方でがんは長期化することも多く、私のお客さまの中には、個室ベッド代などを含めて月30万円の出費が6カ月続いた方もいます。そういったリスクも踏まえ、毎月給付金が支払われる保障をおすすめしました。

〈表〉Aさんに提案した保険商品

商品保険料保障内容
定期保険約9,000円/月・給付金月額10万円
(死亡時・就業不能時)

▼Aさんに提案した「定期保険」はこちら

今まさに保険を検討している方たちへ

がんに対する考え方は、人により千差万別です。ただ、実際に罹患した場合、経済的なリスクが大きいことは前述したとおりです。Aさんのように、ご家族が罹患された経験のある方ならご不安は当然大きいでしょう。もしご自身が不安に思うならば、その不安を解消する保険を用意するのがよいでしょう。

そこで大切なのは、月々の保険料から保険を検討するのではなく、保障を最優先にして保険を選ぶことです。保険料を下げる方法は、工夫次第で見つけることができます。まずは満足いく保障を求め、保険料が高いようなら、組み合わせや契約内容を工夫して、保険料を下げるのがベストです。

そういった工夫こそ、私たちライフパートナーの腕の見せどころです。ご興味のある方は、無料相談をお試しください。

募集文書番号:21-KC01ーK004

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