この記事の監修者
もふ社長
不動産投資家・株式投資家。2014 年から不動産投資を始め、総資産2億円、純資産は1億円を突破。現在は28室を保有している。登録者28万人のYouTubeチャンネル「もふもふ不動産」を運営。同名のウェブサイトとともに、不動産投資情報をわかりやすく解説している。
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初心者が投資で失敗しないための基本ルール
世の中には様々な投資手法があり、それぞれ初心者が陥りやすい失敗パターンがあります。しかしそれ以前に、どんな投資を始めるにしても、大きな失敗をしないための基本ルールは同じです。まずはもふ社長の考える「投資初心者が失敗しないための基本ルール」をチェックしていきましょう。
(1)経験のないうちに資金を投入し過ぎないこと
大前提として、投資は資産が減る可能性があります。まったく資産を減らさずに成功した投資家はおそらくいないでしょう。その中で、最初からお金を注ぎ込み過ぎて、致命的な損失を出す…というのは投資初心者にありがちです。
投資で資産が減ること自体は、誰にでもあり得ます。大切なのは、その損失を小さな範囲に止めること。自分の生活を脅かすような損失を出してしまっては元も子もありません。たとえ失っても生活に困らない「余剰資金」で始めましょう。
(2)一度の損失で投資をやめてしまわないこと
たった一度の損失で投資をやめてしまうのは、もったいないことです。繰り返しますが、投資をしていれば、誰でも損失を出すことはあります。自転車の乗り方を覚えるのと同じで、転んでは起き上がるということを繰り返すのです。一度も転ばずに上達するのは難しいと考えましょう。
自転車の乗り方を練習する時は、最初は転ぶことを前提にして、転んでも痛くないように防具や補助輪をつけたり、ゆっくり走ったりします。それと同じように、投資でも最初は損失しても痛みのない少額で始めて、少しずつ経験を積んでいくことが重要です。
(3)慣れるまではレバレッジをかけないこと
投資には、実際の資金より大きいお金を運用する「レバレッジ」という手法を使うことができるものもあります。株式投資なら資産の3倍、FX投資なら資産の25倍で投資が行えます。その分、利益は大きくなりますが、同時に損失も大きくなります。知識のないうちにレバレッジをかけると致命的な損失(=失敗)に陥る可能性があります。初心者はレバレッジをかけない方が良いでしょう。
投資手法別、具体的な失敗例から考える初心者の教訓
初心者が陥りやすい失敗は、投資の手法によっても異なります。ここからは、株式投資、投資信託、不動産投資、FXといった代表的な投資手法について、それぞれ「購入時」「売却時」のタイミングで起こりやすい失敗と、そこから得られる教訓をもふ社長に解説していただきます。
投資の失敗例から考える教訓〜株式投資編〜
購入時の失敗「値上がりしている銘柄をなんとなく購入。その後、値下がりして損失を出す」
株式投資の失敗パターンとして初心者に多いのは、株価が上がっている銘柄を、根拠がないまま“なんとなく”購入して、その後下がってしまう…というケースです。株式投資では、各企業が決算や事業の成り行きなどの情報を細かく公開していますが、その情報をしっかりと分析せず、「最近上がっているから」という理由だけで株式を購入してしまうのは失敗のもとです。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
たとえば自動車メーカーの株に興味を持ったら、その企業の販売している自動車が来年どれだけ売れるか、人気が出そうかを分析すべきです。もちろん分析すれば必ず自分の予想通りに株価が動くわけではありません。しかし、予想と違っても分析した結果なら“学び”になり、次に生かせます。
その学びが着実に積み重なるのが株式投資の良さです。なんとなく購入していると、失敗を次に生かすこともできないので、また同じ過ちを繰り返してしまいかねません。
売却時の失敗「損切りできず、値下がりした株式を保有し続けてしまう」
売却時に多い失敗は、損切りができずに値下がりした株式を保有し続けてしまういわゆる「塩漬け」状態にしてしまうことです。損切りとは、購入時より値下がりしている株式などを売却して、損失を確定させることです。失敗の原因は、損切りするラインを事前に決めておかないこと。初心者は損切りするタイミングがわからず、損失が膨らむケースが見られます。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
仮に株価1,000円の銘柄があったとして、800円に値下がりしたらあきらめて売るのか、それでも持ち続けるのか、自分の中で基本ルールを決めておくことが大切です。
もし800円になっても、業績が悪化していないなど、株を保有し続ける明確な理由があれば損切りする必要はありません。大切なのは自分でルールや判断の基準を設けること。他の人に説明できるくらい考えがまとまっていると、より良いでしょう。
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投資の失敗例から考える教訓〜投資信託編〜
購入時の失敗「情報を確認せず、手数料の高い投資信託を購入してしまう」
投資信託の購入時に気をつけたいのが「手数料」です。投資信託では、保有している間に経費として払い続ける「信託報酬」や、購入時の「販売手数料」がかかる商品があります。
これらの手数料は、投資信託の基準価額(株価と同じ意味合い)の0.1%程度から、2〜3%まで様々です。初心者の方は手数料の確認を怠り、高い手数料の投資信託を購入するケースが多いので注意が必要です。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
投資信託は、年間5〜7%の利益を出せば優秀な商品と言えます。そう考えると、手数料が2~3%というのはかなり大きいですよね。
手数料の高い投資信託は、高度な理論やプログラムが使われていることも多いのですが、それが利益に直結するとは限りません。むしろ、手数料0.1%の投資信託でも着実に利益を上げているケースは多数あります。数パーセントだからと軽く見ないで、その手数料がかかっても良いのかをしっかりと検討することが大事です。
売却時の失敗「短期的な値下がりを見て売却してしまう」
投資信託は中・長期で保有することを目的に作られた商品が多いと言えます。しかし、その特性を理解していないと、短期的に値下がりした際にすぐに売却してしまうということはありがちです。それでは、中・長期で結果を出す投資信託の特性を生かせていない可能性があります。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
投資信託では、毎月決まった日に決まった金額分を購入する「積み立て投資」も多く行われています。これは「ドルコスト平均法」※詳しくは下記リンク先へという手法を用いたもので、その銘柄の価格が高い時には少なく、価格が低い時には多く購入できるため、長期的に見ると銘柄の購入価格を平均化できるというメリットがあります。
これも、中・長期で安定した運用をするための手法です。そういった場合は特に、値下がりしたからと数カ月で投資信託を手放してしまうのは得策と言えません。基本的には、短期の値動きに一喜一憂せず、数年後、数十年後を見据えてじっくりと値上がりするのを持ち続けましょう。
▼ドルコスト平均法の詳細も。投資信託をこれから始める方におすすめの記事はコチラ
投資の失敗例から考える教訓〜不動産投資編〜
購入時の失敗「適正な物件価格が分からないまま買ってしまう」
不動産投資は、大きな資金を動かすのが特徴です。そのため、失敗した際の損失も大きくなります。特に経験が浅いと、3,000万円が適正価格の物件を4,000万円で購入してしまう…といった大きい金額の失敗もあるようです。購入時点ですでに1,000万円も余計に負債を抱えている状況では、その後に利益を出すのは相当難しくなります。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
普通に生活しているだけでは、物件の適正価格を見極める力はなかなか身につきません。目の前の物件がいくらなのか、パッと見てすぐに計算できる人は少ないでしょう。
不動産を購入する際は、物件の相場観を養うことが大切です。不動産業界では、良くないことではありますが、適正価格より1,000万円近く高い価格で初心者に物件を売りつける業者もいます。物件を買う際は、同じ地域の似た物件と価格を比較しながら、適正価格かどうかを慎重に見極めましょう。
売却時の失敗「相手の言葉を信用して、安売りしてしまう」
不動産を売る際も、価格の見極めが重要なポイントとなります。よくあるのが、「この物件を売ってください」と業者の方から連絡が来て、そのまま売ってしまうケース。自分が損しているという自覚が無いまま、大きく損をしている場合もあるのです。物件購入時と同様、売る際もその物件の適正価格を他の物件と比較しながら見極める必要があります。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
不動産を持っていると、不動産登記簿謄本を調べた業者から手紙や電話で「○○万円で物件を売ってくれませんか」と連絡が来るケースがあります。提示される価格はかなり低いことも多く、相手は「売ってくれれば儲けもの」と考えている場合も少なくありません。
特に初心者は、物件が売れることに満足して売却価格の見極めが甘くなる傾向があります。こちらも相場を調べて適正価格で売ることを心がけましょう。
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投資の失敗例から考える教訓〜FX編〜
購入時の失敗「レバレッジをかけ過ぎて資金以上の損失を背負う」
FXの特徴は、自己資金の25倍までレバレッジをかけて運用できる点です。4万円の自己資金があれば100万円分の運用ができることになります。
レバレッジをかけると、自己資金の総額を超えた損失が出ることがあります。そのような損失の拡大を防ぐために使われているのが「強制ロスカット」という仕組みです。強制ロスカットでは、自己資金に対してあらかじめ決められた割合(証拠金維持率)を超えた損失が出た際に、FX会社が自動的に決済を行います。
注意したいのは、急激な相場の変動が起こった場合です。強制ロスカットが間に合わず、自己資金以上の損失が生まれることがあります。4万円の資金で100万円を運用したとして、その運用額が95万円まで下がってからロスカットされる…つまり、本来の資金である4万円を失った上で更に1万円の支払いが発生することもあるのです。レバレッジのリスクを理解せず、資金以上の損失を出してしまう失敗はありがちです。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
レバレッジをかける場合、ロスカットのルールや仕組みを理解しておくことが大切です。FXは、基本的に値動きがそれほど大きくありません。しかし、政府の動向や社会情勢で一気に変動するケースもあります。こういったリスクをふまえてレバレッジの利用を考えるべきでしょう。
売却時の失敗「細かな管理のルールを決めず、損失を重ねる」
FXは、常に変わり続ける各国の通貨の価値が上下どちらに動くかを予想するものです。値動きは不規則であり、初心者がきちんと売り時を見極めて利益を上げるのは難しい投資です。
本来は、どのタイミングで売るのか、損切りラインはどう決めるのか、個人で管理のルールを細かく設定する必要があります。そういった特性を理解せずに始めてしまい、あっという間に損失が膨らんでしまうケースは多いものです。
【もふ社長が考える、この失敗から得られる教訓】
FXは、極端に言えば、値上がりするか値下がりするかのルーレットを当てるようなもの。利益を出すには技術と経験、センスが必要です。
また、自分の予想が外れた際の損切りルールを明確に作っておかなければ、レバレッジをかけている分すぐに損失が膨らんでしまいます。初心者の方にはオススメしにくい投資なのです。
【番外編】投資の失敗例から考える教訓〜怪しい投資にも要注意〜
ここまで一般的な投資手法の失敗例を見てきましたが、世の中には怪しい投資や儲け話に騙される「失敗」もあります。では、怪しい投資に騙されるパターンとしてどんなものがあるのでしょうか。その典型的な例と見分け方を、もふ社長に聞きました。
典型的な怪しい投資話「流行りのワードを並べ、高い利回りをアピールする」ものに注意
投資詐欺として多いのは、暗号通貨やAI(人工知能)といった流行りのワードを並べて「高利回り」を謳うケースです。「暗号通貨やAIを使い、こんな高い利回りの投資を実現します」というイメージです。
利回りとは、投資金額に対する収益の割合であり、そのパーセンテージが高いほど収益性の高い投資となります。しかし、投資詐欺で言われる利回りは、現実的ではないことがほとんどです。それを見分けるには、他の投資方法の一般的な利回りを知っておくことが重要です。
たとえば株式投資なら、株主が毎年受け取れる配当は平均2%程度(2020年 東証一部1))ですので、高くても利回り4〜5%ほどと言えるでしょう。不動産投資は家賃が利回りとなりますが、10%を超えればかなりの高利回りです。その水準を明らかに超える利回りは現実的ではなく、怪しむべきと言えるでしょう。
詐欺によく使われるポンジ・スキーム
こういった詐欺でよく使われるのが「ポンジ・スキーム」という手法です。覚えておくと良いでしょう。
詐欺師は「出資すればその資金を運用し、のちに利益(利回り)をつけて返す」と約束しますが、実際には運用せず、また別の人から同じように募った資金を流用してもとの出資者に返します。まるで利益が乗って帰ってきたように感じますが、実際は他の出資者のお金を一時的に借りているだけで、運用は行われていないのです。いずれ資金が尽きて破綻し、そこで詐欺に気付くということも多いです。
日本でも海外でもポンジ・スキームを使った詐欺はたびたび繰り返されてきました。暗号通貨やAIといった流行りのワードを使いお金を集め、ポンジ・スキームで詐欺を行うのです。こういった手法を使って騙そうとする人は多いので、怪しい儲け話には注意しましょう。
これから投資を行う人へ。もふ社長からのメッセージ
投資は人生をプラスにすることもあれば、大きな損失を出してマイナスにすることもあります。それを理解した上で、余剰資金で始めてほしいと思っています。
最初のうちは損失が出ても痛手にならない範囲で投資経験を積むと良いでしょう。まずは小さな資金で、成功も失敗も小さく重ねていくことが、長く投資を続ける秘訣です。
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