『お金のホント相談室』では、“生涯にわたる良きパートナー”として、家計の状況やライフプランに応じて最適な提案を行っている、東京海上日動あんしん生命保険のライフパートナーから、実際にあったご提案事例を紹介していきます。
今回は、34歳(男性)のCさん。職場でのマネープランセミナーに参加したことをきっかけに将来のことが気になり始めたようです。ライフパートナーの石原香介よりアドバイスをお伝えします。
この記事の著者
石原 香介
東京海上日動あんしん生命保険、横浜支社所属のエグゼクティブライフパートナーロイヤルメンバー。2020年度MDRT成績資格終身会員(COT)。AFP(日本FP協会会員)。相続診断士。
保険はもちろん、資産運用などの個人のご相談はもちろん、医師や企業経営者様にも様々なリスクマネジメントのサポートをしています。また、各種マネーセミナーや企業研修等多くのセミナー講師を務め、セミナー後の個別相談では毎回多くの予約を頂戴しています。
【ご相談者】
Cさん:34歳、大手機械商社勤務
年収:約700万円
家賃:15万円(うち自己負担約5万円、賃貸マンション)
貯蓄合計:500万円程度(全て現金預金)
生命保険:勤務先の団体保険(入院保障)
都内近郊にて一人暮らし。会社から家賃補助もあるため、現時点では生活には余裕がある。
【お金に対する考え方】
- これまで意識して貯金や資産運用をしたことはなかった(500万円程度ある貯蓄は結果的に貯まっていた)。
- 巷で話題に上がる『老後2千万円問題』。でも自分には本当にいくら必要で、どうやって準備すればいいの?が漠然と気になり始め、勤務先主催のマネープランセミナーに参加。その流れで、個別相談を申し込んだ。
『老後2千万円問題』『人生100年時代』『iDeCo、積立NISAで資産形成』などなど、「将来のお金のコトをきっちり考えなければいけない」と考えさせられるキーワードが世の中で飛び交っています。
何か始めたほうがいいのだろうか? でも、投資でお金を減らしたくない、何よりもわからないものに大切なお金を投じることに対する危機意識もある…。そんな不安をお持ちの方からのご相談が最近非常に増えています。
Cさんもそのおひとり。今回は、私、石原からそんなCさんにアドバイスさせていただいたポイント3点をお伝えします。
【ポイント1】適切なマネープランを立てるためのファーストステップ
投資について考える前に、まず適切なマネープランを立てるために大切な“準備”があります。
それは、今の勤務先でご自身が定年退職を迎えた時に退職金をいくら受け取ることができる予定なのか、年金はどの程度受け取ることが出来るのかをしっかり把握するということです。
非常に基本的なことですが、意外に多くの方がこのプロセスを経ずに「将来資金はどのように作るべきか?」という答えを探しがちなのです。
年金は将来いくら貰えるかが不確実と言われていますが、現時点の計算ではいくら受け取れるのかをベースとして理解しておくことはとても大切です。より適切なマネープランを立てることが可能になるはずです。
【ポイント2】安定的に貯めるには『分散』がおすすめ
投資を始めるにあたって、『投資先の分散』と『時間の分散』という2つの考え方を理解しておきましょう。
まずは『投資先の分散』です。例えば、A企業に集中投資するケースと、A・B・Cの3企業に分散して投資するケースをイメージしてみてください。集中投資していた場合、A企業の業績や経営状態がダイレクトに資産に反映されることになります。
業績が上振れすれば株価上昇で大きなリターンが得られる可能性が高い反面、業績が下振れしたり、万一経営破綻するようなことがあると、資産価値は大幅に縮小もしくはゼロになってしまうことも考えられます。一方で、分散投資していた場合、A企業の業績が上振れした場合のリターンは前者に比べて薄まりますが、逆に下振れリスクも小さくなるというメリットがあります。
2つ目に、『時間の分散』です。
たとえば、ある商品に毎月1万円ずつコンスタントに投資するとします。その商品の単価が1,000円だとすると、10口購入することができます。翌月2,000円に単価が上がれば5口しか買えませんが、その翌月に500円に下がれば20口買えます。
このように「毎月」「同じタイミング」「同じ金額」で投資を続ければ、購入金額が平準化されるのでリスクを低くすることができます。これは『ドルコスト平均法』といって、時間分散投資の代表格であり、iDeCoや積立NISAにおいてもよく利用される手法です。
一般的に投資商品は、短期であれば大きな損得が生じますが、長期的に見ると多くの場合は上昇しています。このため、時間分散投資で口数を着実に増やしていけば、投資利益を得る可能性が広がるといえます。
20年、30年という長期的視野で資産形成を考えるCさんにとって、この『投資先の分散』と『時間の分散』は非常に重要なファクターだと言えます。
【ポイント3】保険でも『分散投資』ができる
投資を始めるうえで投資対象の分析はとても重要ですが、初めて投資を行うCさんにとって、数えきれないほど存在する投資対象を分析して、投資対象を選定することはなかなか難しい作業です。
そこで登場するのが投資信託。その名の通り、「投資」を「信」じて人に「託」すことをいいます。つまり、投資の専門機関に自分の資金を預け、代わりに運用してもらうのです。投資のプロであるファンドマネージャーが、投資対象や売買のタイミングなど一手に行ってくれます。毎月一定額を購入していく積立型の投資信託もありますので、投資へのハードルは下がるのではないでしょうか。
また、保険にも『分散投資』が可能な商品があります。変額保険は、毎月お預かりする保険料の一部が、「日本株式」「外国株式」「外国債券」「不動産」などで運用され、その実績によって将来うけとる保険金や解約返戻金(かいやくへんれいきん)が増減するという商品です。
保険ですので、当然ながら契約すればその日から死亡保険金が保障されるという点が投資信託との大きな違いです。他にも、税制上のメリットや運用資産を変更できるかなどいくつかの違いをしっかり理解いただいた上で、Cさんの将来設計にあったものをご紹介しました。
不安の解決は先送りせず。まずは一歩踏み出す!
読者の皆さんの中にも「漠然と将来が不安」だと思う一方で、「どのように資産運用を始めればいいのか分からない」とお考えの方が多いのではないでしょうか。特に投資の経験がない方の場合、知識がないことを理由に不安の解決を先送りにしてしまいがちです。
職場などでマネーセミナーが実施されていれば、そういったところに参加してみて、まずは最低限の情報や知識を得るというのもありかと思います。また、個別マネー相談でおひとりおひとりの状況やご要望にそったアドバイスを受けていただくだけでも不安の解消につながるかもしれません。まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
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