この記事では、ファイナンシャル・プランナーのタケイ啓子さんの監修のもと、年金を繰下げ受給し、70歳からもらう場合の受給額や注意点を解説します。
この記事の監修者
タケイ 啓子(たけい けいこ)
ファイナンシャル・プランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。
年金を70歳からもらうには「繰下げ受給」をする
公的年金(国民年金と厚生年金)のうち、老齢基礎年金と老齢厚生年金(以下「年金」)は、原則として65歳から受給開始となります。しかし、希望すれば受給開始年齢を65歳より早くしたり、遅くしたりすることが可能です。この制度を「繰上げ受給」「繰下げ受給」と呼びます。
年金を70歳から受け取るには繰下げ受給を選択する必要があります。以下では、年金を繰下げ受給する際の条件を説明します。また、繰上げ受給についても簡単にご紹介するので、参考にしてみてください。
繰下げ受給をするための条件
繰下げ受給は、以下条件を満たす場合、66歳から75歳までの間で年金の受給タイミングを自由に設定できる制度です。繰下げ受給をしたい場合は、年金請求を繰下げたい前月まで保留しておきましょう。老齢年金を受け取らないまま66歳を迎えると「繰下げ見込額のお知らせ」が届きます。
「繰下げ見込額のお知らせ」で、繰り下げた場合の年金の見込み額を確認できますので、金額を確認して、今すぐもらい始めるのか、このまま繰下げを続けていくのかを決めましょう。繰下げの期間中であれば、75歳までの間の適切な時期に受け取り始めることができます。
なお、繰下げ受給をすると、繰下げた期間によって年金額が増額されます。その増額率は一生変わりません1)。
また、繰下げ受給は老齢基礎年金と老齢厚生年金とで別々のタイミングで行うことができます。老齢基礎年金だけ65歳から受け取る、ということも可能です。
年金を60歳からもらう「繰上げ受給」とは?
60歳から65歳になるまでの間に年金を受給することを「繰上げ受給」といいます。繰上げ受給の請求をすると、その期間に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。なお、繰下げ受給は老齢基礎年金と老齢厚生年金とで別々に行うことができますが、繰上げ受給は老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に請求する必要があります2)。
参考資料
年金は何歳からもらう人が多い?
では、実際に繰下げ受給・繰上げ受給をしている人はどのくらいいるのでしょうか。厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」3)によると、老齢厚生年金の受給権者で繰下げ受給をしている人は令和4年度時点で受給者全体の1.3%で、繰上げ受給をしている人は0.7%です。ただし、70歳の老齢厚生年金受給権者に絞ると、繰下げ率は上昇傾向にあり、令和元年が1.5%だったのが、令和4年度で2.1%まで増加していました。
なお、国民年金(老齢基礎年金)の受給権者の繰上げ受給・繰下げ受給の状況をみると、繰上げ率は低下傾向にある一方で、繰下げ率は上昇傾向にあります。令和4年度末時点で国民年金の老齢基礎年金のみの受給権者の繰上げ率は25.7%、繰下げ率は2.0%となっています。70歳の老齢基礎年金受給権者に絞った場合も同様の傾向で、老齢基礎年金のみの受給権者の繰上げ率は令和元年が17.6%に対して、令和4年では14.2%まで減少。繰下げ率は3.3%となっています。
その背景には働く高齢者が増えていることが挙げられるでしょう。「令和5年度版高齢者社会白書」4)によると、高齢者の就業率は年々上昇傾向にあります。65歳から69歳の就業率は男性61%、女性41.3%で、年金の受給開始年齢である65歳を過ぎても多くの人が働いて収入を得ていることがわかります。
年金を70歳からもらうといくら増える?
繰下げ受給を選択すると、年金の受給額は一定の割合で増加します。受給額は1カ月遅らせるごとに0.7%ずつ増額され、最大で42%まで増額します5)。以下では、「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」3)の令和4年度の平均年金月額(14万4,982円)を参考に、65歳以降に繰下げ受給した場合の受給額を試算しました。
〈表〉繰下げ受給をした場合の老齢基礎年金と老齢厚生年金の受給月額
受給開始年齢 | 65歳 | 66歳 | 67歳 | 68歳 | 69歳 | 70歳 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
増額率 | 0% | 8.4% | 16.8% | 25.2% | 33.6% | 42% | |
受給月額 | 老齢基礎年金 | 6万8,000円 | 7万3,712円 | 7万9,424円 | 8万5,136円 | 9万848円 | 9万6,560円 |
老齢厚生年金 | 14万4,982円 | 15万7,160円 | 16万9,339円 | 18万1,517円 | 19万3,696円 | 20万5,874円 |
※:1円以下は四捨五入。
総務省の「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」6)によると、65歳以上の無職世帯の場合、1カ月の生活費(消費支出と非消費支出の合計)は、単身世帯で15万7,673円、夫婦のみ世帯で28万2,497円です。
これを鑑みると、1人暮らしの場合には65歳から年金を受給し始めても、厚生年金に加入していれば生活費を十分に賄えることがわかりました。ただし、国民年金のみ加入している場合には70歳まで繰下げても年金だけでは標準的な生活費に足りない可能性があります。
また、上表の数値をもとに90歳まで受給した場合の通算受給額も試算しました。
〈表〉90歳まで繰下げ受給をした場合の老齢基礎年金と老齢厚生年金の通算受給額
受給開始年齢 | 65歳 | 66歳 | 67歳 | 68歳 | 69歳 | 70歳 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
受給期間 | 25年 | 24年 | 23年 | 22年 | 21年 | 20年 | |
受給総額 | 老齢基礎年金 | 2,040万円 | 2,122万9,056円 | 2,192万1,024円 | 2,247万5,904円 | 2,289万3,696円 | 2,317万4,400円 |
老齢厚生年金 | 4,349万4,600円 | 4,526万2,221円 | 4,673万7,557円 | 4,792万610円 | 4,881万1,380円 | 4,940万9,866円 |
70歳まで繰下げ受給をした場合、65歳で受給し始めた場合に比べて受給期間が5年短くても、国民年金(老齢基礎年金)のみの場合は277万4,400円、厚生年金の場合は591万5,266円多くもらえることがわかりました。
ここで気になるのは、65歳から普通に受給する場合よりも、繰下げ受給をしたらいつ総額として得することができるのか? ということでしょう。そこで、70歳まで繰下げした場合の受給額をシミュレーションしてみました。
老齢厚生年金の受給開始年齢ごとの受給総額
以下は「令和4年分民間給与実態統計調査結果について」を参考に、令和4年度の厚生年金の平均年金月額(14万4,982円)の場合で、厚生年金の受給開始年齢ごとの受給総額を試算しました7)。
〈表〉繰下げ受給をした場合の老齢厚生年金の受給総額
繰下げ受給の受給開始年齢 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 65歳 | 66歳 | 67歳 | 68歳 | 69歳 | 70歳 |
76歳 | 1,913万7,624円 | 1,885万9,320円 | 1,828万8,612円 | 1,742万5,728円 | 1,627万464円 | 1,482万3,000円 |
77歳 | 2,087万7,408円 | 2,074万5,252円 | 2,032万680円 | 1,960万3,944円 | 1,859万4,816円 | 1,729万3,500円 |
78歳 | 2,261万7,192円 | 2,263万1,184円 | 2,235万2,748円 | 2,178万2,160円 | 2,091万9,168円 | 1,976万4,000円 |
79歳 | 2,435万6,976円 | 2,451万7,116円 | 2,438万4,816円 | 2,396万376円 | 2,324万3,520円 | 2,223万4,500円 |
80歳 | 2,609万6,760円 | 2,640万3,048円 | 2,641万6,884円 | 2,613万8,592円 | 2,556万7,872円 | 2,470万5,000円 |
81歳 | 2,783万6,544円 | 2,828万8,980円 | 2,844万8,952円 | 2,831万6,808円 | 2,789万2,224円 | 2,717万5,500円 |
82歳 | 2,957万6,328円 | 3,017万4,912円 | 3,048万1,020円 | 3,049万5,024円 | 3,021万6,576円 | 2,964万6,000円 |
※:金額は全て1万円未満を切り上げで表示しています。
上表を見ると、70歳まで年金を繰下げ受給すると、82歳時点(上の図の赤文字部分)で年金受給額の総額が2,964万6,000円になり、65歳から年金を受け取るよりも、受給額が6万9,672円多くなります。つまり70歳で受給を開始した場合は、82歳を迎えると、65歳から年金を受給した場合の受給総額を追い抜くことができます。
老齢基礎年金の受給開始年齢ごとの受給金額
一方、老齢基礎年金の場合は以下です。
〈表〉繰下げ受給をした場合の老齢基礎年金の受給総額
受給開始年齢 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 65歳 | 66歳 | 67歳 | 68歳 | 69歳 | 70歳 |
76歳 | 897万6,000円 | 884万5,440円 | 857万7,792円 | 817万3,056円 | 763万1,232円 | 695万2,320円 |
77歳 | 979万2,000円 | 972万9,984円 | 953万880円 | 919万4,688円 | 872万1,408円 | 811万1,040円 |
78歳 | 1,060万8,000円 | 1,061万4,528円 | 1,048万3,968円 | 1,021万6,320円 | 981万1,584円 | 926万9,760円 |
79歳 | 1,142万4,000円 | 1,149万9,072円 | 1,143万7,056円 | 1,123万7,952円 | 1,090万1,760円 | 1,042万8,480円 |
80歳 | 1,224万0円 | 1,238万3,616円 | 1,239万144円 | 1,225万9,584円 | 1,199万1,936円 | 1,158万7,200円 |
81歳 | 1,305万6,000円 | 1,326万8,160円 | 1,334万3,232円 | 1,328万1,216円 | 1,308万2,112円 | 1,274万5,920円 |
82歳 | 1,387万2,000円 | 1,415万2,704円 | 1,429万6,320円 | 1,430万2,848円 | 1,417万2,288円 | 1,390万4,640円 |
※:金額は全て1万円未満を切り上げで表示しています。
老齢基礎年金の場合も老齢厚生年金と同様の結果となりました。上表を見ると、70歳まで年金を繰下げ受給すると、82歳時点(上の図の赤文字部分)で年金受給額の総額が1,390万4,640円になり、65歳から年金を受け取るよりも、受給額が3万2,640円多くなります。繰下げ受給後の受給総額が65歳で受給する場合の受給総額を追い抜くのには、やはり12年ほどかかることがわかりました。
70歳から年金をもらう場合の注意点
年金の受給は月々もらえる年金の金額が増えますが、場合によっては、もらえる金額が低くなってしまったり、思うほど増えなかったり、もらえると思っていたお金がもらえないということも考えられます。そこで、年金の繰下げ受給をする際の注意点を3つ紹介します8)。
それぞれについて以下で説明します。ただし、年金制度は近年、実情に合わせて調整が重ねられているので、将来的には状況が変わっている可能性もあります。繰下げ受給する場合には、その時の制度を再度確認しましょう。
参考資料
①受給期間によって受給総額が低くなる
65歳から受給する場合と70歳から繰下げ受給をする場合とを比較すると、前述の表によれば受給総額が上回るのは受給開始から12年後となる82歳の時点となります。つまり82歳以前に亡くなった場合、65歳から受給した場合に比べて受給総額が低くなります。また、遺族年金は繰下げ受給の増額の対象外であることも覚えておく必要があるでしょう。
②税金や社会保険料の増額で手取りが思ったほど増えない
年金の受給額が増えるということは、所得が増え、比例して所得税が増えます。また、社会保険料、介護保険料の金額も上がり、その分の手取りが減ることになります。もしもiDeCoをはじめとする私的年金制度を活用している場合、そちらの金額も所得として加算されるため、受け取るタイミングも考慮して調整する必要があるでしょう。
また、収入によって医療費の負担が変わる高額療養費制度を利用する際に、自己負担額が高くなる可能性があります9)。
iDeCoや高額療養費制度についてもっと詳しく知りたい人は以下の記事で紹介しているので、併せてご覧ください。
【関連記事】iDeCo(イデコ)のデメリット10個と理由を解説!おすすめしない人とは?
【関連記事】高額療養費制度はいくら以上から適用される?基礎知識を解説
③加給年金や振替加算の対象外になる可能性がある
加給年金とは、厚生年金に20年以上加入している人が65歳になった時点で利用できる制度です10)。特定の条件を満たす配偶者または子どもがいる場合に、老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)のうち、老齢厚生年金の金額が一定期間にわたって加算されます。
ただし、加給年金は以下の場合に受け取れなくなります。
【加給年金が支給停止となる主なケース】
- 配偶者が65歳になった(年金をもらいはじめた)場合
- 子どもが18歳になった場合
- 配偶者または子どもが「生計を維持」の条件から外れた場合
- 配偶者が障害年金を受給しはじめた場合
- 配偶者の厚生年金加入期間が20年以上になった場合
また、繰下げ受給をする際に注意したいのは、繰下げている期間中には、加給年金・振替加算を受け取ることができない点です8)。振替加算とは、配偶者が65歳になることによって加給年金が打ち切られた際、配偶者の老齢基礎年金に加算される金額です9)。
配偶者や子どもがいる第2号被保険者は繰下げ受給をする場合、受給のタイミングを見極める必要があるでしょう。
加給年金についてもっと知りたい人は以下の記事で説明しているので、併せてご覧ください。
【関連記事】【図解】加給年金とは?もらえる条件や金額をわかりやすく解説
参考資料
【注意点】70歳まで繰下げ受給ができない場合もある
遺族年金や障害年金を受給する権利が生じた場合、権利が発生した時点で受給額の増額率が固定されます8)。特に66歳以前にその権利が生じた場合、繰下げ待機を続けることができなくなるため、繰下げ受給自体もできなくなります。
また、前述のように、従来、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰下げ受給することが可能です。ただし、日本年金機構が支給する老齢厚生年金のほかに、共済組合なども老齢厚生年金を支給する場合、どちらか一方のみを繰下げ受給することができないので注意しましょう8)。
70歳から年金をもらったほうがいい人とは?
では、年金を70歳から受給したほうがいい人とはどんな人でしょう。
【70歳まで繰下げたほうがいい人】
- 年金受給額が少ない人
- 繰下げ待機期間中の収入にあてがある人
厚生年金に加入していなかったり、加入していても期間が短かったりする人は年金受給額が少ないため、繰下げ受給によって増額するのがおすすめです。また、65歳以降も働く予定がある、もしくは繰下げ待機期間中の生活費に問題がない人は繰下げ受給も選択肢として考えてもいいでしょう。
【70歳まで繰下げないほうがいい人】
- 繰下げ待機期間中の収入にあてがない人
- 貯蓄が少ない人
- 年金受給額が多い人
逆に繰下げ受給に向かないのは、待機期間中の生活費のあてがない人といえます。年金額が多い場合は、繰下げ受給で増額しても税金や社会保険料などの負担を大きくしてしまう可能性があります。私的年金制度を一時金ではなく、年金としてもらおうと考えている人も注意が必要です。
70歳から年金をもらうための手続き方法
続いて、70歳から繰下げ受給する場合の手続き方法を説明します。
【手続き方法①】65歳の初回の年金の請求手続きを行わない
受給開始年齢に達し、老齢年金の受給権が発生すると、受給開始年齢の3カ月前ごろに、年金を受け取るために必要な「老齢年金請求書」が届きます11)。これを年金事務所に提出するか、あるいは電子申請を行うことで年金受給が開始します。
繰下げ受給をしたい場合は、まず65歳時点で「老齢年金請求書」が届いても請求手続きを行わないようにします8)。
参考資料
【手続き方法②】老齢基礎(厚生)年金裁定請求書/支給繰下げ請求書を記入し提出
繰下げを希望する時期になったら、「老齢基礎(厚生)年金裁定請求書/支給繰下げ請求書」を日本年金機構のウェブサイトなどから入手して、年金事務所に提出します8)。
〈図〉老齢基礎(厚生)年金裁定請求書/支給繰下げ請求書
「老齢厚生年金の受取方法」と「老齢基礎年金の受取方法」で選択肢となる「ア」に丸印をつけて提出すると、請求した日の属する月の翌月分から増額された年金を受給することができます。なお、いずれか一方だけ受給する場合は、受給しないほうの受け取り方法を「ウ」に丸印をつけます。加給年金の支給対象となる家族がいる場合には、「生計維持申立」も記入し、加給年金額の対象者の住民票と所得証明を添えて提出します。
【注意】「繰下げ見込み額のお知らせ」を確認する
なお、老齢年金を受給する権利が生じていても年金の請求を行わない場合、受給待機期間中は毎年、誕生月に「繰下げ見込額のお知らせ」が届きます。
〈図〉繰下げ見込額のお知らせ
「繰下げ見込額のお知らせ」には、誕生日月時点で年金の繰下げ請求をした場合の年金見込額が記載されています。誕生日月以外で年金見込額を確認したい場合には、年金事務所に問い合わせるか、ねんきんネットにアクセスしましょう。
65歳までさかのぼって一括受給することもできる
繰下げを希望し、66歳以降に年金を請求する場合、繰下げ受給ではなく、それまでの年金額をさかのぼって一括で受け取ることも可能です8)。ただし、さかのぼれるのは過去5年間までで、過去分の年金を一括で受給する場合、医療保険や介護保険の自己負担や保険料、税金なども同様に過去にさかのぼって影響を受ける可能性があります。
一括受給を選択する場合、前述の「老齢基礎(厚生)年金裁定請求書/支給繰下げ請求書」の「老齢厚生年金の受取方法」と「老齢基礎年金の受取方法」で「イ」に丸印をつけて提出します。言い換えると、繰下げ待機期間の一括受給を選択することで、実質的に繰下げ受給を取り消すことができるわけです。なお、「老齢基礎(厚生)年金裁定請求書/支給繰下げ請求書」を提出すると、増額率が固定され、変更できなくなります12)。
70歳で年金をもらいたい場合は、将来のライフプランを立ててから検討しよう
70歳から年金を受給するのは、月額受給額を増やしたい場合には有効な手段といえますが、受給総額を考えた場合にはマイナスに働く場合があります。また、加給年金や振替加算が受け取れなくなったり、税金や社会保険料が増えたりする可能性もあります。老後のライフプランや資産運用、貯蓄額を見据えた上で検討しましょう。