家族に高齢者がいる場合、医療費の負担額について悩む人もいるかもしれません。高額療養費制度を利用すれば、世帯で医療費を合算し、自己負担限度額を超えた部分は国が負担してくれます。しかし、高齢者の年齢によっては世帯合算できないので注意が必要です。

この記事では、ファイナンシャルプランナー・荒木千秋さん監修のもと、高額療養費制度の世帯合算について家族の年齢別で具体的なシミュレーションを紹介します。さらに世帯合算できるケースとできないケースをわかりやすく解説します。

この記事の監修者

荒木 千秋(あらき ちあき)

ファイナンシャルプランナー。荒木FP事務所代表{job}。10年間の銀行勤務を経て独立。これからの女性が人生を楽しむためには「お金・投資」との付き合い方を変えなければならないと確信し、現在は、大学講師、セミナー、ウェブ執筆、個別相談等を行っている。 著書に『「不安なのにな〜んにもしてない」女子のお金入門』(講談社)がある。

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高額療養費制度とは

画像: 画像:iStock.com/YusukeIde

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高額療養費制度とは、1カ月に支払う医療費の自己負担額が上限を超えた場合、高額療養費として超過分の払い戻しを受けられる制度です1)。自己負担の上限額と計算方法は後述しますが、年齢や所得によって異なります。

高額療養費制度の対象となるのは、公的医療保険適用対象の医療費に限ります。つまり以下のような費用は対象外となります。

  • 自由診療の医療費
  • 先進医療の技術料
  • 差額ベッド代
  • 入院時の食費

申請が完了すると、各医療保険の審査を経て、高額療養費として支給されます。お金が手元に戻ってくるのは、受診した月から早くても約3カ月後で、高額療養費として戻ってくる分を含む金額を一度、窓口で支払う必要があります。ただし、事前に「限度額適用認定証」を申請しておけば、窓口での支払いを自己負担の上限額に抑えることができます後述)。

高額療養費の申請手続きについてもっと知りたい人は以下の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】高額療養費制度の申請手続きを解説。詳しくはコチラ

【年齢別】高額療養費制度の計算方法

画像: 画像:iStock.com/takasuu

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前述のように、高額療養費制度とは、1カ月に支払う医療費の自己負担額が上限を超えた際、超過分の払い戻しを受けられる制度です。この自己負担限度額は加入者の年齢と所得によって異なります1)。以下で詳しく説明します。

70歳未満の場合

70歳未満の場合、所得によって5つの区分に分かれます。

〈表〉70歳未満の1カ月の自己負担限度額

所得(健康保険の標準報酬月額/ 国民健康保険の区分〈旧ただし書き所得〉)1カ月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~(標準報酬月額83万円以上/旧ただし書き所得901万円超)25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%
年収約770万~約1,160万円(標準報酬月額53万~79万円/旧ただし書き所得600万~901万円)16万7,400円+(医療費-55万8,000円)×1%
年収約370万~約770万円(標準報酬月額8万~50万円/旧ただし書き所得210万~600万円)8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%
~年収約370万円(標準報酬月額26万円以下/旧ただし書き所得210万円以下)5万7,600円
住民税非課税者3万5,400円
※:標準報酬月額とは、毎月の給料など、報酬の月額を区切りがいい幅で区分したものを指す。
※:旧ただし書き所得とは、旧地方税法における住民税課税方式に関する条文のただし書きとして規定されていた方法で算出する所得。「前年の総所得金額等-住民税の基礎控除額」で算出する。

70歳以上75歳未満の場合

一方、70歳以上75歳未満では所得区分は6つです。また、年収約370万円未満の場合には、外来だけの上限額も設けられています。

〈表〉70歳以上75歳未満の1カ月の自己負担限度額

所得(健康保険の標準報酬月額/国民健康保険の区分〈課税所得〉)外来(個人ごと)の上限額1カ月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円~(標準報酬月額83万円以上/課税所得690万円以上)25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%
年収約770万~約1,160万円(標準報酬月額53万円以上/課税所380万円以上)16万7,400円+(医療費-55万8,000円)×1%
年収約370万~約770万円(標準報酬月額28万円以上/課税所得145万円)8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%
年収約156万~約370万円(標準報酬月額26万円以下/課税所得145万円未満など)1万8,000円(年間14万4,000円)5万7,600円
Ⅱ 住民税非課税者8,000円2万4,600円
Ⅰ 住民税非課税者(年金収入80万円以下など)1万5,000円

75歳以上は後期高齢者医療制度になる

画像1: 画像:iStock.com/maruco

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75歳以上でそれまでに国民健康保険や健康保険に加入していた人は後期高齢者医療保険制度の被保険者になります2)。80歳以上の家族もこれに該当します。

被保険者の区分と窓口負担割合は以下です3)

〈表〉後期高齢者医療制度の区分と窓口負担割合

区分判定基準自己負担割合
現役並み所得課税所得145万円以上(年収単身約383万円以上、複数約520万円以上)3割
一定以上所得課税所得28万円以上(年金収入+そのほかの合計所得金額が単身約200万円以上、複数320万円以上)2割
一般課税所得28万円未満(住民税が課税されている世帯で「一定以上所得」以外)1割
低所得Ⅱ世帯全員が住民税非課税者で年収80万円超
低所得Ⅰ世帯全員が住民税非課税者で年収80万円以下

また、後期高齢者保健制度に加入する人の高額療養費制度の自己負担限度額は以下になります。

〈表〉後期高齢者保健制度の高額療養費の自己負担限度額

所得外来(個人ごと)の上限額1カ月の上限額(世帯ごと)
課税所得145万円以上(年収単身約383万円以上、複数約520万円以上)収入に応じて8万100円~25万2,600円+(医療費-26万7,000~84万2,000円)×1%
課税所得28万円以上(年金収入+そのほかの合計所得金額が単身約200万円以上、複数320万円以上)1万8,000円(年間14万4,000円)5万7,600円
課税所得28万円未満(住民税が課税されている世帯で「一定以上所得」以外)
世帯全員が住民税非課税者で年収80万円超8,000円2万4,600円
世帯全員が住民税非課税者で年収80万円以下1万5,000円
※:年収は、単身世帯を前提としてモデル的に計算したもの。一定以上所得者は「年金収入+そのほかの合計所得金額」で判定する

同じ住所に住んでいても75歳未満の家族とは加入する保険制度が異なるため、世帯合算はできない点に注意しましょう。

高額療養費を計算する上での注意点

画像: 画像:iStock.com/marchmeena29

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高額療養費制度では同じ世帯の家族と医療費を合算できたり、高額療養費の申請が一定回数以上続くと自己負担限度額が下がったりするというルールがあります。高額療養費の計算をする際に注意するべき点を以下で説明します。

計算の注意点①年齢によっては世帯合算に金額制限がある

医療保険における「世帯」は同じ公的医療制度に加入する家族を指します(75歳未満の場合は、健康保険証の記号番号が同一)。同じ保険制度に加入していれば住所が違っても「同一世帯」として世帯合算ができます。

一方、同じ住所に住んでいても、違う保険制度に加入している場合には、世帯合算することはできません。たとえば、75歳以上の人は後期高齢者医療保険制度に加入しているため、国民保険や健康保険(協会けんぽなど)の被保険者である75歳未満の家族と合算することはできません。

なお、世帯合算できるのは、70歳未満の場合、1人1医療機関での医療費の自己負担額2万1,000円以上です。特に同じ医療機関で治療費を支払っても、歯科と医科、入院と外来は合算することはできず、世帯合算するにはそれぞれで自己負担額2万1,000円となる必要がある点に注意しましょう。

計算の注意点②「多数回該当」になると自己負担限度額が下がる

直近12カ月以内に3回以上、医療費が自己負担限度額に達した場合、4回目以降は「多数回該当」となって、自己負担限度額が以下のように下がります。

〈表〉多数回該当の自己負担限度額

所得区分70 歳未満70 歳以上
年収約1,160万円~14万100円
年収約770万~約1,160万円9万3,000円
年収約370万~約770万円4万4,400円
~年収約370万円
住民非課税者2万4,600円適用なし

多数回該当は1回目から4回目が12カ月以内である必要があります。下図のように毎回1回目から4回目の期間を見直します。

〈図〉多数回該当の考え方

画像: 計算の注意点②「多数回該当」になると自己負担限度額が下がる

上図では青とオレンジは1回目から4回目が12カ月以内なので、多数回該当となりますが、灰色は4回目が1回目から12カ月以上経過しているので、多数回該当にはなりません。

【シミュレーション】世帯合算の計算例

画像2: 画像:iStock.com/maruco

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前述のように家族で同じ公的医療保険制度に加入している場合、世帯合算して高額療養費を申請することができます。ただし、家族の年齢が70歳未満と70歳以上75歳未満に分かれる場合、計算が少し複雑になります。

上記の3つのケースについて、以下で詳しく説明します。

①70歳未満のみの計算例

画像1: ①70歳未満のみの計算例

4人家族の世帯全員が70歳未満で同じ保険制度の加入者である場合です。ここでは被保険者は夫(45歳)で、年収約370万~約770万円(標準報酬月額28万~50万円)と仮定します。

〈表〉70歳未満のみ4人世帯の医療費

治療した医院・診療科(治療内容)医療費世帯合算可能か
A病院(手術・入院)50万円
B病院(外来・医科)1万3,000円×
B病院(外来・歯科)1万7,000円×
子ども①C歯科(手術)40万円
子ども②C歯科(外来)3万円×
世帯合算できる医療費の合計90万円

70歳未満の場合、1人1医院での医療費の自己負担額が2万1,000円未満の時は世帯合算することができません。この家族では子ども②の医療費が3万円×30%=自己負担額9,000円でこれに該当します。また、同じ病院の支払いでも医科と歯科では合算することはできません。この家族は、妻の医療費(1万3,000円+1万7, 000円)がこれにあたるため、上記のように世帯合算できる医療費の合計は90万円になります。

被保険者である夫の年収が約370万~約770万円であるため、高額療養費の自己負担限度額は「8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%」で算出します。

医療費の自己負担額
=総医療費×30%
=90万円×30%=27万円

自己負担限度額
=8万100円+(世帯合算できる医療費の合計-26万7,000円)×1%
=8万100円+(90万円-26万7,000円)×1%
=8万100円+6,330円
=8万6,430円

医療費の自己負担額-自己負担限度額=高額療養費
=27万円-8万6,430円
=18万3,570円

つまりこのケースでは、医療費自己負担額のうち18万3,570円が高額療養費として戻ってくるので、実際に支払う金額は8万6,430円です。

画像2: ①70歳未満のみの計算例

②70歳未満+70歳以上75歳未満の計算例

つぎに1つの世帯に70歳未満と70歳以上75歳未満が混在するケースを見てみましょう。ここでは夫(45歳)と祖父(71歳)が共に国民健康保険の被保険者で、夫は年収約370万~約770万円(旧ただし書き所得210万~600万円)、祖父は年収約156万~約370万円(課税所得145万円未満など)と仮定します。

画像1: ②70歳未満+70歳以上75歳未満の計算例

〈表〉70歳未満4人+70歳以上75歳未満1人世帯の医療費

治療した医院・診療科(治療内容)医療費世帯合算可能か
A病院(手術・入院)50万円
B病院(外来・医科)1万3,000円×
B病院(外来・歯科)1万7,000円×
子ども①C歯科(手術)40万円
子ども②C歯科(外来)3万円×
祖父A病院(手術・入院)30万円
C歯科(外来)8万円
世帯合算できる医療費の合計128万円

70歳以上の場合は自己負担額の金額にかかわらず、世帯合算することができます。また、このように70歳未満と70歳以上75歳未満が世帯で混在する場合は、以下の手順で計算します1)

〈図〉70歳未満の世帯と70歳以上75歳未満の世帯の世帯合算

画像2: ②70歳未満+70歳以上75歳未満の計算例

①70歳以上75歳未満の高額療養費の上限額と照らし合わせて、70歳以上75歳未満の自己負担額(外来)を算出する
②①に残額がある場合は、外来以外の医療費に足し、これを70歳以上75歳未満の高額療養費の上限額と照らし合わせて、70歳以上75歳未満の自己負担額(世帯)を算出する
③②に残額がある場合は、70歳未満の自己負担額にこれを足す
④70歳未満の自己負担限度額を算出する
⑤70歳未満の世帯の自己負担額から④を差し引いて、同世帯の高額療養費を算出する

実際に計算してみましょう。このケースでは、70歳以上75歳未満の祖父が年収約156万~約370万円であるため、医療費の窓口負担割合は2割、高額療養費の上限額(外来)は1万8,000円、高額療養費の上限額(世帯)は5万7,600円と決まっています。

祖父の自己負担額(外来)
=総医療費(外来)×20%-高額療養費の上限額(外来)
=8万円×20%-1万8,000円
=-2,000円

祖父の自己負担額(外来以外)
=総医療費(外来以外)×20%-高額療養費の上限額(世帯)
=30万円×20%-5万7,600円
=2,400円

世帯の自己負担額
70歳未満の家族の自己負担額+祖父の自己負担額
=世帯合算できる医療費の合計×30%+祖父の自己負担額2,400円
=90万円×30%+2,400円
=27万2,400円

70歳未満の家族の自己負担限度額
=8万100円+(世帯合算できる医療費の合計-26万7,000円)×1%
=8万100円+(90万円-26万7,000円)×1%
=8万100円+6,330円
=8万6,430円

世帯の自己負担額−自己負担限度額=70歳未満の家族の高額療養費
=27万2,400円-8万6,430円
=18万5,970円

このようにこの世帯が自己負担で支払うのは70歳未満の家族分は8万6,430円になります。そして、祖父の分(1万6,000円+5万7,600円)+70歳未満の家族分(18万5,970円)で、合計25万9,570円が高額療養費として戻ってきます。

③70歳未満+75歳以上の計算例

画像1: ③70歳未満+75歳以上の計算例

家族の高齢者が75歳以上である場合、後期高齢者医療制度の被保険者になるため、国民健康保険か健康保険の加入者である70歳未満の家族とは合算することができません。ここでは夫(50歳)が社会保険の被保険者で年収約370万~約770万円(標準報酬月額28万~50万円)、祖父母は80歳以上で後期高齢者医療制度の被保険者、課税所得28万円以上と仮定します。

〈表〉70歳未満4人+75歳以上2人世帯の医療費

治療した医院・診療科(治療内容)医療費世帯合算可能か
A病院(手術・入院)50万円
B病院(外来・医科)1万3,000円×
B病院(外来・歯科)1万7,000円×
子ども①C歯科(手術)40万円
子ども②C歯科(外来)3万円×
世帯合算できる医療費の合計90万円
治療した医院・診療科(治療内容)医療費世帯合算可能か
祖父A病院(手術・入院)30万円
C歯科(外来)8万円
祖母D病院(外来)8万円
世帯合算できる医療費の合計46万円

前述のように、同じ住所に住んでいても、加入している公的医療制度が異なる場合は世帯合算することはできません。この家族の場合には、70歳未満の4人と75歳以上の2人、同じ保険制度に加入する人同士を「同一世帯」として考えます。70歳未満の4人の計算は「①70歳未満のみの計算例」で紹介しているので、以下では75歳以上の2人について計算します。

75歳以上の祖父が後期高齢者医療制度の被保険者で課税所得28万円以上の場合、医療費の窓口負担割合は2割、高額療養費の上限額(外来)は1万8,000円、高額療養費の上限額(世帯)は5万7,600円です。

祖父母の自己負担額(外来)
=総医療費(外来)×20%-高額療養費の上限額(外来)
=8万円×20%+8万円×20%-1万8,000円
=1万4,000円

祖父母の自己負担額(外来以外)
=総医療費(外来以外)×20%+外来分の残額-高額療養費の上限額(世帯)
=30万円×20%+1万4,000円-5万7,600円
=1万6,400円

高額療養費
=高額療養費(外来)+高額療養費(世帯)
=1万8,000円+5万7,600円
=7万5,600円

画像2: ③70歳未満+75歳以上の計算例

祖父母の医療費は上図のようになり、7万5,600円が高額療養費として戻ってきて、1万6,400円を自己負担で支払います。一方、70歳未満の家族は総医療費90万円のうち18万3,570円が高額療養費として戻ってきて、実際に支払う自己負担額は8万6,430円です。

窓口での支払い負担を軽減する制度

画像: 画像:iStock.com/miya227

画像:iStock.com/miya227

高額療養費制度によって高額な医療費を支払うことになっても、かなりの金額が軽減されることがわかりました。しかし、高額療養費は支払い後に申請し、手元にお金が戻ってくるのには約3カ月がかかる制度のため、窓口で一時的に大きな金額を支払う必要があります。こうした当座の支払いが難しい場合には、つぎの制度を活用しましょう。

限度額適用認定証

限度額適用認定証を提示すると、窓口での支払い額を負担の上限額に抑えることができます。限度額適用認定証は各保険制度に申請することで入手することができます1)4)。申請の手続きは加入する保険制度によって異なります。手続きについて詳しく知りたい人は併せて以下の記事をご覧ください。

【関連記事】限度額適用認定証の入手方法は? 詳しくはコチラ

なお、70歳以上になると所得額によっては、限度額認定証の手続きが不要になります。70歳以上75歳未満で年収約156万~約770万円の人は「健康保険証」と「高齢受給者証」、75歳以上で非課税世帯などではない人は「後期高齢者医療被保険者証」を代わりに提示します。

また、マイナ保険証を利用している場合も、「限度額適用認定証」は必要ありません。医療機関の窓口や顔認証付きカードリーダーで情報提供に同意するだけで限度額以上の一時支払いの手続きが不要になり、窓口での支払いを負担の上限額に抑えることができます。

マイナ保険証について、もっと知りたい人は以下の記事で詳しく説明しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】マイナ保険証のメリットとデメリットは? 詳細はコチラ

高額医養費貸付制度

医療費の当座の支払いに困る時、高額療養費の8割相当額を無利子で借りることができるのが、「高額医療費貸付制度」です。申請に必要な書類や手順は国民健康保険と健康保険で異なります。

国民健康保険の場合は、つぎの手順で高額医療費貸付制度に申し込みます5)

〈表〉高額医療費貸付制度(国民健康保険の場合)

①医療機関から保険点数がわかる医療費請求書をもらう
②①を市区町村役場に提出し、高額医療費貸付制度の利用を申し込む
③自治体が本人負担金額および貸付金額を提示する
④医療機関などで本人負担額を支払い、市区町村役場にその領収書と必要事項を記入した借用書を提出する
⑤市区町村役場から高額療養費資金貸付適用決定通知書が郵送される(自治体が医療機関などに貸付金額を支払う)
⑥高額療養費支給の決定後、高額療養費を貸付金に充てて精算する

健康保険の場合は、加入する健康組合によって異なります。たとえば協会けんぽの場合は、各支部につぎの必要書類を送付します6)

〈表〉高額医療費貸付制度の必要書類(協会けんぽの場合)

①医療機関などが発行した保険点数がわかる医療費請求書
②被保険者証または受給資格者票などの写し
③高額医療費貸付金借用書
④高額療養費支給申請書

健康保険の場合も、貸付金の返済は高額療養費の給付金の支払いで相殺され、残額がある場合は支給申請書で指定した金融機関に振り込まれます。

高額療養費受領委任払い制度

自治体によっては、高額医養費貸付制度の代わりに高額療養費受領委任払い制度7)を扱っているところもあります。対象となるのは、国民健康保険の被保険者で、生活を維持しながら高額な医療費を支払うのが困難な人です。事前に市区町村役場に申請をすることで、医療機関などの窓口での支払いを自治体が一時的に負担してくれる制度で、基本的には高額療養費と相殺されます。

申請に必要な書類は保険証のほか、医療機関などの請求書があれば添付するという自治体が多いようです。未納保険料がある人や70歳以上の人、また医療機関によっては利用できない点に注意しましょう。

高額療養費の計算をする際には世帯合算に注意

画像: 画像:iStock.com/itakayuki

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家族の複数人が高額な医療費を支払う状況にある場合、世帯合算は便利なしくみです。ただし、世帯合算するには同じ公的医療制度の加入者である必要があります。たとえば、この記事で解説したように家族が80歳以上の場合は後期高齢者医療制度の被保険者となるため、国民保険や健康保険の被保険者である75歳未満の家族とは世帯合算はできません。

また、世帯合算する場合、年齢によっては金額に制限がある点にも注意が必要です。制度をよく理解して、しっかり医療費の負担を軽減しましょう。

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