そこでこの記事では、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さん監修のもと、ボーナス(賞与)の平均支給額を業界・企業規模・年齢別で詳しく紹介します。
なお、ボーナス(賞与)の支給日のタイミングについては以下の記事で解説しています。ぜひ併せて参考にしてください。
※この記事は、2022年10月26日に公開した内容を最新情報に更新しています。
この記事の監修者
氏家 祥美(うじいえ よしみ)
ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持ち、「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。オンラインでの家計相談やマネー研修も実施中。
民間企業のボーナス(賞与)平均支給額は約39〜41万円

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まずは、全体のボーナスの平均支給額を見ていきましょう。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」1)2)によると、2023年、2024年の夏季・冬季におけるボーナスの平均支給額は以下のとおりです。
〈表〉ボーナスの平均支給額(民間企業)
2023年 | 2024年 | |
---|---|---|
夏季 | 39万7,129円 | 41万4,515円 |
冬季 | 39万5,647円 | 41万3,277円 |
2023年では夏季・冬季とも約39万円、2024年では夏季・冬季とも約41万円が支給されていることがわかります。また、調査対象となっている各事業所では、平均してボーナス1回につき約1カ月分の給与相当額が支給されています。なお、この平均支給額は、民間企業が対象となっているため、公務員の場合には平均支給額が異なります。公務員のボーナスの平均支給額は以下のとおりです。
〈表〉ボーナスの平均支給額(一般職国家公務員)3)4)5)6)
2023年 | 2024年 | |
---|---|---|
夏季 | 63万7,300円 | 65万9,400円 |
冬季 | 67万4,300円 | 65万2,800円 |
上記は一般職国家公務員のみのデータのため、ほかの職種や地方公務員の平均支給額とは異なりますが、民間企業と比べて30万円程度高いことがわかります。
【企業規模別】ボーナス(賞与)の平均支給額
つぎに、企業規模別のボーナスの平均支給額を見てみましょう。同じく、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」1)2)によると、2024年の夏季・冬季ボーナスにおける、企業規模別のボーナスの平均支給額は以下のとおりです。
〈表〉ボーナスの平均支給額(企業規模別)
2024年夏季 | 2024年冬季 | |
---|---|---|
事業所規模 5人以上 | 41万4,515円 | 41万3,277円 |
事業所規模 30人以上 | 47万8,814円 | 47万8,373円 |
企業規模が大きくなるほど、ボーナスの平均支給額が高くなっていることがわかります。
【業界別】ボーナス(賞与)の平均支給額
業界別のボーナスの平均支給額についても見てみましょう。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」1)2)によると、2024年の夏季・冬季ボーナスにおける、業界別のボーナスの平均支給額は以下のとおりです。
〈表〉ボーナスの平均支給額(業界別)
2024年夏季 | 2024年冬季 | |
---|---|---|
電気・ガス業 | 88万1,533円 | 94万3,474円 |
情報通信業 | 73万9,621円 | 70万7,303円 |
金融業・保険業 | 70万3,753円 | 64万1,032円 |
学術研究等 | 64万5,387円 | 58万8,937円 |
不動産・物品賃貸業 | 58万8,824円 | 55万1,281円 |
教育・学習支援業 | 56万7,828円 | 58万9,333円 |
鉱業・採石業等 | 55万8,769円 | 61万2,066円 |
製造業 | 54万7,928円 | 55万8,186円 |
建設業 | 54万3,670円 | 54万595円 |
複合サービス事業 | 42万9,741円 | 45万5,496円 |
運輸業・郵便業 | 39万5,736円 | 39万8,540円 |
卸売業・小売業 | 38万2,412円 | 37万3,565円 |
医療・福祉 | 28万2,874円 | 30万8,846円 |
その他のサービス業 | 24万1,311円 | 23万6,048円 |
生活関連サービス等 | 18万6,504円 | 18万4,277円 |
飲食サービス業等 | 7万5,897円 | 8万3,199円 |
電気・ガス業が最も高く、夏季・冬季ともに90万円前後となっています。一方で、飲食サービス業等は10万円を切っており、業界により大きな差があることがわかります。
【年齢別】ボーナス(賞与)の平均支給額

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厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」7)によると、年齢別のボーナスの平均支給額の年間総額は以下のとおりです。
〈表〉ボーナスの平均支給額(年齢別:年間総額)
年齢 | ボーナスの平均支給額(年間総額) |
---|---|
~19歳 | 15万6,900円 |
20~24歳 | 39万6,800円 |
25~29歳 | 68万6,200円 |
30~34歳 | 83万700円 |
35~39歳 | 99万1,000円 |
40~44歳 | 111万円 |
45~49歳 | 118万6,400円 |
50~54歳 | 123万7,100円 |
55~59歳 | 126万7,700円 |
60~64歳 | 78万7,200円 |
65~69歳 | 39万8,700円 |
70歳~ | 24万9,900円 |
全体 | 95万4,700円 |
基本的には、年齢が上がるほどボーナスの平均支給額(年間総額)が高くなり、55〜59歳の年齢が一番高く126万7,700円となっています。60歳以降からは減少しており、これは定年や働き方の変化などが原因だと考えられます。
参考資料
【男女別】ボーナス(賞与)の平均支給額

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前述の年齢別のボーナス平均支給額(年間総額)を、男女別で見てみると以下のとおりです。
〈表〉ボーナスの平均支給額(年齢別・男女別:年間総額)
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
~19歳 | 17万9,400円 | 11万4,200円 |
20~24歳 | 43万5,100円 | 35万6,200円 |
25~29歳 | 75万5,100円 | 60万2,400円 |
30~34歳 | 94万4,000円 | 64万2,300円 |
35~39歳 | 114万2,200円 | 70万6,900円 |
40~44歳 | 129万3,100円 | 77万600円 |
45~49歳 | 139万8,100円 | 82万1,600円 |
50~54歳 | 147万9,400円 | 80万7,200円 |
55~59歳 | 153万100円 | 77万4,200円 |
60~64歳 | 90万1,000円 | 54万3,100円 |
65~69歳 | 43万4,400円 | 32万円 |
70歳~ | 23万3,600円 | 29万300円 |
全体 | 112万4,900円 | 66万7,600円 |
ボーナス額は年齢とともに増加し、男性が女性を大きく上回る傾向が続きます。特に40〜50代における男女差が顕著で、雇用形態や昇進機会の差が影響していると考えられるでしょう。
ボーナス(賞与)から差し引かれる税金・社会保険料とは
ボーナスは、毎月の給与と同様に以下のような税金や社会保険料が差し引かれます。そのため、額面の金額に対し、手取り額はおよそ70〜80%になることを覚えておきましょう。
①所得税
②健康保険料
③雇用保険料
④厚生年金保険料
⑤介護保険料
それぞれの項目の内容や計算方法について、詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ併せて見てみてください。
ボーナス(賞与)の使い道1位は「貯金・預金」
株式会社ロイヤリティ マーケティングが実施した「第61回 Ponta消費意識調査 2024年10月発表」8)によると、2024年冬のボーナスの使い道の第1位は「貯金・預金」となっています。
また、「貯金・預金」を選んだ人の中には、ボーナスの半分以上を「貯金・預金」したいと考えている人が5割以上もいることもわかっています。
ボーナスが支給されまとまったお金が手に入ると、普段我慢していた買い物や旅行などに多くのお金を使う人も少なくないでしょう。しかしながら、統計からみると「貯金・預金」など計画的にボーナスの使い道を決めている人が多いことがうかがえます。
なお、調査の結果からは貯金だけではなく投資などの資産運用に活用している人も少なくないようです。
そのほかのボーナスの使い道については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ併せて参考にしてみてください。
様々な基準によりボーナスの支給額は異なる

画像:iStock.com/takasuu
ボーナスの平均支給額について紹介しましたが、ボーナスの金額はこの記事で紹介した業界や企業規模、年齢以外にも勤続年数や会社の業績・個人成績、地域などにより異なります。基本的には、会社の就業規則により基準が決められているため、もし気になる点がある場合には、勤務先の担当部署に問い合わせてみるようにしましょう。