なぜ結婚したらお金の話をする必要があるの?
妻が専業主婦として家計をやりくりするのが当たり前だった時代は、家庭の中でのお財布は1つ。夫は自由に使えるお金を「お小遣い」として妻からもらう、という家庭も少なくありませんでした。
しかし、今は共働きが主流となり、結婚後も相手の収入を知らない、毎月いくら使っているのかも把握していないという夫婦が増えてきています。そんな中で問題になるのは、住宅を購入したり、子どもができたりと大きな出費があるタイミング。お互いに相手の貯蓄をあてにしていたら、2人とも貯金がほとんど無かったという夫婦もいると聞きます。
住宅購入も子どもの進路も、お金があってこそ選択肢が広がるというもの。いざという時のために、結婚直後から夫婦で家庭のお金のことを話しておきたいものですね。
新婚夫婦がまず2人ですり合わせておきたい大事なポイントが3つあります。どんなことを話しておけばいいのか、ポイントごとに見ていきましょう。
【ポイント1】出産、住宅購入など、将来のビジョンをまず共有
人生の中で大きなお金が必要となるタイミングは主に2つあります。住宅購入と子どもの教育費。このことについて、早い段階でビジョンをすり合わせておくことが大切です。
住宅は結婚当初は賃貸だったとして、今後購入したいのか、ずっと賃貸のままでいくのか。もし購入するとしたら何歳くらいまでに購入したいのか。
また、将来的に子どもが欲しいと思っているか、欲しいとしたら何歳くらいまでに、何人欲しいのかを話し合っておきましょう。
〈夫婦で話し合っておきたいポイント〉
- 自宅は購入したい? マンション? 戸建て?
- 購入するなら、いつまでに?
- 将来、子どもは欲しい? 何人?
- 子どもをつくるなら何歳頃が理想?
話し合う際に必要となる情報を、前もって把握しておくと、話し合いがスムーズに進みます。ここでは、住宅購入と出産&子育てに必要なお金について、知っておきたい情報を3つ挙げておきます。
【参考情報1】住宅は賃貸か購入か、本当はどっちがお得?
住宅を購入するか賃貸のままかを決める時に、「どちらがお得か?」が気になるものですよね。
しかし、これは立地や築年数、面積などの条件を同じにして試算した場合、それほど大差は無いということもあります。
ちなみに、購入する場合には将来にわたって資産価値の落ちにくい物件を選ぶというのも1つのポイントになりますので覚えておきましょう。人生100年時代では、将来子どもと一緒に住むことになったり、高齢者施設に入居することになったりする可能性は高いです。売りやすい、貸しやすい物件を選ぶことが重要です。
【参考情報2】子どもを大学まで出すのにいったいいくらかかる?
子どもが大学まで行くと想定した場合、教育資金をいくら貯めておけばいいのか、なかなか想像できないものですが、教育費って実は結構かかるんです。
ただし、選ぶ学校によってかなり金額は変わります。小学校から大学まで全て国公立の場合、学費の合計は700万円ほど。全て私立の場合、大学が理系か文系かによっても変わってきますが、大学が文系だった場合で2,000万円ほどです(試算の詳細はこちら)。
ただし、これはあくまで学校の学費です。ここに習い事の月謝などもプラスされることを忘れないでください。
なお、子どもの学費を貯める手段として、学資保険を考える家庭も多いと思いますが、学資保険のいちばんのメリットは親に万が一のことがあった場合に、保険料の支払いが免除になったり、養育年金が受け取れたりする保障があること。
一方、最近ではつみたてNISAなどを利用して教育資金を貯める家庭も増えています。お金を増やすことを目的とするならこちらのほうがいいかもしれませんが、金融商品によっては、元本割れするリスクがあることも理解しておきましょう。
【参考情報3】出産前後の費用も用意しておいたほうがいい?
出産にかかる費用は、出産育児一時金として42万円1)を受け取ることができ、これを充てることができますが、出産前後にかかるお金はこれだけではありません。
育児用品を買い揃えるのはもちろんのこと、妻が出産後すぐに仕事に復帰しようと思っていたのに、自分や子どもの状態によっては予定通りに復帰できないことなども考えられ、収入が大幅に減る、または無くなる可能性があります。
そんな場合にも、貯蓄があれば焦らずに落ち着いて子育てをすることができるので、そのためにも妊娠前に、ある程度のお金を用意しておくことは大切です。
【ポイント2】お互いに貯蓄額を共有する
夫婦間ではお財布を1つにしたほうがお金が貯まりやすいのは事実です。しかし、必ずしも1つにする必要はありません。大事なのは、貯蓄額を共有しておくことです。
大きなお金が動くタイミングになって初めて、お互いに貯蓄ゼロだったことがわかる……とならないために、結婚後できるだけ早い段階で貯蓄があるのかどうか、またその金額を夫婦間で共有しておくことが重要です。
〈夫婦で話し合っておきたいポイント〉
- 現在の貯蓄額はいくらある?
- 毎月、どのくらい貯蓄をしている?
- 今後、毎月どのくらい貯蓄をする?
- 老後のために、できることは何?
現在の貯蓄額を共有するだけでなく、ここから先、どんな目的でいくら貯蓄していく必要があるのかまで、しっかりと話し合っておけるといいですね。こちらでも、話し合うための参考情報を2つ紹介します。
【参考情報1】手取り額の中で理想的な貯蓄額の割合はどれくらい?
ではいったい手取りの何割ほどを貯蓄に回すのが理想的なのでしょうか? 共働きで子どもがまだいない場合は、手取りの3〜4割が理想と言われています。
ちなみに、お金を貯めやすくするためには、目的別に目標額と期間を設定することが重要です。そこを明確にしていない状態で貯蓄を始めてしまうと、冠婚葬祭や家電の買い替えなどの臨時出費があった時に、今まで貯めた貯蓄を簡単に取り崩してしまうのです。
住宅ローンの頭金、将来の子どもの教育費というように、目的ごとに口座を変えて貯めていくと管理しやすいでしょう。
【参考情報2】老後資金、どうやって貯める?
住宅と教育資金に並んで、もう1つ貯蓄の大きな目的になるのが老後資金です。コツコツと定期預金などで貯めていくとともに、つみたてNISAやiDeCoなどを活用して、お金を増やしていくほうがいいでしょう。
なお、つみたてNISAやiDeCoはいずれも運用益に対して非課税になるのが特徴のため、大きく増える可能性がある金融商品を選んだほうが、メリットはあります。
【ポイント3】毎月のお互いの支出は、家計簿アプリで見える化
現在の貯蓄額を共有し、貯蓄の目的と目標額を決めたら、着実に貯めていくためにもう1つ見える化しておきたいのが、月々の支出額です。
特別贅沢をしているわけではないけれど、ちょっといいレストランへ食事に行く、趣味のマンガやDVDを大人買いするなど、日々のちょっとした贅沢が積み重なると大きな支出となります。
夫婦間で収支を明らかにしたくない人は多いと思いますが、それは自由に使えるお金を制限されたくないから。しかし、月末にその月の支出を共有すると、無駄遣いがセーブされる効果が期待できます。また、収支に無理があるのか、余裕があるのかも見え、予算配分を相談しやすくなるのもメリットです。
〈夫婦で話し合っておきたいポイント〉
- 現在、毎月どのくらいの支出がある?
- 口座と連携する家計簿アプリを使える?
- 支出が多い場合、削れる費目はどれ?
そのためには家計簿をお互いにつけることが大前提となりますが、最近は家計簿アプリもたくさんあるので、ぜひ上手に活用してください。また、無駄な支出を削らなければならない場合、無駄遣いの削減に効果的な費目も知っておくといいでしょう。
【参考情報1】家計簿アプリの共有機能を使えば、支出の見える化は簡単
最近の家計簿アプリには、家族間で共有できる機能があるものが多いので、その機能を活用すれば、夫婦間で支出額を共有するのは簡単です。
それを見ながら、どこをもっと削れるのか相談したり、予算を立てたりすると、無駄な出費を削ることができるでしょう。
また、毎月何にどれだけ使うのか、費目ごとの予算を立てておくと、振り返りもしやすく、無駄を無くすことができます。ただし、夫婦でもそれぞれどこにお金をかけたいのかは、目指すライフスタイルによって変わります。そこを話し合った上で、お互いが納得できる着地点を見つけましょう。
【参考情報2】節約するなら、携帯代や水道光熱費などの固定費から
支出の無駄を削ろうとするならば、まず検討すべきは固定費です。電力会社を変える、携帯電話を格安SIMに変えるなど、毎月固定で出ていくお金を見直すことは、節約に大きな効果があります。
水道光熱費や電話代のほか、必要のないサブスクリプションサービスを解約する、行かなくなってしまったスポーツクラブを解約する、保険を見直すなども、無駄な出費をなくすことにつながります。
老後資金まで考えてマネープランを組み立てるならプロに相談を
結婚直後に夫婦ですり合わせておきたい3つのポイントを説明してきましたが、もっと具体的に住宅購入や保険の見直し、老後資金の準備などについて考えていきたいなら、専門家に相談したほうが安心です。
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