本連載では、SNSで話題の“セツヤク女子”たちに注目。日々の生活に一体どのように節約を取り入れているのか、彼女たちのとっておきの節約術を教えてもらいます。
第1回目にお話を伺ったのは、上手に趣味と両立しながら、将来の備えのために節約をしているほろろさん。
フルート・ピッコロなどの楽器が趣味ということで、なんだかお金がかかりそうな印象もありますが、一体どのように節約をされているのでしょうか。彼女のセツヤク生活を教えていただきました。
貯金ができない浪費家がスタートしたセツヤク生活
「節約を始めたきっかけは、Instagramで家計管理アカウントを見かけたことでした。ひとり暮らしでもきちんとお金の管理ができている方の姿に強く憧れたのと同時に、なかなか貯金ができない浪費家な自分が恥ずかしくなったんです」(ほろろさん/以下同)
現在、ご自身のInstagramでは建設的な節約術を紹介しているほろろさんですが、実は本格的に節約を始める前は「自分がどれくらい1カ月にお金を使っているのか全く把握していなかった」とのこと。
家計簿をつけて収支を確認するという基本的なところからスタートした節約初心者だったと言いますが、楽しくセツヤク生活を送れているのは、いくつかの心得があるからだそうです。
ほろろさん的、節約の心得
節約において重要なのは、継続することです。ほろろさんは節約のモチベーションを維持するために、3つの心得を大事にしているそうです。
【心得その1】趣味を節約の犠牲にしない
音楽が趣味という、ほろろさん。中学生の時に吹奏楽部に入部したことをきっかけにフルートを始め、社会人になってからも一般の吹奏楽団に所属し、団費を支払いながら演奏活動を行っています。
「団費と個人練習代は月に平均5,000円ほど出費があります。ただ、楽器調整費や合宿費など臨時出費もあるので、年間では約120,000円ほどはかかると考えています」
年間120,000円の支出は、決して少ない金額ではありません。セツヤク生活を送るなかで、負担を感じることもあるでしょう。
「音楽をやめればもっと貯金ができます。でも、音楽は諦めたくないですし、逆に音楽があるから、セツヤク生活も頑張ろう!という気になるんです。趣味にかけるお金と他の生活費は別で調整して、目標貯金額だけは達成できるように意識しています」
我慢してばかりの節約では、モチベーション管理が難しくなってしまうことは容易に想像がつきます。セツヤク生活を行う上で、趣味を必要以上に犠牲にしないことは大切なことなのです。
【心得その2】何のために節約するかを考える
節約はこれまでの生活に少なからず制限をかけることであり、ストレスもかかりやすいです。そのためほろろさんは、あらかじめ節約の目的をはっきりさせておくことを心がけているそうです。
「私は“自己防衛資金”と“実家用資金”の2つを、月40,000円以上貯めることを目標に節約をしています。1カ月で最低この金額を貯めることができたら、私のなかでは合格です」
“自己防衛資金”は、自分が大怪我したり急に大金が必要になったりした時に、自分の力だけで賄えるようにするためのもの。“実家用資金”は、何か実家の関係でお金が必要になった時のために、実家への仕送り代わりの積み立てとして貯金しているそうです。
むやみやたらにではなく、節約をする意味をきちんと持っていれば、大げさに言えば食事や睡眠のように、節約は自分にとって必要な行動として生活に取り入れることができるでしょう。
【心得3】ストレスのないお金の使い方を考える
「私はストイックな性格ではありません(笑)。なので、いかにストレスなく1年を過ごせるかを重視して予算を立てます」
節約には我慢も求められますが、あまりに切り詰めすぎると、ストレスで継続が難しくなります。
そのため、ほろろさんは、「食費や光熱費などの変動費はある程度多めに見積もる」「娯楽のお金が少なすぎるとストレスになるので娯楽にもほどほどに充てる」など、ご自身の気持ちとのバランスも組み入れながら、予算立てをしているそう。
節約というと「我慢の連続でストイックな生活を送らなければならない」という印象を持つ人もいるかと思いますが、むしろちょっとした余裕を残すことがポイントなのです。
初心者さんもマネできる。ほろろさんの簡単節約テク
それではここからは、ほろろさんが実践している節約テクを学んでみましょう。これまで節約をしたことのない初心者の方でもすぐにマネできるものばかりなので、要チェックです。
(1)やりたいことリストを作る
1つ目は、定期的に「やりたいことリスト」を作成してお金をかける優先順位を見直し、無駄をなくすテクです。
「限られた収入の中でやりたいこと全てはできないので、優先順位をつけて『これは今年やろう、これは来年やろう』と目処を立てます」
リストには目標だけでなく、必要となるお金の金額も記載。さらに、達成するまでの期限も書き込みます。
ほろろさんの場合は、「プレゼントを送る」「TOEICで800点」「台湾旅行」といった短長期的な事柄を全て書き込み、優先順位を立てています。
「◯◯が欲しい」「◯◯をやりたい」と思った瞬間にお金を使ってしまうという人もいると思いますが、リスト化を習慣づけることで、冷静に判断できるようになります。
絶対に必要なことを優先して予算立てができるだけでなく、必要だと思っていたものが実はあまり必要のないものだった、なんてことにも気付くことができます。
ついつい衝動的にお金を使ってしまうという人は、まずはこのように優先順位を考えることを意識するようにしましょう。
(2)LINEのメモで出納帳を付ける
家計簿を付けようとしても、細かい金額を覚えていたり、レシートを取っておいたりするのは面倒ですし、なかなか長続きもしませんよね。そんな方は、ほろろさんがおすすめするLINEを使った出費メモ術がおすすめです。
方法は非常に簡単で、自分しかいないラインのトークルームに、出費メモを残していくだけです。もらったレシートをその場で撮影して、写真で送信することができるのもポイント。
メモした日時も記録されているので、週に1回、このトークルームに書き込んだ内容を家計簿に転記していくだけで家計簿管理が完了してしまうのです。面倒くさがりな人にはとっておきの方法ではないでしょうか。
ちなみに、トークルームに書き込むほかにも、LINEのKeepメモ機能を使うのもおすすめとのこと。それぞれやりやすいメモ方法で実践してみてください。
(3)先取り貯金を設定する
お金はあるだけ使ってしまう……という方は、浪費グセを改善するのはもちろんですが、「先取り貯金」を活用するのも1つの手です。
「先取り貯金とは、収入から貯金にまわすお金を、あらかじめ引いてしまう方法のこと。私は絶対貯金したいお金を、銀行の自動入金サービスを使って強制的に貯金用口座に入金するようにしています」
最初に口座の設定さえ済ませてしまえば、わざわざご自身で手を動かす必要のない便利なテク。節約初心者さんでも気軽にできる方法です。生活費の把握ができていない最初の頃は、少額でスタートさせるのでもOKだそうですよ。
もし先取り貯金をして「生活が苦しい」と感じた場合には、貯金額を無理していないか、支出が多すぎないかなど、パーツごとに見直しを行ってみましょう。
(4)SNSにセツヤク生活を投稿する
SNSで節約状況を報告するアカウントを作って投稿をするのも、立派な節約テクです。
ほろろさんはInstagramでセツヤク生活を公開することで「“誰かに見られている”という意識を持つことができ、モチベーション管理にも繋がる」と言います。
また、SNSには同じように節約を頑張っている人たちが多いことから、刺激ももらえます。自分を甘やかしてしまっていつも節約を挫折してしまうという人にはぴったりな方法です。
さらに、SNSを通して他の人の節約テクを知ることもできるので、自然とセツヤク偏差値も上がっていくことでしょう。
節約ができると、自己肯定感もあがる
これまでほろろさんのセツヤク生活についてご紹介してきましたが、やはり節約をすることで、生活に少なからず制限をかけることになります。しかしほろろさんは、セツヤク生活を続けていくことで、お金以外にも得られるものがあるそうです。
「率直に言うと、自己肯定感が上がります」
ほろろさん曰く、「何か目的を持って生活を工夫する充実感」「着実に数字を増やす達成感」「自己管理できている」このような感覚が、自己肯定感に繋がっているように感じる、とのこと。
「節約や貯金をストレスなく続けられていることが、自己肯定感が上がっていることを実感できる一番大きな理由かなと思います」
節約は毎日・毎月のような短いスパンで結果が出るからこそ、自己の成長を感じやすいのでしょう。
ほろろさんは次なるステップとして、最近「積立NISA」を始めたそうです。また、ファイナンシャルプランナー2級資格へのチャレンジも目指しているとのこと。現状に満足することなく、より良い節約と知識を追い求めるほろろさんのセツヤク生活は、まだまだ続きます。
この記事の著者
ながた さや
ウェブライター。1993年生まれ。新卒でIT企業のエンジニアとして勤務後、2018年9月からフリーランスのウェブライターとして活動を開始。SEO・取材を中心に、美容・旅行・ITなど様々なジャンルの執筆を行っている。
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