「保険の見直しをする時に失敗しないためのポイントが知りたい」
などの疑問を持っていませんか。
この記事では、ファイナンシャルプランナーのタケイ啓子さん監修のもと、保険を見直す最適なタイミングを解説します。結論をいうと、ライフイベントが発生するタイミングが保険の見直し時です。
見直しする際に失敗しないためのポイントも紹介するので、保険の見直しを検討している人はぜひご覧ください。
この記事の監修者
タケイ 啓子(タケイ ケイコ)
ファイナンシャルプランナー(AFP)。36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。
保険の見直しはなぜ必要なの?
保険を定期的に見直すべき理由は、自分のライフスタイルによって、必要な保障が変化するためです。
加入当時は自分にとって最適な保障だったとしても、現在の自分には保障内容や保障額がマッチしていなかったり、保障が十分でなかったりするかもしれません。
生命保険に関する全国実態調査1)によれば、加入している保険への満足度は加入した年数が短いほど高くなっています。一方、加入してから5年も経過すると不満に思う人が約10%にものぼります。
年齢を重ねると、より将来のリスクが現実的になってくるでしょう。そのため、保険もメンテナンスをするつもりで定期的に見直す必要があるのです。
保険の見直しをする最適なタイミングはいつ?
保険の見直しをするのは、一般的にライフイベントが発生するタイミングが最適といわれています。また、ライフイベント以外にも見直したほうがよいタイミングがいくつかあるので、以下では、見直す際のポイントとともに解説していきます。
就職したタイミング
自分で収入が確保できるようになるほか、一人暮らしを始めるなど、経済的に自立する人も増えるでしょう。もし働けなくなった時に、十分な生活費を確保できない可能性も考えられるため、就業不能保険への加入を検討しましょう。
また、独身で保険料の高い死亡保険などに加入している場合は、保険の見直しを検討する価値があります。扶養家族がいない状況で、高額の死亡保険はあまり必要性がありません。がんなどの罹患率が高く、支出が大きくなりそうな病気に備える医療保険を中心に切り替えを検討しましょう。
起業・独立したタイミング
起業やフリーランスとして独立するのであれば、保険の見直しをしておきましょう。
起業・独立をすると、会社員時代に加入していた社会保険に加入できなくなるためです。具体的には、雇用(失業)保険や厚生年金、傷病手当金などの保障が受けられなくなります。
これらの代わりとして、就業不能保険やこれまでより保障の手厚い医療保険などを検討しましょう。
婚約・結婚したタイミング
人生のパートナーができた際も、保険を見直すよいタイミングです。お互いが死亡保険に加入していた際は、受取人を配偶者に変更しておきましょう。
ほかにも、配偶者にもしもの事態があった場合の生活保障として、死亡保険・医療保険などの保障を手厚くしてもよいです。
子どもが生まれたタイミング
子どもが生まれた場合、将来の学費や生活費の保障の必要性が出てくるでしょう。子どもが生まれてから大学を卒業するまでは、おおよそ以下の費用が必要です。
〈表〉子どもの養育・学費にかかる費用2)3)4)
学年別 | 養育費・学費 |
---|---|
未就学児(養育費) | 約740万円 |
小学生(学費・養育費) | 約700万円 |
中学生(学費・養育費) | 約460万円 |
高校生(公立・学費のみ) 高校生(私立・学費のみ) ※1 | 約154万円 約315万円 |
大学生(4年制・学費・生活費) | 約725万円 |
合計(高校生は公立の場合で算出) | 約2,779円 |
上記の表から、生まれてから大学卒業までとなると、総額約2,700万円の費用がかかります。親に何かあった際のリスクに備え、養育費や教育費の補填目的で保険金額を増やすなど、保険の見直しを考えるのもよいでしょう。
将来必要となる学費に備えて、学資保険や変額保険への加入を検討するのも一つの手段です。
マイホームを購入したタイミング
マイホームをローンで購入した場合「団体信用生命保険(団信)」への加入が求められるケースがあります。
団信とは、ローンの契約者が死亡や高度障害などによりローンの支払いができない状況に陥った際、住宅ローンの残債を肩代わりしてくれる保険です。もしも、家賃やローンの補填として加入していた保険がある場合、団信への加入によって不要になるケースがあります。
子どもが独立したタイミング
子どもが独立し、社会人として給料を得るようになると、学費や養育費のために加入していた保険は必要がなくなります。それらの保険を解約して、老後資金にまわすのもよいでしょう。
子どもの手が離れることによって、自分たちの老後についても考えるきっかけにもなるタイミングです。老後に不安のない生活を送るためにも、保険の見直しをして、できるうちから準備をしていきましょう。
離婚や死別したタイミング
離婚や死別によりシングルマザー・ファザーになった場合、子どものためにも万が一に備える重要性は高まります。自分が倒れてしまった場合、子どもが自分で対処をすることは難しいでしょう。
結婚時代や独身時代に加入していた保険があるのならば、保障内容を見直し、より手厚い内容に変更するのも一手です。
保険更新のタイミング
ライフイベント以外であれば、保険更新のタイミングも、保険を見直すのによいでしょう。
保険の更新時は多くの場合、年齢と保険料率の再計算によって保険料は上がります。予想よりも高額になったのであれば、部分解約やほかの保険への切り替えを検討してみてもよいでしょう。
保険料を高いと感じたタイミング
保険料を高いと感じた場合は、保険の見直しを検討しましょう。万が一のリスクに備えて、生活費に困っては本末転倒です。とはいえ、選択肢は解約だけではありません。減額や、別の保険に切り替える方法もありますので、まずは担当者に相談するとよいでしょう。
加入当時は月々の収支に余裕があっても、転職や退職、家庭の変化などにより経済状況が変わることは大いに考えられます。まずは、健康的な生活を送れるように家計を管理し、その上で無理のない保険料で必要な保険に加入するのが望ましいです。
たとえ保険料の支払いが厳しいからといって、未納のまま放置するのは避けましょう。
保険の見直しをする時の4つのポイント! 失敗しない見直し方法
保険を見直す際はできるだけ自分に合った、適切な保険を取捨選択することが大切です。保険を見直す際は、以下のポイントを意識しましょう。
①現状の確認
②備えたいリスクの整理
③無理なく続けられる保険料
④現在加入している保険との比較
①現状の確認
保険の見直しを行う時は、まずは自分の現状を確認しましょう。現在どの種類の保険に加入しているのか、特に保障内容はよく確認しておく必要があります。
②備えたいリスクの整理
つぎに備えたいリスクを整理しましょう。たとえば、病気やケガのリスクは、職業や生活環境で変わります。自分は現在、どのリスクに備えるべきかを明確にすることで、精度の高い保険選びができます。
③無理なく続けられる保険料
保険料も忘れてはならない要素です。収入が増え、余裕が出てきたなら今よりも充実した商品を契約する手もあります。現在の保険料が割高と感じているなら、保障内容を絞ってスリムにする方法もあるでしょう。
④現在加入している保険との比較
4つ目のポイントは、現在加入している保険との比較です。保険料はもちろん、保障内容や払込期間などを一つ一つ比較して、本当に保険を切り替えるべきかどうか、落ち着いて考えましょう。
なお、保険の見直しをする際には保険料や保障内容のシミュレーションをするのもおすすめです。以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
【関連記事】保険見直しのシミュレーションについて詳しくはコチラ
保険は加入後も見直しを行おう
保険は、一度加入したら終わりではありません。ライフスタイルの変化や更新時期などに適宜見直していくと、常に適正な保険料の範囲で保障を受けられます。
今、必要な保障をしっかりと見極め、適正な支出で保障を受けられるよう整えることが大切です。