「社会人3年目、これから給与は上がるのかな?」
「大学卒業したけれど年収200万円台って低すぎない? 平均はどのくらい?」

社会に出たばかりの20代は、年収や昇給など、給与に関する不安・疑問をなかなか身のまわりの人に聞きづらいものです。

もちろん、働くことの意義は給与だけではありませんが、自分の給与が平均と比べてどのくらいなのか把握することで、転職を考えたり、資産運用を考えたりするきっかけにもなります。

そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの中村賢司さん監修のもと、20代大卒の年収の平均値や中央値を紹介します。男女別や年齢別、業種・職種別など細かに紹介しているので、自分の給与がどのくらいに位置しているのか、参考にしてください。

※この記事は、2025年7月24日に更新しています。

この記事の監修者

中村 賢司(なかむら けんじ)

ライフプランニングゆめたまご代表。住友生命保険相互会社勤務を経て独立。2008年7月に独立系FP事務所を設立し、ファイナンシャルプランナーとして、個人のコンサルティングを行いながら、テレビ・ラジオ番組への出演、雑誌の執筆などを行う。様々なメディアを通じて、家計管理やライフプランの重要性、投資の啓蒙を説いている。

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※本記事で紹介する各データは、すべて厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに算出しています。

※本記事で記載している「平均年収」は、すべて額面での数字を表しています。

20代大卒の平均年収

画像: 画像:iStock.com/GCShutter

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厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」1)によると、20代大卒の平均年収は20〜24歳(※)の前半で363万8,500円、25〜29歳の後半で465万6,200円です。

※ 基本的に大卒は22歳以上ですが、この記事では参照元データの年齢に合わせて表記しています。

〈表〉20代大卒の平均年収(男女別)

平均年収
20〜24歳25〜29歳
男性367万4,900円487万1,200円
女性360万2,100円441万5,200円
男女計363万8,500円465万6,200円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与、残業代、各種手当も含まれた金額です。

これに対し、中卒から大学院卒まですべての学歴を含めた全体の平均年収は、20代前半で346万7,600円、後半で428万6,200円のため、大卒の平均年収は20〜40万円程度高いことがわかります。

また、20代前半では男女の差が7万円程度なのに対し、後半では45万円程度まで開くことがわかるでしょう。男女の年収の差は年齢を重ねるごとに開いていく傾向にあります。

その理由のひとつとして、正規雇用と非正規雇用の給与に違いがあることが挙げられます。というのも、女性は20代後半以降、結婚や出産を機に働き方を変更する場合が多いためです。管理職にキャリアアップしやすい総合職に、男性が多い傾向であることも、男女の年収に差がある理由のひとつでしょう。

【関連記事】定年時の就業率や年齢別の雇用形態など、女性の働き方について、詳しくはコチラ

20代大卒の年収中央値

同調査には年収の中央値のデータはありませんが、月収(残業代を含まない)の中央値は発表されています。これを参考に、賞与の平均額を足して計算すると、およその年収中央値は以下のようになります。

〈表〉20代大卒の年収中央値(男女別)

年収中央値
20〜24歳25〜29歳
男性333万2,900円415万4,800円
女性329万4,900円394万6,000円
男女計331万4,500円405万8,600円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与も含まれた金額です。残業代、各種手当は含まれていません。

【年齢別】20代大卒の平均年収

画像: 画像:iStock.com/maroke

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つぎに、20代大卒のより詳細な年齢別の平均年収を見ていきましょう。

ほかの年代でも同様ですが、年齢上昇とともに平均年収はアップしていく傾向があります。22歳が最も安く292万6,200円で、29歳が最も高い491万5,900円です。約200万円もの差があります。

22歳〜29歳それぞれの平均年収は以下のようになっています。

〈表〉20代大卒の平均年収(年齢・男女別)

年齢平均年収
男性女性男女計
22歳292万1,100円293万100円292万6,200円
23歳332万3,700円336万2,100円334万3,000円
24歳382万200円381万8,100円381万8,600円
25歳420万4,900円413万1,900円416万8,100円
26歳436万7,200円425万5,400円431万5,400円
27歳466万4,200円433万7,800円451万3,700円
28歳475万5,800円443万5,700円461万4,800円
29歳507万6,200円469万1,200円491万5,900円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与も含まれた金額です。残業代、各種手当は含まれていません。

〈図〉20代大卒の平均年収(年齢・男女別)

画像: 【年齢別】20代大卒の平均年収

ここで、新卒である22歳に注目してみると、初任給についても知ることができます。22歳の平均年収は、男女合計で292万6,200円です。このうち、月収が24万1,600円、賞与が2万7,000円です。賞与がほとんどないように感じますが、これは、入社1年目は賞与がない企業も多いことが要因と考えられます。

一方で23歳以降の賞与の金額を見てみると、23歳が32万200円、24歳が73万5,800円と徐々にアップしていき、29歳には126万円にまで上ります。

〈表〉20代大卒の平均年収とその内訳(年齢別)

年齢平均年収月収年間賞与
22歳292万6,200円24万1,600円2万7,000円
23歳334万3,000円25万1,900円32万200円
24歳381万8,600円25万6,900円73万5,800円
25歳416万8,100円26万6,500円97万100円
26歳431万5,400円27万4,200円102万5,000円
27歳451万3,700円28万2,800円112万100円
28歳461万4,800円29万円113万4,800円
29歳491万5,900円30万4,500円126万1,900円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与も含まれた金額です。残業代、各種手当は含まれていません。
※月収は参照元データの「所定内給与額」の値です。

【年代別】大卒の平均年収

大卒の平均年収は30代以降も年齢が上がるにつれてアップする傾向があります。たとえば、20代前半から30代前半では平均年収が150万円程度アップします。

年代別の大卒の平均年収は以下のとおりです。比較のためにすべての学歴を含めた全体の平均年収も載せています。

大卒と全体の数字を比較すると、20代前半ではほとんど差がありませんが、一番差が開く50代前半の時点で237万円もの違いが表れます。これは、一概にはいえませんが大卒の方が比較的キャリアアップしやすい業種や職種に就いていることが多いためだと考えられます。

〈表〉大卒と学歴全体の平均年収(年代別)

年齢大卒の平均年収全体の平均年収
20〜24歳363万8,500円346万7,600円
25〜29歳465万6,200円428万6,200円
30〜34歳531万6,400円483万5,100円
35〜39歳616万3,200円535万5,400円
40〜44歳673万3,100円572万1,600円
45〜49歳751万6,800円602万7,200円
50〜54歳803万8,300円615万4,700円
55〜59歳863万6,000円629万3,300円
60〜64歳623万7,300円484万2,000円
65〜69歳493万7,100円387万7,500円
70歳〜502万5,900円345万300円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与、残業代、各種手当も含まれた金額です。
※全体の平均年収には中卒、高卒、専門卒、高専・短大卒、大学卒、大学院卒、その他不明の値が含まれています。

〈図〉大卒と学歴全体の平均年収(年代別)

画像: 【年代別】大卒の平均年収

【学歴別】高卒・大卒・大学院卒の20代の平均年収

画像: 画像:iStock.com/Yue_

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すべての学歴を含めた全体と比較して、大卒の年収が高いことがわかりました。では、学歴ごとの平均年収についても紹介します。

〈表〉20代の平均年収(学歴別)

学歴平均年収
20〜24歳25〜29歳
中卒318万600円367万200円
高卒347万3,000円390万8,100円
専門卒334万500円389万9,800円
高専・短大卒345万2,200円402万5,500円
大卒363万8,500円465万6,200円
大学院卒363万1,800円536万9,500円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与、残業代、各種手当も含まれた金額です。

〈図〉20代の平均年収(学歴別)

画像: 【学歴別】高卒・大卒・大学院卒の20代の平均年収

これを見ると、基本的には学歴が高いほうが年収も高くなっていることがわかります。一方で、就職や転職の場において、現在では学歴よりも本人のスキルや経験を重視する企業が増えてきています。学歴別の平均年収は、あくまで参考程度に見るようにしましょう。

【業種・職種別】20代大卒の平均年収

画像1: 画像:iStock.com/maruco

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最後に、業種・職種別の20代大卒の平均年収を見ていきましょう。

業種別では、20代前半・後半いずれも「鉱業・採石業・砂利採取業」が一番高く、「サービス業(他に分類されないもの)」が一番低くなっています。

〈表〉20代大卒の平均年収(業種別)

業種平均年収
20〜24歳25〜29歳
鉱業・採石業・砂利採取業555万1,100円703万4,900円
建設業392万円522万3,900円
製造業354万3,300円450万円
電気・ガス・熱供給・水道業378万300円512万8,300円
情報通信業362万6,000円470万6,300円
運輸業・郵便業379万7,600円478万4,500円
卸売業・小売業357万700円461万6,500円
金融業・保険業377万6,200円532万4,700円
不動産業・物品賃貸業396万2,300円506万6,500円
学術研究・専門・技術サービス業359万2,300円480万6,900円
宿泊業・飲食サービス業341万9,300円400万5,300円
生活関連サービス業・娯楽業332万7,200円421万5,100円
教育・学習支援業344万8,100円426万2,700円
医療・福祉業377万200円471万9,300円
複合サービス事業332万5,500円407万3,400円
サービス業(他に分類されないもの)330万900円393万9,700円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与、残業代、各種手当も含まれた金額です。

職種別では、「管理職」が一番高く、「農林漁業職」が一番低くなっています。20代から管理職に就いている方は、20代後半で650万円近く年収があり、ほかの職種よりもおよそ200万円以上高くなっています。

〈表〉20代大卒の平均年収(職種別)

職種平均年収
20〜24歳25〜29歳
管理職430万6,400円643万9,300円
専門・技術職370万5,500円472万1,800円
事務職335万200円422万800円
販売職345万2,700円440万5,600円
サービス職309万1,600円349万8,900円
保安職335万7,100円373万1,800円
農林漁業職284万6,500円295万7,100円
生産工程職344万2,200円392万900円
輸送・機械運転職386万3,400円449万1,200円
建設・採掘職352万2,200円410万2,600円
運搬・清掃・包装等の職319万8,300円350万9,400円
※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに計算。
※賞与、残業代、各種手当も含まれた金額です。

20代で年収アップを目指す方法

画像2: 画像:iStock.com/maruco

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今の年収に満足できないなら、収入を上げるためにいくつかの方法を試してみてもいいでしょう。20代で年収アップを目指す方法には、主に以下のようなものがあります。

1. 副業をする
2. 転職をする
3. 資格を取得して手当をもらう
4. 昇進・昇格するための自己投資をする

自分の今の働き方に合った年収アップの方法を見つけて、納得のいく収入を手に入れられるよう行動することが大切です。

たとえば、金融業界でキャリアアップする場合、ファイナンシャルプランナーの資格を取得すれば、好待遇の転職を実現できる可能性が高くなります。

上記の4つの内容について、詳しくは以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

【関連記事】20代の平均年収や年収アップ方法について、詳しくはコチラ

平均年収を把握して、働き方について考えよう

様々な角度から20代大卒の平均年収について紹介しました。しかし、企業によって、そして住んでいる地域や仕事の内容などによっても年収は変わります。これらはあくまで参考として見るようにしましょう。

【関連記事】地域別の20代の平均年収について、詳しくはコチラ

20代はまだキャリアを形成し始めたばかりです。平均の数字を見たり、まわりの話を聞いたりして焦ってしまうこともあるかもしれませんが、まずは自分の今の給与がどのくらいなのか把握し、その上で将来どのくらい稼ぎたいのか、どのように働いていきたいのかなど、状況や希望を整理するようにしましょう。

目標が明確になることで、仕事はもちろんライフプランも立てやすくなります。

目標に向かっていろいろと試行錯誤できるのが20代です。今の自分のために、そして将来のために、できることから始めていきましょう。

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