ふるさと納税を申し込む場合、申込期間や申し込みの手順、申請に必要な書類などを事前に確認しておくことが大切です。また、申請方法として、「ワンストップ特例制度」と「確定申告」のどちらを利用するかで手続きが異なります。この記事では、ファイナンシャルプランナー・荒木千秋さん監修のもと、ふるさと納税の申し込みや手続きについて説明していきます。

※この記事は2022年11月4日に公開した内容を最新情報に更新しています。

この記事の監修者

荒木 千秋(あらき ちあき)

ファイナンシャルプランナー。荒木FP事務所代表。10年間の銀行勤務を経て独立。これからの女性が人生を楽しむためには「お金・投資」との付き合い方を変えなければならないと確信し、現在は、大学講師、セミナー、ウェブ執筆、個別相談等を行っている。 著書に『「不安なのにな〜んにもしてない」女子のお金入門』(講談社)がある。

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ふるさと納税の申し込み・手続きの期限はいつまで?(2023年)

画像: 画像:iStock.com/Ratana21

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2023年のふるさと納税について、その期限はいつまでになるのでしょうか。

「寄附」の申込期限

2023年のふるさと納税の場合、2023年1月1日~12月31日に「寄附」の申し込み(決済まで)を完了させると、2023年の所得税の還付、2024年の住民税の控除が可能となります。

「手続き」の期限

ワンストップ特例制度を利用する場合、2024年1月10日までに手続きを完了させる必要があります。一方、確定申告を行う場合は、2024年3月15日が手続きの期限となります。

ふるさと納税には3つの期限がある

画像1: 画像:iStock.com/YusukeIde

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ふるさと納税では、寄附の申し込みが完了したあとに、税金の還付・控除の手続きを自分で行う必要があります。税金還付・控除の手続きの方法は「ワンストップ特例制度」と「確定申告の2種類があり、どちらを選ぶかで手続きの期限も異なります。ここでは、それぞれの期間や期限と注意点を解説します。

ふるさと納税の申込期限はいつまで?

まずふるさと納税の申し込み(寄附)については、1月1日から12月31日までに申し込み・決済を完了することにより、その年の所得税の還付と、翌年の住民税の控除が可能となります1)

例)
2023年1月1日~12月31日に寄附を申し込んだ場合

2023年度の所得税を還付、2024年度の住民税を控除

「ワンストップ特例制度」の手続き期限はいつまで?

ふるさと納税の税金還付・控除の手続きの方法には「ワンストップ特例制度」というものがあります2)。この制度を利用すると、ふるさと納税後に確定申告をしなくても税金控除の手続きを完了できます。確定申告に比べて手続きが簡単になるので、条件を満たす人は利用するといいでしょう。

手続き期限としては、寄附をした「翌年の1月10日まで」に、同制度の書類を各自治体に必着で届ける必要があります

「確定申告」の手続き期限はいつまで?

ふるさと納税後、確定申告によって手続きをする場合、寄附をした翌年の3月15日までに、確定申告の書類を税務署へ提出する必要があります3)

駆け込みはいつまで?12月にふるさと納税をする場合の注意点

画像: 画像:iStock.com/Tatomm

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ふるさと納税の申し込み(寄附)は、1月1日から12月31日まで可能です。ただし、寄附の申込期間を考える上で注意点が3つあります。

注意点①期間内に「決済」まで行う必要がある

上記の期間(1月1日から12月31日)は決済までが対象です。つまり、寄附の申し込みだけでなく、その後の決済(納付先への支払い)も含めて12月31日の23時59分までに完了させる必要があります。決済が間に合わないと、翌年分扱いとなるので注意しましょう。

注意点②支払い方法によって納付日が異なる

画像2: 画像:iStock.com/YusukeIde

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決済を行うと正式な納付となります。ただし、正式に納付が完了した日、すなわち自治体が寄附を受け取った「受領日」は、決済方法によって異なります

寄附後には、受領日や金額が記された「寄附金受領証明書」が自治体から届き、税金の手続きに必要となります。この証明書に書かれた受領日の日付が年をまたいでいると、税金の還付や控除の年が後ろにずれてしまうので注意が必要です。これらについては、ふるさと納税の手続きを行う各ウェブサイトなどで確認しましょう。

注意点③寄附後は、税金に関する手続きを自分で行う

寄附の申し込みをすれば自動的に税金の還付・控除が行われるわけではありません。そのあとに、自分で「ワンストップ特例制度」もしくは「確定申告」の手続きを行う必要があります。

そもそもふるさと納税とは、応援したい自治体に寄附できる制度

画像: 画像:iStock.com/AH86

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ふるさと納税は、生まれ故郷や応援したい自治体など、好きな自治体に寄附ができる制度です4)。寄附先の自治体を自由に選べるため、必ずしも出身地や居住したことのある地域である必要はありません。

最低限の条件として「自己負担金の2,000円」を支払う必要がありますが、ふるさと納税の寄附金のうち、その2,000円を超える部分については、所得税の還付や住民税の控除を受けられます。つまり「寄附金額−2000円」分の税金が軽減されます。

〈図〉ふるさと納税のしくみ

画像: そもそもふるさと納税とは、応援したい自治体に寄附できる制度

また、寄附金の使い道を寄附する側が指定できたり、寄附先からの返礼品として自治体の名産品などをもらえたりするのも、ふるさと納税ならではの大きな特徴です。

なお、2023年10月のルール変更・改正より、自治体の必要経費に含まれる項目が増え、返礼品は地場産品に限ることになりました。また、インターネットなどでの広告に関して、“割引”や“増量”など、返礼品を誇張したり、寄附者を誘引したりするような宣伝の仕方に対する規制がさらに厳しくなります。ふるさと納税はあくまで自治体に寄附を行う制度であることを今一度認識させることがルール変更・改正の主旨です。

ふるさと納税のメリットや、ふるさと納税をしないほうがいい人などについては、以下の記事で解説しています。併せて読んでみてください。

【関連記事】ふるさと納税の5つのメリットを解説! 詳しくはコチラ

【関連記事】ふるさと納税をしないほうがいい人とは? 年収の条件を解説。詳しくはコチラ

ふるさと納税の申し込み手順は4ステップ

画像3: 画像:iStock.com/YusukeIde

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ここからは、ふるさと納税を行う時の申し込み手順を説明していきます5)

一連の手順を把握した上で、前述した申込期限などのスケジュールを再度確認しましょう。

①寄附したい自治体を選ぶ

全国の自治体の中から、寄附先を選びます。故郷や居住経験の有無にかかわらず、自由に好きな自治体を選べます。

②寄附を申し込む

各種のふるさと納税のウェブサイトなどから寄附を申し込みます。この際、寄附金額やその使い道、返礼品などを一括で選択し、申し込みは完了です。

③寄附金を支払う

各種方法で寄附金を納付します。ふるさと納税のウェブサイトから申し込みを行った場合、クレジットカードで決済すると寄附金の支払いも同時に行うことができます。

上記のようにクレジットカードの場合はすぐに決済が完了しますが、決済方法によって納付日が変わるため注意しましょう。手順の1〜3まで、つまり決済完了までを12月31日までに行わなければなりません

寄附後には、受領日や金額が記された「寄附金受領証明書」が自治体から届くので、内容を確認しましょう。ふるさと納税の返礼品は、自治体ごとに随時送られてきます。

④税金還付・控除の手続きをする

寄附金受領証明書を確認したら、「ワンストップ特例制度」か「確定申告」どちらかの方法で税金還付・控除の手続きを行います。それぞれのやり方については後述します。

税金還付・控除の手続きは「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2種類

画像: 画像:iStock.com/shih-wei

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前述のように、ふるさと納税の税金還付・控除の手続きは、「ワンストップ特例制度」と確定申告の2種類があります。どちらを選べばいいのか、その判断基準や手続き、必要な書類などについて以下で詳しく説明します。

「ワンストップ特例制度」を利用できるのはどんな人?

画像: 画像:iStock.com/maroke

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ワンストップ特例制度を利用するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

〈表〉ワンストップ特例制度に必要な3つの条件

①企業に勤めているなど、もともと確定申告の必要がない給与所得者
②その年に寄附した自治体が5つ以内である人(寄附先が5自治体以内であれば、寄附の回数は問わない。同じ自治体に何度寄附しても1カウント)(※)
③寄附先の全自治体に、翌年1月10日までに必着で申請書を送付可能な人

※:ふるさと納税では、複数の自治体に寄附を行うことができます。

「確定申告」を選ぶ必要があるのはどんな人?

画像: 画像:iStock.com/west

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以下の条件のうちひとつでも当てはまる人は、確定申告を選ぶ必要があります。

〈表〉確定申告が必要な人

①その年に寄附した自治体が6つ以上ある人
②ワンストップ特例制度の申請書を提出できなかった人(期限に間に合わなかったなど)
③給与所得者の中でも、医療費控除などの確定申告が必要な人
④年収が2,000万円以上ある人

ふるさと納税によって税金の還付や控除を行う場合、手続きに必要な書類を用意しなければなりません。用意する書類は「ワンストップ特例制度」と「確定申告」で異なります。それぞれの必要書類をご紹介します。

「ワントップ特例制度」と「確定申告」に必要な書類と手続きは?

続いて、「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の手続きについて解説します。

「ワンストップ特例制度」に必要な書類と手続き

画像4: 画像:iStock.com/YusukeIde

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「ワントップ特例制度」を行う場合、申し込みの翌年1月10日までに、これを寄附先の自治体へ郵送すると、6月に現住所の自治体(住民票登録されている自治体)から住民税の控除通知が届きます。

「ワンストップ特例制度」で必要な書類は以下です。

〈表〉必要な書類

・寄附金税額控除に係る申告特例申請書
・本人確認書類(マイナンバーカードなど)

「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」はワンストップ特例制度の申請書などと表現されるケースもあります。基本的には寄附した自治体から送付されるものですが、到着まで通常1~4週間程度がかかります。間に合わない場合は、寄付先の自治体公式サイトなどから、自身でダウンロード・印刷して入手しましょう。

なお、マイナンバーカードを発行している人は、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」の返送をしなくても「IAM」や「ふるさと納税 さとふる」などのアプリからワンストップ特例申請を行うことができます。必要なのは、自治体から届いた「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」とマイナンバーカードだけです。申請方法の詳しい案内については、各アプリのウェブサイトで確認できます。

「確定申告」に必要な書類と手続き

画像: 画像:iStock.com/Promo_Link

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「確定申告」を行う場合、申し込みの翌年3月15日までに手続きをします。ふるさと納税の寄附金から自己負担分2,000円を引いた金額について、所得税の還付と住民税の控除が行われます。

「確定申告」に必要な書類は以下です。

〈表〉必要な書類

・寄附先の自治体から届く「寄附金受領証明書」
・対象期間(寄附をした年)の源泉徴収票
・本人確認書類(マイナンバーカードなど)
・還付金受け取り用の口座番号(本人名義に限る)

寄附金受領証明書とは、1年間の寄附をまとめた書類で、寄附をした自治体から送付されるものです。利用したふるさと納税のウェブサイトなどでも入手できます。

ふるさと納税の申し込みはいつでも可能、その後の手続きは期限に注意!

画像: 画像:iStock.com/byryo

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ふるさと納税の申し込みは年間を通して行えるため、思い立った時にいつでも行えます。一方で、その後の税金関連の手続きについては、書類の提出などにそれぞれ期限があるため、スケジュールを確認しながら計画的に手続きを進めましょう。

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