今回はファイナンシャルプランナー・加藤桂子が、初心者にもおすすめの貯金本をピックアップ。さらに、自分の目的に合った本がすぐに探せるように、チャート診断をご用意しました。YES or NOの質問に回答して、自分に合う1冊を見つけてみましょう。
【この記事の監修者】
加藤 桂子(かとう けいこ)
株式会社ファイナンシャルファシリテーターズ 代表取締役
平成7年東京外国語大学外国語学部(タイ語)卒業。大手企業を対象とした語学講師を務める。退職後にFP資格取得、外資系金融機関に勤務。平成22年に「大切な人がより豊かになるために、選び抜かれた情報と優れたアイディアを」をミッションに株式会社ファイナンシャルファシリテーターズを設立、代表取締役に就任。個人・法人の相談にのる傍ら、セミナー活動や執筆活動、金融商品の勉強会を行っている。
「貯金本」を読むメリットとは?
貯金に関する本を読むことで「お金の常識を学べる」
貯金をしたいと考えている方に、なぜ貯金に関する本を読むことをおすすめしたいのか。それは、貯金本を読むことで「お金の常識」を学べるからです。
私たちは、中学や高校でお金のことを学びません。そのため、社会に出て、自分で稼いだお金を管理しなさいと言われても、最初から上手くはできないのです。
私たちは、親の金銭感覚をそのまま引き継ぎ、お金の使い方を知る傾向にあります。そのため、例えば両親がお金の使い方が上手でない場合は子どもも浪費しがちになってしまう、といったような方が多いのです。さらに、両親のようなお金の使い方が当然と認識しているため、周りに比べてなぜ自分は貯金ができないのか、その理由を自分で理解することができません。
このように、お金への意識は身近な意見・環境で大きく変化してしまうため、お金に対するリテラシーを自分で身につけていく必要があります。その際に頼りにすべきが、お金の専門家(ファイナンシャルプランナーなど)や、上手に貯金できているブロガー・インスタグラマーといった、お金に詳しく、正しい知識を持っている人たちの貯金メソッドです。
貯金本には、こういったお金に関する情報がわかりやすくまとまっていて、読むだけで基本的なお金の知識と共に、自分に合った貯金の方法も知ることができます。手軽に正しいお金の知識を一通り学ぶとなったら、貯金本を読むことが最適なのです。
近年の貯金本のトレンド
身近なお金に関する本がブームになったのは、森永卓郎さん著書『年収300万円時代を生き抜く経済学』(光文社)が出版されたことがきっかけです。
お金に関する本が出版され始めた当時は、経済評論家・ファイナンシャルプランナーなど、専門家が執筆していることがほとんどでした。しかし、最近ではブロガーやインスタグラマーなど、自分の生活のなかで“ここまで貯金できました”と公表している方々の発信が編集者の目に留まり、本として出版されるという機会が増えてきているように感じます。
新型コロナウイルスの影響という面では、ここ数カ月で節約に関する本がより増えてきました(2020年10月現在)。離職や残業が減り、収入が少なくなった人もいらっしゃることが影響しているのでしょう。お金に関する本は、その時代のニーズに合った情報も素早く取り入れられているので、自分が知りたいと思ったお金の情報は、書籍を探してみるとすぐに見つかるはずです。
貯金本を選ぶ時のポイント
お金に関する幅広い知識を得ることも重要ですが、「本当に貯金がしたい」と感じているのであれば、貯金の具体例が記載されている本を選んで読むことがより重要です。中には本を読んで満足してしまう方もいらっしゃいますが、実践をしないと貯金はできません。本に書かれていることを実践することも、忘れないようにしましょう。
本の購入方法としては、本屋に行くよりも通販・電子書籍など、実物を見ずに購入する方が今は多いですよね。ネットで本を探す時には、 “貯金”というワードに加え、貯金をする先の目的を入れて検索するのがおすすめです。例えば、子どもの教育費が貯金の目的なのであれば、“貯金 教育費”となります。
また、ネットで本を選ぶのであれば、書評・口コミを読むようにしましょう。書評を読むと大体の内容が分かるため、自身の目的から外れた本を選んでしまう可能性は低くなります。
よく本選びの失敗として多いのが、有名人が手掛けている本を見つけ、「テレビ番組での解説が分かりやすかったから、本も分かりやすそう」とテレビで見た情報を基準に選ぶパターンです。テレビ番組では、模型・絵などが準備されているからこそ分かりやすい、ということが多く、実際に本を読んでみると専門的すぎて分からない……となってしまう方がいらっしゃいます。テレビ番組を観た印象と文章で読むということは異なるため、やはり書評・口コミを参考にしてください。
【チャート診断】あなたに適した「貯金本」の探し方
ひとことで“貯金”と言っても、現在ではかなりの種類の本が出版されています。そんな中から、自分に適した貯金本を探すのはなかなか至難の業。そこで今回は、チャート診断をもとに、最適な貯金本を見つけていきましょう。
〈図〉あなたにぴったりな貯金本診断チャート
▶︎【A】「ベストセラー本」へ進む
▶︎【B】「有名人のお金本」へ進む
▶︎【C】「貯金&節約本」へ進む
▶︎【D】「貯金&投資本」へ進む
【A】お金の知識ゼロの初心者なら…「ベストセラー本」5選
Aの本を特におすすめしたいのは、新社会人の方です。社会経験を積むと、社会保険・税金などのお金については暮らしのなかで段々知識がついてきますが、新社会人はまだ知らない人が多いでしょう。だからこそ、この初心者向けの本を読んでいただきたいです。また、経済・税金のしくみなどが書かれている本も多いので、経済のことも含めてお金について知りたいという方にもおすすめです。
(1)『新版 知らないと損する 池上彰のお金の学校』
【基本情報】
著者名:池上彰
出版元:朝日新聞出版
定価:979円(税込)
【概要】
お金とはなにか? 保険とは? GDPとは? 知っているようで知らないお金のしくみについて、丁寧な解説で人気の池上彰さんが、分かりやすく解説してくれます。経済のスタートから、消費増税・キャッシュレスなどの最新情報についても記述。年齢問わず、お金の常識を身につけたい方におすすめです。
●おすすめポイント
いつもテレビ番組で世の中のことを解説されているように、お金のしくみについて広い視点で書かれている本です。投資とはなにか、投資の種類、保険・キャッシュレスについて、細かい商品についてというよりも、日本全体のお金について紹介されています。身近ですぐに取り組める知恵が書かれている本ではありませんが、「税金はなぜ支払わなければいけないのか」というような、お金についてのそもそも論が書かれているので、マネーリテラシーを高めることができます。
(2)『図解 山崎元のお金に強くなる!』
【基本情報】
著者名:山崎元
出版元:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価:1,200円(税抜)
【概要】
「銀行員と会ってはいけない」「将来のためにはマンションは買ってはいけない」など、お金に詳しくない方が誤解しがちなポイントを、図とともに解説。野村投信・住友生命保険・住友信託銀行など12回の転職を経て、金融・保険業界を知り尽くした山崎さんだからこそ知る、本当に必要なお金の知識を教えてくれます。
●おすすめポイント
池上彰さんの本にも記載されているような経済系のことに加え、実際に運用をはじめるにあたり、銀行・証券のような金融機関とどのような付き合い方をすればいいかについても書かれている本です。
お金の運用をする時、顧客側としては手数料を抑えながらお金を増やしたい気持ちがありますが、金融機関としては自身の利益になる手数料の高い商品を販売したいですよね。このように、「金融機関は絶対安心」と信頼をしすぎてしまうと、損をしてしまうこともあります。お金の基礎知識をつけられるのはもちろん、金融業界のしくみについての知識も得られるのが、この本ならではの魅力です。
(3)『本気で家計を変えたいあなたへ<第3版> 書き込む”お金のワークブック”』
【基本情報】
著者名:前野彩
出版元:日本経済新聞出版
定価:1,400円(税抜)
【概要】
ロングセラー本の最新版。「お金に関する情報はあふれているけれど、自分のこととなると分からない」という方のための、書き込むだけで家計の見直しができる実践書です。節約嫌い・家計簿が続かない方でも大丈夫。スキマ時間を使って記入を進めれば、世界に1冊の自分だけのお金の整理本が完成します。将来のお金の不安を、少しでも減らしたい方に。
●おすすめポイント
家計を軸に、社会保険・損害保険・住宅ローンなど、わたしたちを取り巻くお金全般について、詳しく記載されています。表紙のデザインから、家計を預かるような方におすすめなのかなという印象がありますが、誰でも、まんべんなくお金の知識を学びたい方に読んでいただきたい1冊。可愛らしいイラストが多く、本を読むのが苦手な方も読みやすいはずです。
(4)『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』
【基本情報】
著者名:泉美智子/坂本綾子
出版元:朝日新聞出版
定価:1,200円(税込)
【概要】
「稼ぐ」「収める」「貯める」など、お金の機能別に、1から見直しができる実用書です。カード・オンライン決済など、状況が急速に変化する現代のお金について、イラストやインフォグラフィックを利用し、丁寧に解説されています。知識がない方でも知っておきたい、人生100年時代に対応していくための、お金の教科書です。
●おすすめポイント
こちらは、現在(2020年10月時点)でも本屋さんで平積みになっているほどの人気の1冊です。内容としては、マネープランの立て方からお金の機能、貯金や税についてまで、暮らしに関わるお金について、かなり丁寧に書かれています。あまりお金に詳しくない若い方はもちろん、「自分は基本を理解できているのか?」を確認したい方にも手に取っていただきたいです。
(5)『年収200万円からの貯金生活宣言』
【基本情報】
著者名:横山光昭
出版元:ディスカヴァ―・トゥエンティワン
定価:1,000円(税抜)
【概要】
テレビで取り上げられたこともある、33万部突破の大ベストセラー本です。6,000人の貯金ゼロ家計を再生させてきたコンサルタントが、収入が少ない人、貯金ができない人でもできる、一生使える「貯金力」を伝授してくれます。どんな人でもお金を貯められるゴールデンルール、固定支出カットで収入アップする方法など、具体的な方法を惜しげもなく公開。この本を読んで、不況・ボーナスのカット・派遣切りなど、先の見えない毎日でも、不安を感じずに乗り越えていきましょう。
●おすすめポイント
200万円で、普通の生活ができるどころか、貯金もできるというお話が記載されている本です。森永卓郎さんがお金に関する本を出版されたしばらく後に登場し、当時かなり話題になりました。“年収200万円”は、若い世代にとってはかなりリアルな数字のため、自分ごととして捉えながら読めることでしょう。収入が低いからとあきらめず、この本を参考に前向きに貯金に取組んでいきましょう。
【B】他の人の貯金方法が気になる人向け…「有名人のお金本」3選
貯金をしようと思っているけど、実際みんなはどうしているのか……。Bの本は、このようにお金に対する自分の価値観を知った上で、貯金を考えたい人におすすめです。
よくテレビなどで見かける有名人が手掛けた貯金本なので、「あの人はこんな風に貯金のことを考えているのか」と、自分の価値観と照らし合わせながら読み進められるはずです。他人の思考に触れることで、自分が貯金をする意義を確認できるほか、新しい貯金方法を知るきっかけにもなるでしょう。
(1)『この世でいちばん大事な「カネ」の話』
【基本情報】
著者名:西原理恵子
出版元:KADOKAWA/角川文庫
定価:552円(税抜)
【概要】
TVドラマ化もされたベストセラー本です。お金がない地獄を味わった幼少期から、稼ぐことで自由が手に入ることを知った漫画家としての駆け出し時代、お金を稼いだ先に待ち受けるギャンブルの地獄……。常にお金と闘い続け、お金の酸いも甘いも知ったからこそ語れる、「カネ」と「働く」の真実を、西原さんの体験談を通して知れる1冊です。波乱万丈な人生を疑似体験しながら、お金とは何なのか、働くとはどういうことなのかを知りたい方に。
●おすすめポイント
お金に失敗しながらも、西原さんなりに、「お金ってこういうものだよ」「稼ぐってこういうことだよ」ということをこの本で教えてくれます。
西原さんは海外にもよく行かれる方で、バングラデシュのグラミン銀行という貧しい人にお金を貸すシステムを取材するなど、日本だけでなく、世界の視点も書かれているところもこの本の良いポイントだなと思います。筆者としては、特に若い女性に読んでほしいです。女性のなかには誰かを頼りたいという考えの方、専業主婦思考が強い方もいらっしゃいますよね。そんな方も、この本を読むことで、自分で稼ぐことの大切さ、稼ぐことで自由が得られるということが知れるのではないかと思います。
(3)『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る!勝間式ネオ・ライフハック100』
【基本情報】
著者名:勝間和代
出版元:KADOKAWA
定価:1,500円(税抜)
【概要】
自由で快適な未来を手に入れるためには、変化に逆らうのではなく、変化を身につけることが最大のポイントという勝間さん。時間管理・お金・人間関係など、8つのカテゴリーごとにストレスフリーで豊かな人生にシフトしていくための、100の方法が紹介されています。お金だけでなく、働き方・生き方も大きく変化している昨今。これからの生き方を、この本とともに見つめ直してみては。
●おすすめポイント
お金のことだけではなく、時間の合理的な使い方、料理のことなど、生き方全般のことが丁寧に書かれている本です。例えば「冷蔵庫をきちんと片付けていれば、余分なものを購入せずに済むため食費を抑えられる」「健康を管理すれば、お医者さんに関わることが減り医療費を抑えられる」など、お金はすべてのものと繋がりがあります。ただ貯金・投資といったお金のことだけでなく、生活に寄り添いながら、人生というより長いスパンでお金のことを考えたいという方はぜひ読んでみてください。
(3)『となりの億万長者〔新版〕──成功を生む7つの法則』
【基本情報】
著者名:トマス・J・スタンリー/ウィリアム・D・ダンコ
訳:斎藤聖美
出版元:早川書房
定価:1,320円(税込)
【概要】
1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートを行い、実際にどんな人たちなのか、どのような生活をしているのかに迫った本です。億万長者の人々と、普通の人とではどんな違いがあるのか? 億万長者の暮らしぶりから分かった7つの法則を導き出し、成功・幸福を手に入れるための方法を伝授してくれます。世紀を越えて愛され続ける名作です。
●おすすめポイント
現在の有名人ではありませんが、“億万長者”という人のお金事情は知りたくなるでしょう。この本から筆者が感じるのは、「お金持ちに見せたい」という気持ちが、お金の使い方を間違えてしまうポイントだということです。新しい洋服を次々に着たり、高い車を無理に購入してしまったりするのも、自分をお金持ちに見せたいから。しかし、本当のお金持ちの生活は、実はとても質素な生活を送っていることを、この本では教えてくれます。
お金があるから豊かなのか、そもそも本当の豊かさとは何なのか、お金に対する価値観が変わる1冊だと思います。世界中のお金持ちに実際にアンケートを取っているからこそ、よりリアルで、気付きを得ることができるはずです。
【C】支出を削る方向での貯金に興味があるなら…「貯金&節約本」2選
ここで紹介するのは、家計を見直したい方、貯金ができない方、どこを削って良いか分からない方に読んでいただきたい本です。今の家計に不安を感じている方はたくさんいらっしゃることでしょう。収入が減ってしまった方もいらっしゃると思います。そんななかでも貯金はしていかなければいけません。どこを削るかの判断がしたい・知りたい方は、このCにセレクトした本が参考になると思います。
(1)『貯金0円からのゆきこの貯まる生活』
【基本情報】
著者名:ゆきこ
出版元:エクスナレッジ
定価:1,400円(税抜)
【概要】
共働き・2人のお子様を育てている人気インスタグラマーのゆきこさんが、5年間で1,000万円貯めた時に実践していた財テクを公開しています。家計簿のメモ・週1のまとめ買いの中身など、具体的な内容が盛りだくさん。忙しい方、お金オンチの方でもすぐに真似できるテクニックがたくさん詰まっています。
●おすすめポイント
インスタグラマーさんが執筆されている本です。「1回の見直しで固定費を年間20万以上減らした方法」「大根やえのきを使ったレシピ」など、節約の仕方が具体的で、真似できそうなアイディアがたくさん掲載されています。
また、最近はお金のことは整理整頓・断捨離も絡めてお話されることが多いのですが、この本でも断捨離について触れています。本の中にはチェックリストもあるので、判断基準をもって節約ができるでしょう。写真もとても綺麗で、節約をマイナスイメージに捉えずに取り組むことができるはずです。
(2)『お金を整える』
【基本情報】
著者名:市居愛
出版元:サンマーク出版
定価:1,300円(税抜)
【概要】
3,500人のお金の悩みを解決した、マネーコンサルタント・市居さんの書籍です。「食費が年間18万円も減った」「毎月3万円の貯金ができるようになった」。このような変化をもたらすことができたのは、財布・通帳・冷蔵庫など、お金が出入りする通り道を整えたから。この1冊を読めば、話題のマネーコンサルタントが明かすお金と心の劇的な変化、お金が貯まりだす驚きの方法が分かります。
●おすすめポイント
財布の使い方・通帳の管理・冷蔵庫(食費)の管理、という3つに絞って記載されている本です。「整える」というタイトル通り、この本を読むことで、これまでの生活の無駄を自分で把握でき、無駄を省くための方法も知ることができます。身の回りのお金を整理したい方にとって、まさに教科書のような存在になってくれることでしょう。今の時代、お金の管理が難しく感じられるのは、キャッシュレスが増加しているから。支払いが分散してしまうために、把握が難しくなってしまうのです。この本では、クレジットカードやポイントカードの管理についても触れられており、お金の流れを把握することの重要性について気づかせてくれます。
【D】収入を増やす方向での貯金に興味があるなら…「貯金&投資本」
貯金はできているけれど、投資はまだしたことがない方、投資の知識がない方におすすめなのがDで紹介する本です。投資をしようと思った時に、ほとんどの方にとって最初に入ってくるのが、「友人がFXで大金を稼いだ」というような、身近な人からの情報ではないでしょうか。
しかし、聞いた話の通りに自分でやってみても、大抵の場合、同じように稼げるわけではありません。FXや仮想通貨(暗号資産)は、FPから見るとややギャンブルよりのもの。国はNISAやiDeCoのような税制優遇のある資産形成手段を用意しているのですが、そういった知識が一般的にまだまだ不足しているように感じます。だからこそ、投資を考える方にはDの本を読んで勉強していただきたいと思います。
『今さら人に聞けないけどとっても知りたい投資とお金のはなし』
【基本情報】
著者名:大江英樹
出版元:ソシム
定価:1,400円(税抜)
【概要】
「貯める」「増やす」「備える」「使う」という、資産形成のために必要な4つの知識を、まとめて学べる1冊です。お金に関して最低限知っておくべき項目から、パターンごとのお金の動かし方まで、「それって本当!?」と思ってしまうような、内容も記載。最もお金のことを知り、考えなければいけない世代だからこそ、この本を通して「お金の本質と投資」の知恵をしっかりと身に付けましょう。
●おすすめポイント
こちらは最近出版されたばかりの、経済ジャーナリストの方の本です。2019年に「老後2,000万円問題」が話題になったことは、みなさん記憶に新しいのではないでしょうか。あの時、「早く投資をしないと」と、不安を煽るような金融機関の発信も目立っていましたが、大江さんの本のなかには「投資も大事だけれど、焦らなくても大丈夫。長く働くことも大切ですよ」といった内容が記載されています。また、今の若い年代のなかには年金が破綻すると思っている方も多いように感じますが、年金に対する誤解についても丁寧に解説されています。もちろん、ただ投資の方法が知りたい方にもおすすめです。
大江さん自身が証券会社にいらっしゃった方なので、初心者が運用する時にはどうすればいいのか、具体的な方法も記載されています。若い世代が誤解しているようなことは解消しつつ、投資の基礎について教えてくれる1冊と言えるでしょう。
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貯金・運用ができると将来的な豊かさが変わる
収入が少ないから貯金ができないということは決してありません。工夫次第で貯金はできるようになりますし、そもそも毎月たくさん貯める必要はありません。最初は少額でも良いので貯金をし、ある程貯金ができたら、一部を運用にまわすようにしてはいかがでしょうか。
お金の知識を学べば学ぶほど、貯金も投資も上手になるものです。また、貯金・運用ができると将来的な豊かさが変わります。今のまま漫然と暮らしていくのではなく、少しでもどこか変えていこうという気持ちで、貯金本を読んでいただければと思います。