今回は、以前加入した保険契約をそのままにしていることに危機感を覚え、保険の見直しを検討しているTさんです。
ライフステージの変化にともない保険の見直しを考える方は多くいますが、具体的にどう行えばいいかわからないという声も耳にします。この記事では、実際にTさんの相談に乗ったライフパートナーの松下 周平が解説します。
今回、相談に答えたライフパートナー
松下 周平(まつした しゅうへい)
東京海上日動あんしん生命保険
新名古屋支社・第三営業所
「お客さまが主役、お客さまのご希望ありき」をモットーにしています。お客さまの思いを実現するのが仕事であり、みなさまの思いの丈をぶつけていただければ、それに応えていきます。前職は銀行に10年以上勤めており、お金周りの知識や相談は得意です。また、3人の子どもがおり、子育ての話も深くできます。サッカーや格闘技も好きです。名古屋に勤務していますが、岐阜や三重、静岡、北陸に行くことも。必要とされれば喜んで伺いますので、ぜひ気軽にお声掛けください!
Tさんの悩み
Q.昔加入した保険をそのままにしており、そろそろ契約内容を見直そうかと思っています。どうしたらいいでしょうか?
●プロフィール
基本情報 | 47歳・男性・会社員 |
---|---|
家族構成 | 妻(40歳)・子ども2人(11歳・9歳) |
世帯年収(手取り) | 800万円 |
住居 | 一戸建て(ローン6万円/月) |
預貯金 | 約1,000万円 |
近況 | 子どもの生まれるタイミングで各種保険を契約したが、そのまま10年ほどが経過。子どもの中学進学も近づくなど、ライフステージに変化が出てきた。そこで、現在の契約を見直そうと考えている。 |
●家計の内訳
項目 | 収入 | 支出 |
---|---|---|
Tさんの給与(手取り) | 300,000円 | - |
Tさんの妻の給与(手取り) | 60,000円 | _ |
住居費(ローン支払い) | - | 100,000円 (月平均※) |
食費 | - | 60,000円 |
光熱費 | - | 20,000円 |
通信費 | - | 20,000円 |
教育費 | - | 20,000円 |
自動車費(2台) | 60,000円 | |
趣味費 | - | 10,000円 |
保険料 | - | 55,000円 |
そのほか | - | 15,000 円 |
小計 | 360,000円 | 360,000円 |
●備考
- 家計は標準的で、浪費傾向はないが、過度に節約している家庭でもない。貯金はボーナスから確保する形。
- 住宅購入済み。ローン残債は約3,000万円。
- 子ども2人はスポーツをやっており、今後中学に上がって部活動などを始めると、さらに支出が増す見込み。
Tさんへのアドバイス&解決策は?
子供の成長につれて、保険の見直しを検討したTさん。実際に私がどのようなアドバイスを行ったのか、「保険見直しのコツ」も紹介しながら解説していきます。
【ポイント1】3つの手順で、既存の保険に「足りていない保障」を把握する
通常、保険の見直しをする上で、私は3つの手順に沿って進めることにしています。
①現状の把握
まずはお客さまが現在どのような保険を契約しているのか、現状でどういった保障を満たしているのか確認します。
②お客さまの目指したい将来像を把握
つぎに、お客さまがどんな保障を望んでいるのか、あるいは、どういった状況だけは避けたいのか(=保障で何をカバーしたいか)といったご希望を明確にします。
③現状と目指したい姿の乖離をピックアップし、解決策を提案
これらを伺ったら、目指したい姿に対して現状の保険契約で「足りているもの」と「足りていないもの」を確認します。「足りていないもの」とは現実と目指したい姿との乖離ですから、それを埋めるために、保険の見直しを提案します。
お金のプロに相談すると「足りていないもの」がより明確に
上でご説明した3つの手順は、お客さま個人で行うことも可能です。しかし、将来どんなライフイベントがあるか、またそれにかかる費用をひとりで算出するのは簡単なことではありません。
私たちライフパートナーは、ライフイベントごとにかかる費用や、緊急時に必要な保障額を算出するツールや資料を揃えています。そのため、お客さまが将来に対してどんなニーズを持ち、どれだけの保障が必要か適切なイメージが可能です。前述した「足りないもの」がより具体的に見えてくるのです。
また、お客さま個人で行うと、月々の保険料を中心に考えてしまう傾向があり、保障額まで計算できていないケースが多くあります。その結果、いざという時に必要な保障が足りていないこともあるのです。それを阻止するのがライフパートナーの役目だと考えています。
Tさんの保険に足りていないものとは?
Tさんに対しても1〜3の手順を行いました。その結果、Tさんのご希望に対して、足りていないものが見えてきました。それは「死亡保障」です。
まず、Tさんは以下の保険に契約していました。
〈表〉Tさんの保険加入状況
・県民共済(約3,000円/月) ・生命保険(約5,900円/月、死亡時保障2,000万円)(8年後、Tさんが55歳の時に満期を迎える) ・医療保険 ・がん保険 ・学資保険(約1万2,000円/月。今年度で満期) |
生命保険には加入していたものの、8年後には満期を迎えます。その時2人目のお子さまが17歳、高校2年生です。大学まで進学させたい意向がある中でこの契約は不十分といえます。
Tさんもこの点をもともと心配していたようです。当時、あまり相談もせず自分で見つけた生命保険に契約してしまったとのことで、やはり満期を迎えた後、「私に何かあったら子どもの学費が不安」と漏らしていました。
一方、医療保険やがん保険は、お客様のご希望に対して足りている状況であり、手を施す必要はないと判断しました。一方、県民共済はほかの保険契約と保障内容が重複しており、整理が必要な状態でした。
不要な保険をなくし、死亡保障を手厚くすることが最優先だと考え、具体的な見直し内容の提案に移りました。
【ポイント2】足りていない「死亡保障」を充実させる
ここからは、実際にTさんに提案した見直し内容を説明します。
死亡保障を手厚くするためにどうするか。まず私が目をつけたのは、住宅ローンと一緒に加入できる「団体信用保険(以下、団信)」です。
団信とは、ローン返済中に債務者が死亡または高度障害になった際、住宅ローンの返済が免除されるものです。
Tさんはフラット35(全期間固定金利型の住宅ローン)で住宅ローンを返済中でしたが、団信に加入していないことがわかりました。ちょうど家を建てる時期に病気にかかってしまったため、加入することができなかったのです。
しかし、現在は回復し、加入も十分可能な状況です。そこでまずは住宅ローンの借り換えを行い、新たに団信への加入をおすすめしました。また、団信だけでは死亡保障や就業不能時の保障に不足があったので、以下の保険も提案しました。
〈表〉提案した保険商品
商品 | 金額 | 保障内容 |
---|---|---|
生命保険 | 約7,220円/月 | 死亡時に月額15万円、就業不能時に月額5万円(ともに65歳まで) |
▼Tさんに提案した「生命保険」はコチラ
現状の保険を整理するため、保障内容がほかの保険と被っていた県民共済と生命保険を解約して効率化を図るよう提案しました。
こうして、Tさんにとって一番足りていないもの、現実と目指したい姿で乖離していた死亡保障を手厚くしました。
なお、ローンの借り換えにより、金利がわずかに上昇して総返済額も増えました。もちろんその点も事前に伝えましたが、総返済額の上昇は10万〜20万円ほどであり、それを差し引いても「団信に加入したほうがメリットが大きい」とTさんはこの借り換えをお望みになりました。
【ポイント3】Tさんが気づいていなかった「足りていない保障」も提案
Tさんのお話を聞く中で、実はもうひとつ「足りないもの」があると私は感じていました。それは「介護」に対する備えです。
Tさんはたびたび「いざという時に子どもが困らないようにしてあげたい」とおっしゃっていました。高齢化の中では、介護費用がかさむことは間違いありません。お子さまのことを考えると、少しでも用意しておくことがメリットになります。
死亡時や入院時の保障は前述の形で対応できましたし、元々入っている学資保険も十分な内容で、今年度に満期を迎えれば「いったん十分な貯蓄になる」と考えられており、その後契約する意思はないようでした。一方、介護に対しての備えは現状ありません。
ちょうど学資保険が満期を迎え、その分の保険料が浮くのであれば、介護保険にまわすことがTさんのご要望を満たすと考えて提案しました。
〈表〉提案した保険商品
商品 | 金額 | 保障内容 |
---|---|---|
介護保険 | 約11,000円/月 | 年額30万円、給付期間10年 |
▼Tさんに提案した「介護保険」はコチラ
ただし、こちらについては最終的に契約せず、その分を手元で貯金することになりました。
Tさんも介護保険の必要性は感じていましたが、それよりはいつでもお金を引き出せるよう、流動性の高い貯金を選択されました。
もちろん私もTさんの判断を尊重しました。保険の主役はあくまで契約当事者のお客さまであり、私たちはそのお手伝いをする存在です。お客さまのこうしたいというご要望が一番重要ですし、欲しいものは欲しい、いらないものはいらないと率直に言っていただくことが何より大切です。
Tさんとは、お互いが遠慮せず本音でお話しできたと思っていますし、そういった関係のお客さまをもっと増やしていきたいと考えています。
保険の見直しはいつでも気軽に相談を!
これらがTさんにご提案した内容のすべてです。保険は一度入ったら終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。
見直しのタイミングはたくさんあります。保険の更新時期が近づいた頃、あるいは子どもが生まれたり、家を建てたりするなど、ライフステージが大きく変わる時期もあるでしょう。
そのほか、子育てがひと段落し、お子様が自立した際には、家族の全体の保障を少なくしてもいい時期も訪れます。そういった時に保険を見直すのもいいでしょう。
保険の見直しを、いつ、どんな風に行えばいいのか、私たちライフパートナーが状況を伺いながらアドバイスをさせていただくことも可能です。少しでも気になる部分のある方は、ぜひ気軽に無料相談をご利用ください。
募集文書番号:22-KC01-K002