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今回お話を聞いた人
東京海上日動あんしん生命 営業サポート部
東日本バックオフィスグループ
石川靖子
2001年、あんしん生命入社。保険金チーム(現・保険金部:契約にもとづき保険金をお支払いする業務を行う部署)に着任。10年半勤務のあと、人事総務部に異動。約7年の勤務の間に結婚。業務プロセス企画部・事務設計グループを経て、営業サポート部着任後に出産。1年半の産育休を取得し、復帰後の2022年7月より現職。課長であり、3歳の女の子のお母さんでもある。
仕事と育児を両立するため。テレワークを活用した柔軟な働き方
石川靖子は、現在、大きく2つの「仕事」に従事しています。まずは、ご契約情報の維持や各種手続きのシステム設計。たとえばご契約の住所や名義の変更、保障内容の変更、年金などのお支払いなど、ご契約中には様々なお手続きが発生する可能性があります。それをスムーズに間違いなく行える仕組みを考えること。そしてもうひとつは、3歳の女の子の育児だといいます。
神奈川県下にある自宅から東京都杉並区のオフィスまでの通勤。果たしてどのように2つのお仕事を両立させているのでしょうか。まず、毎日のスケジュールを聞いてみました。
「娘は希望する保育園に入れなかったので、幼稚園が運営している認定こども園というところに預けています。そこのルールでは、子どもを預けられるのは夕方5時半までで、それまでに迎えに行かないといけないんですね。
従来では短時間勤務を選択することが多かったと思いますが、仕事に全力投球したいと思い、短時間勤務にはせず、『フルタイムでお仕事をします』ということを所属メンバーにお伝えしました。
それを実現するために、テレワークを活用して働いています」
朝9時からの勤務でまず行うのは自身のチームのマネジメント。ビデオ会議ツールを使って、その日の勤務内容を報告し合います。その後、業務に従事し、業務終了時にはチャットで報告するという流れです。
「出社をした時は、夕方にはオフィスを出ないと子どものお迎えに間に合わないんです。その場合は、帰宅に向けて業務を中断し、子どもの対応が終わり次第、業務を再開するため、チームの方々との打ち合わせや確認、相談が難しいと感じていました。そのため、定時に勤務を継続することができるテレワークが活用できたらいいなと思っていました。
細かな業務に関しては担当にお任せしつつ、必要があれば出社も織り交ぜて業務に従事しています。自分が関与する意思決定についてはテレワークでも可能だということをお伝えし、『出社かテレワークか、その時々の状況をみて調整する』ことで、テレワークを活用した勤務形態を認めていただきました」
あんしん生命では、コロナ禍以前からテレワークの仕組みづくりが進められていました。特に石川の所属チームは、企画設計業務であるため、テレワーク活用を通じてより働きやすい労働環境を推進してきたといいます。
「テレワークを活用しているとはいえ、出社がベースではあるので、私のような働き方は周囲のみなさんにも相当負担をかけていると思います。チームの協力や理解あって実現できていることだと感謝しています」
短時間勤務や離席時間の活用。 勤務で使えるあんしん生命のワークルール
石川はテレワークが活用できる状況について「私たちは恵まれている」と繰り返します。
たとえば、「短時間勤務制度」は育児を抱える多くの社員が利用しています。また、「スーパーマイセレクト」という制度もあって、これは業務の開始・終了時刻を柔軟に設定することができるそう。
また、「特別連続有給休暇(以下、特連休)」という制度では、好きな時期に年2回、5営業日連続で休暇を取得することができます。さらに勤続年数に応じて、5年ごとに5~10営業日の休暇を取得することができる「リフレッシュ休暇制度」などの休暇制度も充実しているそうです。
「特連休は、子どもが通っている園が休園となる時期に取得し、子どもと過ごす時間に充てました。独身時代には、リフレッシュ休暇と併せて海外旅行にも行きました。あんしん生命の若手社員の間では休暇を余暇に充てたり、自己研鑽に充てたりしている方が多いみたいですね」
結婚・出産・子育てだけでなく、やりたかったことにチャレンジしたり、リフレッシュしたりするために制度を活用する例も少なくないようです。
仕事大好き人間の家族との関わり合い
今も、2つの仕事に100%ずつ、計200%投入し続ける石川に、多忙な中、いかにして家庭との両立を図るに至ったかを振り返ってもらいました。
入社した2001年は、国の介護保険制度施行の翌年で、「今後は民間の生命保険の役割がより大きくなるだろう」と考えたのが志望理由だといいます。当時会社は開業5年目という新興企業で、会社が小さい分、いろいろな仕事を任せてもらえるだろうという期待があったそう。
その思いはすぐに叶い、配属された保険金チームで、若手には荷が重い案件をつぎつぎと任されたといいます。
「自分にもやれることが増えていく喜びを感じて、仕事は可能な限り続けたいし周囲に還元していきたいと思いながらも、結婚したら絶対家庭優先だなと想像していたんです」
でも実際、子どもを授かってみて、その気持ちが揺れ動いていると話します。2020年の出産をまたいで、約1年半という産育休を取得したさなかに実感したそうです。
「産育休中にネットニュースを見ながら、『これは仕事のあの部分に影響出るよね』とか気になっちゃうんですよね。復職後も、子ども中心で生活しようという気持ちは本気だけど、仕事も頑張りたい。周囲に迷惑をかけ、フォローいただく場面もありながら、責任を持って仕事をしたいし成果も出したい。
でも、幼稚園のなかで一番長く預け、一番遅くにお迎えに行くのがうちの子どもで、確かに寂しい思いをさせてるから、家での時間やお休みは、とにかくこの子のために費やしたいなって、ベタベタしてるんです(笑)」
子育てや生活のためにやっていることが仕事にもつながる
最後に、この会社ならではのオリジナリティーのある仕組みについても話してくれました。それが“挑(いどむ)”手当です。社員一人ひとりの挑戦や自己投資を後押しするために支給される手当だそう。社員たちは資格取得のために使ったり、各種スキルを高めるために使ったりして自己研鑽に励んでいるといいます。
「育休の時や復帰後は、生きるだけで精一杯だったんで(笑)、自己研鑽なんてムリ!って思っていました。でも、せっかくこの手当をいただいているなら、隙間時間を活用して学んでみようという気持ちになり、自分が勉強したいものに取り組むことができました」
石川は、子育ての隙間時間を使って仕事で必要な資格の勉強をし、有益な結果につながったといいます。
「2022年の4月、育休から復職する時に部長と面談して自己研鑽の話になったんです。自分的にはやっているつもりはなかったけど、思い返してみるといろいろやってたんですね。それはビジネスに生きるリーガルや税務の勉強ということではなく、育児をもっと上手にするためにプロから学ぶとか、親の介護を意識してセミナーを受けるとか。自分の生活のためにやっていたことが、じつは仕事にもつながることが多くて。
完璧主義を自覚していたんですが、子育てをしながら仕事をする中で『自分が任された領域の中で成果を出す』という自分なりの答えを得ることができました。それで自分も周囲のみんなも幸せになれるんだと実感しています」