老後に向けた資産形成の方法として、人気があるiDeCo(個人型確定拠出年金)。ただし、手数料が高くて、「手数料負け」をするといわれることがあります。手数料負けとは、運用成果や税制優遇より手数料が上回ることを意味する言葉です。

この記事では、ファイナンシャルプランナー・山中伸枝さんの監修のもと、どんなケースで手数料負けをしやすいかを説明し、手数料負けの対策方法を教えます。

iDeCoの制度などについて、知りたい人は以下の記事で紹介しているので、併せてご覧ください。

【関連記事】iDeCoはサラリーマンの節税にメリットだらけ。始めたい3つの理由

この記事の監修者

山中 伸枝(やまなか のぶえ)

ファイナンシャルプランナー。株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役。「FP相談ねっと」代表、一般社団法人公的保険アドバイザー協会理事なども務める。著書に、『ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本』(翔泳社)、『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)など。

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iDeCoの「手数料負け」とは?主な理由は2つ

画像: 画像:iStock.com/Seiya Tabuchi

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「手数料負け」とは、運用益や税制優遇額よりも手数料が上回る現象を指します。運用益は選んだ金融商品や時勢によっても異なり、予測がつかないことから、この記事では「税制優遇額よりも手数料が上回る」ことを手数料負けと定義します。

つぎの2つの要因が重なると、iDeCoで「手数料負けする」可能性が高くなります。

それぞれについて詳しく説明します。

①加入者に収入がない、あるいは年収が103万円以下

詳しくは後述しますが、iDeCoは「積立時」「運用時」「受取時」の3つのタイミングで税制優遇を受けることができます1)。特に積立時には掛金全額が所得控除の対象となり、所得税と住民税が軽減されます。ただし、収入がなかったり、あっても年収が103万円以下であったりする場合、そもそも納める税金が発生しないので、税の軽減がありません。つまり、運用時の税制優遇と手数料を相殺しようとしても、税制優遇額が手数料を上回る金額にならず、手数料負けする可能性があります。

②手数料の高い金融機関を選んでいる

税制優遇額が低いにもかかわらず、高い手数料をとる金融機関を運営管理機関に選ぶと、手数料負けする可能性が大きくなります

詳しくは後述しますが、iDeCoの手数料には、国民年金基金連合会、事務委託先金融機関(信託銀行)、運営管理機関(金融機関)という3つの支払い先があります。その中で、運営管理機関に支払う手数料は、金融機関によって金額が異なるため、手数料負けの要因となるケースがあるのです。

続いて、iDeCoにかかる手数料とiDeCoの税制優遇について詳しく説明していきます。

iDeCoにかかる手数料は5種類

画像: 画像:iStock.com/Yusuke Ide

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iDeCoにかかる手数料は5種類です。「手数料負け」といわれる場合の「手数料」は、毎月支払いが発生する②口座管理手数料を指すことが一般的です。

〈図〉iDeCoの手数料と支払い先

画像: iDeCoにかかる手数料は5種類

手数料の支払い先は、主に国民年金基金連合会、事務委託先金融機関(信託銀行)、運営管理機関(金融機関)の3種類です。国民年金基金連合会と事務委託先金融機関への手数料は定額ですが、運営管理機関への手数料は金融機関によって異なります。以下でそれぞれの手数料について説明します。

①加入時手数料

iDeCoに加入する際には、国民年金基金連合会に2,829円の手数料を支払います。この金額はどの金融機関を利用した場合でも変わりません。なお、支払いが必要なのは初回のみになります。

②口座管理手数料

iDeCoの専用口座を維持するためにかかるのが、「口座管理手数料」です。掛金の収納や資産管理、加入者からの運用指図(※1)の取りまとめのほか、加入者への運用サポートにかかる費用を加入者が負担するもので、正確には以下の3種類に分かれています。支払い方法は、毎月の掛金から差し引かれるのが一般的ですが、金融機関によっては別の方法になる場合もあります。

〈表〉iDeCo加入者が支払う口座管理手数料の種類

種類支払い先支払い方法金額(月額)
事務手数料国民年金基金連合会以下のいずれか
・毎月の掛金から控除
・都度掛金から徴収
・個人別管理資産から徴収
105円(年額1,260円)
資産管理手数料事務委託先金融機関66円(年額792円)
運営管理手数料運営管理機関金融機関による

国民年金基金連合会に支払う「事務手数料」と、事務委託先金融機関に支払う「資産管理手数料」は金額が決まっており、合計で年間2,052円です。

一方、「運営管理手数料」は運営管理機関である金融機関によって異なります。残高、積立額、運用機関にかかわらず、加入時から無料の金融機関がある一方で、運用商品やサービスが異なるコースを設け、手数料も加入するコースで異なる金融機関もあります。

なお、加入者が掛金の積み立てを停止して運用指図者(※2)になっている場合には、事務手数料は発生しません。ただし、資産管理手数料は必ず発生し、金融機関によっては運営管理手数料も支払う必要があります。この時の支払い方法は、個人別管理資産から徴収されるのが一般的です。

※1:掛金の積み立てを行わず、年金資産の運用のみを行うことを運用指図という。
※2:運用指図を行う人のことを、運用指図者と呼ぶ。iDeCoの加入者資格がない人や、本人の希望で加入者資格を喪失した場合に運用指図者になることもできる。

③給付手数料

iDeCoで運用した年金資産を、年金や一時金として給付を受ける際に発生する手数料です。支払い先は事務委託先金融機関で、1回440円です。

④還付手数料

還付が行われる際に発生する手数料です。還付はつぎのような時に行われます。

  • 国民年金保険料を納付していない月に掛金を積み立てた時
  • 加入者の資格を持たない人が掛金を積み立てた時
  • 法令や個人型年金規約に定める限度額を超えて掛金を積み立てた時

こうした時に掛金を加入者に返還することを還付といいます。還付の際には、国民年金連合基金に1,048円(1回)、事務委託先金融機関に440円(1回)をそれぞれ支払います。

⑤移換時手数料

iDeCo口座をほかの運営管理機関へ変更する場合や、企業型確定拠出年金(企業型DC)、確定給付企業年金(企業型DB)に移換する場合に発生します。この手数料は運営管理機関に支払うもので、金額は運営管理機関によります

iDeCoの口座管理手数料をシミュレーション

画像: 画像:iStock.com/SARINYAPINNGAM

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前述のように口座管理手数料の内訳は、事務手数料、資産管理手数料、運営管理手数料の3種類に分かれています。事務手数料(105円)と資産管理手数料(66円)は定額ですが、運営管理手数料は金融機関によって異なります

〈表〉事務手数料の例

金融機関名事務手数料の金額
A証券月額0円
B証券月額0円
A銀行プラン① 月額0円
プラン② 月額260円
B銀行コース① 月額385円
コース② 月額260円

銀行の場合、選べる商品の違いやそのほかの条件付きで、事務手数料が0円になることがあります。たとえば上述の表のように、A銀行ではプラン①を選ぶと事務手数料が0円になります。一方、B銀行では選んだコースによって手数料が異なります。なお、証券の場合は0円としていることが多いです。

続いて、運用期間が長期間にわたった場合の口座手数料額について見てみましょう。運営管理手数料が0円、260円、385円の3パターンを表にしました。

〈表〉運用期間別口座手数料の合計額

運用期間事務手数料

資産管理手数料
口座手数料の合計額
運営管理手数料が月額0円運営管理手数料が月額260円運営管理手数料が月額385円
1年2,052円2,052円5,172円6,672円
5年1万260円1万260円2万5,860円3万3,360円
10年2万520円2万520円5万1,720円6万6,720円
20年4万1,040円4万1,040円10万3,440円13万3,440円
30年6万1,560円6万1,560円15万5,160円20万160円

月額で考えるとわずかな差に思われるかもしれませんが、長期間にわたって運用すると、手数料の差は蓄積して、大きな違いとなることがわかります。

なお、掛金の積み立てを停止して運用指図者になっても、加入時と同額の事務手数料を求める金融機関もあります。また、「手数料負けしない」という観点では「手数料が安ければ安いほうがいい」と考える人もいるかもしれませんが、手数料が高い分、金融商品のラインナップやサポートが充実している金融機関もあります。金融機関を決める際には、これらの点も忘れずに考慮しましょう。

iDeCoの手数料は税控除(税制優遇)で相殺できる?

画像: 画像:iStock.com/pepifoto

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そもそもiDeCoの税控除とはどういうものなのでしょうか。ここでは、iDeCoの税控除を解説した上で異なる加入区分の人のシミュレーションを3種類提示することで手数料負けするケースについて説明します。

iDeCoの税控除とは?

iDeCoは「積立時」「運用時」「受取時」の3つのタイミングで税制優遇を受けることができます1)

まず積立時には、掛金全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になっています。毎月の掛金が1万円の場合、所得税(10%)、住民税(10%)とすると年間2万4,000円、税金が軽減されます

金融商品の運用時には、通常、源泉分離課税20.315%が運用益に課税されますが、iDeCoの場合は非課税で再投資することができます。

また、iDeCoで運用した年金資産は、一般的に年金か一時金(金融機関によっては併用可)で受け取りますが、年金として受け取る場合には「公的年金等控除」、一時金として受け取る場合には「退職所得控除」の対象になります。

iDeCoを30年間続けた場合の税控除と手数料をシミュレーション

「手数料を税控除で相殺する」という時の「税控除」は、積立時の所得控除と考えるのが妥当でしょう。では、どのようなケースで「手数料負け」が起こるのでしょうか。それぞれのケースで掛金月額が最小と最大の場合、口座手数料が無料と一定額の場合を比べてみましょう。

〈表〉扶養内で働く専業主婦(夫)・年収120万円・運営管理手数料が月額0円の場合

運用期間税制優遇額(※1)口座手数料(※2)差額
掛金月額
5,000円
掛金月額
2万3,000円
運営管理手数料が
月額0円
1年4,732円4,732円2,052円2,680円
5年2万3,660円2万3,660円1万260円1万3,400円
10年4万7,320円4万7,320円2万520円2万6,800円
15年7万980円7万980円3万780円4万200円
20年9万4,640円9万4,640円4万1,040円5万3,600円
25年11万8,300円11万8,300円5万1,300円6万7,000円
30年14万1,960円14万1,960円6万1,560円8万400円

※1:ここでの税制優遇額は所得税軽減額と住民税軽減額の合計。
※2:運営管理手数料のほか、事務手数料(月額105円)と資産管理手数料(月額66円)がかかる。

〈表〉扶養内で働く専業主婦(夫)・年収120万円・運営管理手数料が月額385円の場合

運用期間税制優遇額(※1)口座手数料(※2)差額
掛金月額
5,000円
掛金月額
2万3,000円
運営管理手数料が
月額385円
1年4,732円4,732円6,672円−1,940円
5年2万3,660円2万3,660円3万3,360円−9,700円
10年4万7,320円4万7,320円6万6,720円−1万9,400円
15年7万980円7万980円10万80円−2万9,100円
20年9万4,640円9万4,640円13万3,440円−3万8,800円
25年11万8,300円11万8,300円16万6,800円−4万8,500円
30年14万1,960円14万1,960円20万160円−5万8,200円

※1:ここでの税制優遇額は所得税軽減額と住民税軽減額の合計。
※2:運営管理手数料のほか、事務手数料(月額105円)と資産管理手数料(月額66円)がかかる。

上記のように年収120万円で社会保険の扶養内(※)で働く専業主婦(夫)の場合、所得税軽減をされるほどの収入がないため、税制優遇は住民税軽減のみになります。そのため、掛金が5,000円であっても、限度額の2万3,000円であっても税制優遇額は同じです。上の表を見ると、手数料の金額次第では掛金額の大小や運用期間の長さには関わらず、手数料負けしてしまうことがわかります。

※:勤務先によっては年収120万円で社会保険に入る場合もある。

つぎに拠出限度額が最も低い公務員を見てみましょう。

〈表〉公務員・年収300万円・運営管理手数料が月額0円の場合

運用期間税制優遇額(※1)口座手数料(※2)差額
掛金月額
5,000円
掛金月額
1万2,000円
運営管理手数料が
月額0円
掛金月額
5,000円
掛金月額
1万2,000円
1年9,000円2万1,600円2,052円6,948円1万9,548円
5年4万5,000円10万8,000円1万260円3万4,740円9万7,740円
10年9万円21万6,000円2万520円6万9,480円19万5,480円
15年13万5,000円32万4,000円3万780円10万4,220円29万3,220円
20年18万円43万2,000円4万1,040円13万8,960円39万960円
25年22万5,000円54万円5万1,300円17万3,700円48万8,700円
30年27万円64万8,000円6万1,560円20万8,440円58万6,440円

※1:ここでの税制優遇額は所得税軽減額と住民税軽減額の合計。
※2:運営管理手数料のほか、事務手数料(月額105円)と資産管理手数料(月額66円)がかかる。

〈表〉公務員・年収300万円・運営管理手数料が月額385円の場合

運用期間税制優遇額(※1)口座手数料(※2)差額
掛金月額
5,000円
掛金月額
1万2,000円
運営管理手数料が
月額385円
掛金月額
5,000円
掛金月額
1万2,000円
1年9,000円2万1,600円6,672円2,328円1万4,928円
5年4万5,000円10万8,000円3万3,360円1万1,640円7万4,640円
10年9万円21万6,000円6万6,720円2万3,280円14万9,280円
15年13万5,000円32万4,000円10万80円3万4,920円22万3,920円
20年18万円43万2,000円13万3,440円4万6,560円29万8,560円
25年22万5,000円54万円16万6,800円5万8,200円37万3,200円
30年27万円64万8,000円20万160円6万9,840円44万7,840円

※1:ここでの税制優遇額は所得税軽減額と住民税軽減額の合計。
※2:運営管理手数料のほか、事務手数料(月額105円)と資産管理手数料(月額66円)がかかる。

掛金月額と手数料の大小に関わらず、手数料負けしていません。このことから所得税・住民税の控除が得られる程度の収入を得ていれば、手数料負けをしないことがわかります。また掛金月額が低く、手数料が高い場合には、税制優遇のメリットが低減してしまうことも見てとれるでしょう。

最後に掛金の拠出限度額が最も高い自営業者も確認してみました。

〈表〉自営業者・年収500万円・運営管理手数料が月額0円の場合

運用期間税制優遇額(※1)口座手数料(※2)差額
掛金月額
5,000円
掛金月額
6万8,000円
運営管理手数料が
月額0円
掛金月額
5,000円
掛金月額
6万8,000円
1年1万2,000円14万2,925円2,052円9,948円14万873円
5年6万円71万4,625円1万260円4万9,740円70万4,365円
10年12万円142万9,250円2万520円9万9,480円140万8,730円
15年18万円214万3,875円3万780円14万9,220円211万3,095円
20年24万円285万8,500円4万1,040円19万8,960円281万7,460円
25年30万円357万3,125円5万1,300円24万8,700円352万1,825円
30年36万円428万7,750円6万1,560円29万8,440円422万6,190円

※1:ここでの税制優遇額は所得税軽減額と住民税軽減額の合計。
※2:運営管理手数料のほか、事務手数料(月額105円)と資産管理手数料(月額66円)がかかる。

〈表〉自営業者・年収500万円・運営管理手数料が月額385円の場合

運用期間税制優遇額(※1)口座手数料(※2)差額
掛金月額
5,000円
掛金月額
6万8,000円
運営管理手数料が
月額385円
掛金月額
5,000円
掛金月額
6万8,000円
1年1万2,000円14万2,925円6,672円5,328円13万6,253円
5年6万円71万4,625円3万3,360円2万6,640円68万1,265円
10年12万円142万9,250円6万6,720円5万3,280円136万2,530円
15年18万円214万3,875円10万80円7万9,920円204万3,795円
20年24万円285万8,500円13万3,440円10万6,560円272万5,060円
25年30万円357万3,125円16万6,800円13万3,200円340万6,325円
30年36万円428万7,750円20万160円15万9,840円408万7,590円

※1:ここでの税制優遇額は所得税軽減額と住民税軽減額の合計。
※2:運営管理手数料のほか、事務手数料(月額105円)と資産管理手数料(月額66円)がかかる。

やはり掛金月額と手数料の大小に関わらず、手数料負けはしていません。ここでも掛金の月額が高いほど、税制優遇のメリットを大きく受けられることが見えてきます。

iDeCoで「手数料負け」しない対策方法2つ

画像: 画像:iStock.com/baona

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前述のシミュレーションを見ると、収入が大きいほど「手数料負け」をしないということがわかりました。その上で、手数料を調整する方法は以下になります。

続いてそれぞれについて説明します。

①手数料が無料か安い金融機関を選ぶ

前述のとおり所得税が発生する収入があるのなら、手数料負けすることは少ないといえますが、年収が少ない場合は手数料が無料か安い金融機関を選ぶのが無難です。 iDeCo口座は1人1口座しか作れません。もし途中で口座を変更する場合は手数料がかかるため、最初に慎重に比較検討することが重要です。

②掛金を1年間分まとめて納付する

iDeCoの掛金には毎月一定額を積み立てする「月払い」だけではなく、1年間分の掛金をまとめて積み立てする「年払い」があります。年払いの場合、12月から翌年11月を1年とし、この期間に1回以上、好きなタイミングでまとめて積み立てすることができます。

iDeCoでは、掛金を積み立てるたび、国民年金基金連合会に事務手数料105円を支払う必要がありますが、年払いにするとこの費用を抑えることができます。年払いにした場合、事務手数料は1,155円も安くなります。以下は、掛金を毎月拠出した場合(事務手数料1,260円/年)、年払いした場合(事務手数料105円/年)の手数料のシミュレーションです。

〈表〉扶養内で働く専業主婦(夫)・年収120万円の場合

運用期間税制優遇額(※1)口座手数料(※2)
掛金月額
5,000円
掛金月額
2万3,000円
掛金月払い掛金年払い
1年4,732円4,732円2,052円897円
5年2万3,660円2万3,660円1万260円4,485円
10年4万7,320円4万7,320円2万520円8,970円
15年7万980円7万980円3万780円1万3,455円
20年9万4,640円9万4,640円4万1,040円1万7,940円
25年11万8,300円11万8,300円5万1,300円2万2,425円
30年14万1,960円14万1,960円6万1,560円2万6,910円

※1:ここでの税制優遇額は所得税軽減額と住民税軽減額の合計。
※2:運営管理手数料0円の場合。

上表のように掛金を年払いにする場合、月払いに比べて大幅に手数料を減額することができます。

iDeCoの「手数料負け」に関する「よくある質問」

画像: 画像:iStock.com/maruco

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最後に、iDeCoの「手数料負け」に関する「よくある質問」に回答します。

Q1.専業主婦(夫)がiDeCoを利用すると手数料負けする?

収入がない、あるいは、年収103万円以下の専業主婦(夫)の場合、やり方次第では手数料負けする可能性があります。iDeCoを利用したい場合は、前述の対策方法をよく読んでから検討してみましょう。

Q2.公務員がiDeCoを利用すると手数料負けする?

公務員は、掛金の拠出限度額が1万2,000円と少ないため、手数料負けしやすいと思う人もいるでしょう。しかし、前述のシミュレーションを参考にすると、手数料が非常に高額でない限り、所得税が発生する年収があれば、手数料負けすることは少ないです。また、2024年12月以降には掛金の拠出限度額が2万円に上がります。それに合わせて掛金を増やせば、より税制優遇の恩恵を受けられるでしょう。

Q3.手数料負けしない掛金はいくら?

掛金額が最低額の5,000円であっても、年収が高ければ、税制優遇額が大きくなるので、手数料負けは発生しません。気になる人はiDeCo公式サイトの「かんたん税制優遇シミュレーション」で確認してみましょう。

iDeCoで「手数料負け」しないためには、金融機関選びが大切

画像: 画像:iStock.com/oatawa

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「手数料負け」するかどうかは、収入の大きさで決まることがわかりました。しかし、収入をすぐに増やすことは容易ではありません。収入が低くても手数料負けせずにiDeCoを運用するためには、手数料が低い金融機関を選ぶことが重要です。iDeCoに加入する前に、各金融機関のサイトを見比べて手数料を確認しましょう。

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