20代の皆さんのなかには、今の生活や将来のために“何かをしたい”と思っていても、具体的に何から実践すれば良いのか、そもそも自分がしていることで事足りるのか、不安に思ったり悩んでしまったりする方も多いことでしょう。

マネコミ!でお金のアレコレについて教えてくださったセンパイ方には、お金に詳しい今があるからこそ、「20代のうちに始めておけば良かった」ことや、「20代のうちに始めておいて良かった」と思うことが多々あるそうです。

そこで普段、“お金の情報を発信する側”として活躍されているセンパイたちに、アンケートを実施。20代のうちに始めておきたいお金に関するモノ・コトについて教えていただき、TO DOリストを作成しました。

井村俊哉さん「若いうちにお金と真剣に向き合おう」

画像: 井村俊哉さん「若いうちにお金と真剣に向き合おう」

1984年生まれ。投資家。中小企業診断士。株式会社Zeppy代表取締役。群馬大学在学中に株式投資を始め、2017年に運用資産1億円、2020年に5億円を突破。「投資をもっと誇らしいものに」をミッションに活動を行う。株式投資専門のYouTubeチャンネル「Zeppy投資ちゃんねる」を運営し、登録者数15万人から支持を得る。著書に『年収3万円のお笑い芸人でも1億円つくれた(日経BP社)』がある。
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20代の頃は、かなりシビアにお金の管理をしていた、井村さん。お笑い芸人とアルバイトとを合わせて年収100万円ほどだったそうですが、家賃は月4万円以下に抑える、1回1回の買い物も真剣に考えるなど工夫をすることで、年間20万円程度の貯金ができていたといいます。

収入が少ないなかでも貯金をするために意識していたのは、「あらゆる支出の相場観を養う」「支出の度に極小化する方法を考えノウハウを蓄積する」「コスパを強く意識し安かろう悪かろうは避ける」ことです。このことを踏まえ、井村さんが考える「20代でやるべきお金のTODO」をご紹介します。

【TO DO①】底値を記録し相場観を養う

家計簿をつけても直接的にお金が増えることはありませんが、あらゆる商品・サービスの底値を記録する「底値メモ」をつけると効果が実感できるでしょう。例えば、鶏肉であれば「鶏胸肉/国産/100g・38円/〇〇スーパー」というように、お肉の種類・部位・産地・単価・購入した店舗を記録していくと“物の相場感”を養うことができるのです。

ポイントは、適切な単価を算出することです。ポテトチップスを比較する場合は、1袋あたりではなくグラム単価を記録する、トイレットペーパーであれば1ロールではなくメートルあたりの単価を記録し、割安かどうかの判断材料とします。

日本には安くても品質が良いものがたくさんあります。「安いのに質はいい」、コスパがいい買い物を心がけると勝手にお金は貯まっていくでしょう。

【TO DO②】固定費を最適化する

支出を極小化するためにまず手を付けるべきなのは、固定的にかかる支出を見直すことです。例えば、固定費のうち大きな割合を占める家賃。家賃に支出を振り向けても実物資産は何も手に入りません。ここを20%落とすだけで、結構お金が溜まってしまいます。私は新婚でも木造ワンルームに住み、浮いたお金はすべて投資に回していました。

また、スマホ代の見直しでも大きな効果が得られます。格安SIMに切り替える、または最近は大手キャリアでも格安プランが発表されているのでアンテナを張っておきましょう。

その他、流行りのサブスクサービスをたくさん契約してしまっている人は本当に自分の人生に必要なのか検討し直してみてください。

【TO DO③】自分にとって大事な支出とそうでないものを切り分ける

過度な我慢が必要な節約は長続きしません。そこで、自分が人生に何を求めているのか優先順位をつけることをおすすめします。例えば、釣りに生きる人は、釣竿を買うことを我慢しなくてもいい。ですが、良い釣竿を買うためにも、「①どうやったらお得に釣竿が買えるのか」「②自分にとって必要のない支出はなんなのか」、この2点を徹底的に考え抜いてください。

私の場合は「できるだけ割安な株を買いたい」に集中し、ここに数千万円、数億円を投じています。しかし、衣服へのこだわりはないので、衣服のほとんどは古着屋で割安に購入し、数年にわたり着用しています。大手アパレルブランドの古着のジーンズ480円、カジュアルシャツ980円、ジャケット1,280円……実際に自分がよく身につけている一張羅です。

このように、自分にとって何が必要なのか意識すると、持続的にお金を貯められる生活を構築できるでしょう。

【TO DO④】確定申告を行うなどして税制面の知識を拡充する

難しくとも税制にしっかりと向き合えば、結果的にお金を増やすリテラシーを高められるでしょう。ふるさと納税を理解する、上場株の配当所得は通常は分離課税だが確定申告で総合課税を選択すると配当控除が使える、など細かい話は割愛しますが、自らが実践を通して学ぶことで、見える範囲は格段に広がると思います。

もふ社長さん「資産形成の第1歩を踏み出してみよう」

画像: もふ社長さん「資産形成の第1歩を踏み出してみよう」

不動産投資家、株式投資家。2014 年から不動産投資を始め、総資産2億円、純資産は1億円を突破。現在は28室を保有している。登録者26.7万人のYouTubeチャンネル「もふもふ不動産」を運営。同名のウェブサイトとともに、不動産投資情報をわかりやすく解説している。
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もふ社長は、20代の時は貯金をしようという意識は全くなく、そもそも自分の貯金がいくらあるのかも正確に把握していなかったそう。お金の管理をはじめたのは、リーマンショックの影響で会社が潰れかけ、危機感を覚えたことがきっかけだと言います。そこから節約・貯金・投資・自分で稼ぐ方法などを勉強し始めたそうです。

【TO DO①】自分の保有資産(預金通帳残高・株など)を毎月書き出す

自身の経験としても、すべての貯金通帳の残高や株などの保有資産を毎月書き出していたことは、良かったことのひとつです。

お金を増やしたいのであれば、収入と支出を管理することが重要になります。貯金が増え続けているのであれば安泰ですが、減り続けているのであれば破産するリスクもあるからです。

毎月どれくらいの収入・支出があり、資産がどのように変化するのか。保有資産の増減を可視化して管理できるようになったことで、無駄な支出が減り、その結果として資産が増えていくようになりました。毎月の資産を書き出して推移を見える化したことこそ、資産を築くための第1歩だったと言えます。

【TO DO②】副業で収入を増やす

「収入−支出=貯蓄」であることから、お金を貯めるのであれば、支出を減らすこと・収入を増やすことが重要です。副業が許されている会社に勤めている方の場合、副業で収入を増やすことができれば、資産を築きやすくなります。

自分自身は残念ながら20代の時には「副業で収入を増やす」という発想がなかったため、資産を築くのが遅くなってしまいました。34歳からは不動産投資、36歳からブログ、38歳からはYouTubeを新たに始めることで、現在ではより一層資産を築けるようになっています。

副業をはじめたら、徐々に副業で得られる収益も上げていきましょう。サラリーマンの給与は急には上がりにくいため、会社勤めだけで収入を上げていくのは難しいのが現状です。また、初期に資金があまりない状態で投資をしても、資産を増やすのに時間がかかってしまいます。副業で収益を上げることで投資にまわす金額を増やすことができ、その結果、複利でさらに資産を増加できるのです。

水瀬ケンイチさん「20代のうちからマネーリテラシー向上を」

画像: 水瀬ケンイチさん「20代のうちからマネーリテラシー向上を」

1973年、東京都生まれ。都内IT企業で会社員生活を送る個人投資家。2005年より投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」を開始、インデックス投資家のバイブル的存在として知られる。ロングセラーで山崎 元氏との共著『ほったらかし投資術』(朝日新書)、10万部突破の著書『お金は寝かせて増やしなさい』(フォレスト出版)のヒットで注目され、ウェブメディアでも連載を持つ。生ビール、スノーボード、サッカー応援(日本代表&大宮&いわて)が趣味。
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水瀬さんは、20代前半の時は、お金のことは何も考えず、スノーボードやルアーフィッシング等の趣味、飲み会などにつぎ込んでいたそう。その後、老後資金の不安から貯蓄・投資の必要性に目覚め、現在では投資ブロガーとして情報を発信する側になっていますが、最初から全て順当に進んだわけではないといいます。当時を振り返り、20代としてやっておいてよかったこと・やっておけばよかったことは、次の2点だそうです。

【TO DO①】経済・金融系の本を読む

経済・金融系の本を読むことは、「自分がどのような状態にあることが幸せなのか?」を深く考え、人生計画を立てたり、それを実現するためのマネープランを考えたりするきっかけになります。

自分自身、図書館の棚にある金融・投資・人生訓の本を100冊以上乱読したことが、今の自分の生き方全般に大きな影響を与えています。投資を始めたこともそうですが、自分でブログや書籍を作って収入を得るなど、あの時の乱読がなければ、思いつきもしなかったでしょう。

また、短期投資・長期投資、チャート分析からファンダメンタルズ投資など、様々な投資方法や投資対象について学んだことで比較検討する時の良い材料になり、実際に自分のお金を使って投資をする時の納得感を高めてくれました。

【TO DO②】インデックス投資をする

インデックス投資とは、特定の株式市場や債券市場全体の動向を反映する指数などと、基本的に同じ値動きをするよう設計された投資商品(インデックスファンド)に投資する方法のことです。

TO DO①で紹介したように様々な本を乱読した結果、30代になってからこの投資方法にたどり着きました。インデックスファンドの良いところは、積立で長期保有することで、安定的な運用成績を出せるようになること。20代のうちに取り組むことで長期の投資ができるようになり、運用のメリットが大きくなります。

横川楓さん「将来に不安があるなら、お金を知ることから始めよう」

画像: 横川楓さん「将来に不安があるなら、お金を知ることから始めよう」

1990年東京都生まれ。明治大学卒、同大学院を経て、経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)などを取得。
唯一のミレニアル世代のお金の専門家/経済評論家として、“お金のことを誰よりも等身大の目線でわかりやすく”をモットーに活動している。著書『ミレニアル世代のお金のリアル』(フォレスト出版)が好評発売中。
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「お金にまつわる仕事をしているぶん、20代前半にしてはお金に対しての知識・意識があるほうでした」という横川さん。周りにいた人たちのお金のあれこれに関する知識のなさ・興味のなさに驚いたことも、今の仕事をやっていきたいと思ったきっかけだったといいます。

【TO DO①】家計簿アプリで家計簿をつける

お金を貯めたいのなら、自分が使っているお金の流れを定期的に振り返ることは必須です。お金を簡単に管理したいなら、家計簿アプリで家計簿をつけるところから始めましょう。アプリ内で銀行口座・クレジットカードなどを全て連携することで、お金の流れを把握しやすくなります。

お金について考えることを面倒だと思う方も少なくないですが、しっかりとお金を管理し、貯金・投資などと向き合うことで、行動が起こしやすくなります。

【TO DO②】税金・年金・投資のしくみを理解する

お金の世界には“知らないと損になってしまうこと”がたくさんあります。税金・年金・投資もそれにあたるもの。しくみを理解することで、損をしてしまうことを避けられます。投資に関していえば、NISAのような非課税のメリットがあるものを早くから始められるのも、知識を身に付けることのメリットのひとつです。

受け身でいると、お金のことは誰も教えてくれないので、自分で情報を取りに行く姿勢が必要です。最近では「老後2,000万円問題」なども話題になりましたが、確定拠出年金・つみたてNISAなど、お金を増やしたり将来の備えを作ったりするために、できることはたくさんあります。

1つ始めたら色々と興味が出てくるはずなので、「将来が不安だ」と悲観しすぎず、ポジティブになにか始めてみてはいかがでしょうか。

4人のセンパイから教えてもらったTO DOリストが完成!

最後に、上記4名の先輩方が教えてくださった20代がやるべきお金のTO DOリストを、一覧にまとめておきましょう。

画像: 4人のセンパイから教えてもらったTO DOリストが完成!

TO DOリストを見て分かるのは、どのセンパイも、「資産・お金の動きを把握する」「金融リテラシーをつけて実践する」ことが重要だとお話しされていることです。お金のことに限らず、知識・経験は必ず自身の武器になります。今回紹介したセンパイの実体験をもとにしたTO DOリストのうち、できることから取り組んでみましょう。

イラスト=akane0119

この記事の著者

ながた さや

Webライター。1993年生まれ。新卒でIT企業のエンジニアとして勤務後、2018年9月からフリーランスのWebライターとして活動を開始。SEO・取材を中心に、美容・旅行・ITなど様々なジャンルの執筆を行っている。
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