“代表的”な投資手法のひとつである不動産投資。儲けた人の話も聞くけれど、なんとなく「怖い」「騙されそう」なんてイメージも……。ただ、昔から不動産投資をする人が“いなくならない”ということは、それだけの価値があるのかも?

そこで、初心者にもわかりやすい不動産投資のコンテンツを発信する“強面YouTuber”もふ社長に、不動産投資の“リアル”をやさしく教えてもらいましょう。

第1回のテーマは、ズバリ「不動産投資って怖くないですか?」。不動産投資って、どんな時に失敗するのか、そもそもどんなしくみで儲けられるのか。メリットとリスクは? そんな質問をズバっと投げかけてみました。

お話を聞いた人

画像1: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

もふ社長

不動産投資家、株式投資家。2014 年から不動産投資を始め、総資産2億円、純資産は1億円を突破。現在は28室を保有している。登録者26.7万人のYouTubeチャンネル「もふもふ不動産」を運営。同名のウェブサイトとともに、不動産投資情報をわかりやすく解説している。

▶︎ウェブサイト「もふもふ不動産」
▶︎ウェブサイト「White Sun」
▶︎YouTube
▶︎Twitter

「不動産投資では、騙す人・騙される人がたくさんいる」

画像: ※この画像はYouTubeのスクリーンショットです

※この画像はYouTubeのスクリーンショットです

画像2: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

もふ社長は、YouTubeやウェブサイトで不動産投資のノウハウを発信していますよね。そこで聞きたいのですが、不動産投資ってなんだか怖くないですか? 怪しいというか……。

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いきなりですね(笑)。実はその「怖い」というイメージ、間違ってはいないんですよ。といっても、不動産投資のしくみはシンプルで怖くありません。問題は、それを悪用する人たちがいること。だから、怖い・怪しいと思われるんです。

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ええっ、どういうことですか…!?

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この業界には、騙す人・騙される人がたくさんいるんですよ。そういう面をたくさん見てきましたから。「ラクして儲けられます」「不労所得が築けます」「老後の不安をなくします」「節税になります」。そんな言葉で物件を紹介してきたら、初心者は要注意。甘い言葉で釣るのはよくある話ですよ。

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どこかで聞いたことのある謳い文句ばかり……!

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いっそのこと、騙される王道パターンを紹介しましょうか。多くあるのは、相場よりずっと高い金額で不動産を売りつけるケースですね。通常の相場なら2,000万円の物件を3,000万円で売るとか。売った側はボロ儲けで、買った側はその時点でマイナス1,000万円……。でも、買った時は騙されたことに気づかない。

〈図〉不動産詐欺の代表的なシチュエーション

画像1: 「不動産投資では、騙す人・騙される人がたくさんいる」
画像8: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

いつ気がつくのですか……?

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何年も経って、物件を売る時ですよね。3,000万円で買って、数年後に売ろうとしたら1,000万円でしか買い手がつかないとか…。1,000万円ムダに高く買っているから。住居用物件の売買ではこんな話めったにないですが、投資用物件ではよくあるんです。

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気づけないものなんですかね……。

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きちんと勉強して、その価格が適正かどうか裏を取ればほぼ気づけますよ。でも、知識なしに安易に始めたら気づけない。だって、自販機のコーラが1万円で売っていたら適正価格でないのは知識がなくてもすぐにわかりますけど、2,000万円の物件が3,000万円で売られていても、不動産に関する知識がなければわからないじゃないですか。不動産は、ひとつひとつ物件が違いますし。

〈図〉物件とコーラの相場認識の違い

画像2: 「不動産投資では、騙す人・騙される人がたくさんいる」
画像12: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

確かに……。今の時点で気づく自信はないです…。

画像13: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

だから、この世界には初心者を騙そうとする人がたくさんいるんです。それが「怖い」「怪しい」というイメージの理由じゃないですか。

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――なるほど。ちなみに……、もふ社長は“騙す側”の人じゃないですよね……? 不動産投資で成功しているのに、なぜYouTubeやメルマガで細かく発信するのかなと……。自分が成功すれば十分じゃないですか?

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むしろ逆ですよ(笑)。僕は騙す側の人をたくさん見てきて、それをぶっ潰したくて情報を出し始めたんです。不動産投資をする人が本当に役立つ情報をガンガンぶちまけちゃおうと(笑)。そうすれば、騙しようがなくなるじゃないですか。

始めるハードルが高いからこそ、不動産投資はライバルが少ない

画像: 始めるハードルが高いからこそ、不動産投資はライバルが少ない
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そういうことですか。というか、騙す人ってそんなにいるんですね……。

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残念ながらいるんですよね。裏を返せば、安易に騙される人もたくさんいます。不動産投資って、お金を出せば儲かるような甘いものではないんです。「投資」というより「ビジネス」「賃貸経営」と表現する方が正しくて、必死に勉強してきちんと物件を探さないと儲けられません。仮に魚の素人が豊洲の魚市場に行って、相場も知らずにマグロを買っても儲かるわけがないですよね。ぶっちゃけ、参入するハードルはすごく高いんですよ。

画像18: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

そう言われると、不動産投資にチャレンジする人が少なくなりそうです(笑)

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でも、それはチャンスなんです。参入するハードルが高いということは、ライバルが少ない。しかも、きちんと勉強すれば成功しやすいビジネスとも言える。起業したりお店を出したりするよりは、成果を予想しやすいと思うんですよね。

画像20: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

え、不動産投資は成功しやすいビジネスなんですか?

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だと思いますね。人が住居で暮らすのは、生活の根底にありますから、その需要は急になくなりませんよね。人口減少といっても、人がいる限り住むための住居は必要です。割安の物件を買えさえすれば、成功確率はかなり高いですよね。

画像22: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

そうかもしれませんが、割安の物件を見つけるのは一番難しそうな……。

画像23: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

きちんと勉強すると、この物件は安いか高いか、相当わかるようになります。十分に知識のある不動産投資家なら、物件の条件を聞いた瞬間に安いか高いか判断がつくくらい。だから、割安物件は取り合いになるんですね。

画像24: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

そういうものなんですか。

画像25: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

はい。そもそも、不動産市場は割安物件、割高物件が出やすいんです。「市場の歪み」が起きやすいというか。

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市場の歪み……。それってどういう意味ですか?

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適正価格から離れた金額で売られることが多いという意味ですね。なぜかというと、そもそもの適正価格がわかりにくいのと、いろんな事情で売られるから。相続対策だったり、管理が面倒になったり。そういう時って、儲け度外視で格安で手放すことが多いんです。

融資があるからこそ、自分のお金を使わず利益を上げられる

画像1: 融資があるからこそ、自分のお金を使わず利益を上げられる
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なるほど。もふ社長が不動産投資をやっているのも、そういうメリットを感じているからですか?

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そうですね。しかも割安物件は、家賃収入も期待できるんですよね。不動産投資の利益には、売却利益の「キャピタルゲイン」と、家賃収入の「インカムゲイン」があります。インカムゲインで考えても、割安で物件を買って、高い家賃収入を得られるチャンスが多いんですよ。

〈図〉不動産投資における2つの利益

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家賃収入ですか。

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実際、年間利回り20%の物件も珍しくない。年間利回りとは、物件購入価格の何%を年間家賃でもらえるか、です。1,000万円の物件なら、年間200万円の家賃収入。実際はそこから税金やリフォーム用などの経費が引かれるので丸々残るわけではありません。でも株式投資の配当は良くて5%くらいなので、不動産投資の収益性の高さは魅力的に感じました。

〈図〉利回りとは?

画像3: 融資があるからこそ、自分のお金を使わず利益を上げられる
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ちなみに、不動産投資のメリットって他にどんなものがありますか?

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銀行の融資を受けられる点ですよね。だから、少ない自己資金で大きな利益を得る「レバレッジ」がかけやすい。

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レバレッジは聞いたことがあります。手持ち資金より大きなお金を運用することですよね。

画像35: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

そうです。最初に「不動産投資のしくみ自体はすごくシンプル」だと言いましたよね。きちんと説明すると、まず「①銀行からお金を借りる」。そのお金で、マンションなどの「②物件を購入する」。そして、入居者から「③家賃収入を得る」。その収入で「④銀行への返済やリフォームなどを行う」。最後に「⑤物件を売る」。この①〜⑤が基本です。

〈図〉不動産投資でお金を稼ぐ仕組み

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5つの要素、ですね。

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はい。面白いのは、いい物件を見つければ、自分のお金をほぼ使わずに資金を増やせること。仮に月30万円の家賃収入を得られる物件として、銀行返済や管理・リフォームの費用で月20万円出ていくとします。すると、毎月手元に10万円残りますよね。これがすごくメリットなんです。

画像38: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

つまり、自分のお金で返済しなくていいと言うことですか?

画像39: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

そうです。元手資金は銀行から借りて、それを使って家賃収入を得られて、その収入でローンを返済しても10万円余る。さらに返済が終わると、物件は自分のものとして残る。それを売却すればお金も入りますから。

画像40: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

確かに、うまくいけば手元のお金を使わず利益を出せる……。

画像41: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

それもこれも、銀行からお金を借りられるからなんです。他の投資では、まず銀行から融資を受けるのは難しいですよね。株式投資をしたいから「お金貸して」といってもムリでしょう。それは、銀行が不動産投資を「ビジネス」として見ているから。きちんと計画を出して事業性を伝えれば、銀行が融資してくれる。これは不動産投資ならではですし、だからこそ「投資」ではなく「賃貸経営」だと思うべきなんです。

画像42: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

最初の話につながってきました!

画像43: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

しかも、不動産投資は長い歴史があるので、外注業者やリフォーム業者の事業も確立されています。それらをうまく活用すれば、あまり自分の手をかけずに運用することも可能。サラリーマンでも副業でできます。私もサラリーマン時代に副業で始めましたし。

画像44: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

とはいえ、いきなり大金を借りるのも勇気がいりますよね。

画像45: もふ社長の怖くてやさしい投資相談室#1「不動産投資って怖くないですか?」

それは、まったくその通りです。私は無理に「不動産投資をやりましょう」とは、決して言いません。失敗する可能性もありますし、後戻りもできない。「怖いな」と思いながらやるものではないですよ。ちょっとでも迷うなら物件を買わないほうがいい。まずは自分が本当に後悔しないのか、覚悟できるか。そのためには、分からない状態で物件選びをせず、きちんと勉強することです。

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――なるほど……。となると、勉強の一環としてさらにいろいろ聞きたいです! 特に気になるのは、物件の選び方。お得な物件を見つけるにはどうすればいいのか、もふ社長はどのように探しているのか。ぜひ次回聞かせてください!

〈今回のまとめ〉

画像5: 融資があるからこそ、自分のお金を使わず利益を上げられる

撮影/宮田雄平

この記事の著者

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有井 太郎(ありい たろう)

1984年生まれ、長野県出身のフリーライター。今後の人生におけるお金の問題を考え始め、マネー系の取材に挑戦中。ライターという立場を利用し、取材しながら自分の知識も蓄える、一石二鳥戦法で学んでいます。

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