家計管理でお小遣い制を導入している方の悩みとして、「どの範囲まで、夫のお小遣いに含めるのか?」ということがあります。たとえば、昼食代や携帯電話代(スマホ代)もお小遣いの範囲でまかなうべきなのか、という問題です。

このことを考えておかないと、「お小遣いが少ない…」という夫側の不満につながったり、「なぜか貯蓄が増えない…」という家計の悩みにつながったりしてしまいます。

そこで、ファイナンシャルプランナー・氏家祥美さん監修のもと、世間の夫のお小遣いの使い道の内訳はどうなっているのか、またお小遣い制をとる場合、事前に決めておきたい使い方の範囲やルールについて解説します。

なお、基本的なお小遣い額の決め方については、以下の記事で詳しく説明しています。お小遣い制を導入するか否かといった視点を含めた考え方もご紹介していますので、併せて読んでみてください。

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この記事の著者

氏家 祥美(うじいえ よしみ)

ハートマネー代表。ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。子育て世帯、共働き夫婦の家計相談に豊富な実績を持ち、「幸福度の高い家計づくり」を総合的にサポートしている。オンラインでの家計相談やマネー研修も実施中。

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夫のお小遣いの内訳は? よくある使い道を紹介

画像: 画像:iStock/mixetto

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使い道トップ3は「昼食代」「携帯電話代」「趣味の費用」

まずは、世間の男性会社員が何にお小遣いを使っているのかをご紹介しましょう。

新生銀行の調査1)によると、男性会社員のお小遣いの使い道トップ3は「昼食代」(46.7%)、「携帯電話代」(27.3%)、「趣味の費用」(24.9%)となっています。

このほか、「嗜好品代」や「飲み代」「身だしなみのための費用」など、王道の“お小遣いの使い道”と思われるものもありますが、2トップを占めた「昼食代」や「携帯電話代」はある意味“必要経費”といえるかもしれません。

〈図〉男性会社員のお小遣いの使い道

画像: 使い道トップ3は「昼食代」「携帯電話代」「趣味の費用」

必要額の月平均は、「昼食代」9,444円、「携帯電話代」6,230円

また、同調査では必要額の平均もご紹介しており、「昼食代」は9,444円、「携帯電話代」は6,230円、「趣味の費用」は1万1,063円です。上述で“必要経費といえるかも”とお伝えした「昼食代」と「携帯電話代」を合わせると、約1万5,000円に上ります。

〈表〉お小遣いの使い道と必要額

使い道必要額
昼食代9,444円
携帯電話代6,230円
趣味の費用11,063円
嗜好品代8,388円
車関係・ガソリン代7,285円
飲み代11,436円

ちなみに、同調査によれば、男性会社員(未婚含む)のお小遣いの平均額は3万8,710円。共働きで子どものいない家庭の場合は4万4,707円、子どものいる共働き家庭では3万1,837円となっています。

お小遣いに「昼食代」や「携帯電話代」、「ガソリン代」も含めた場合と、そうではない場合だと、自由に使えるお金にかなりの金額の差が生まれることがわかると思います。

お小遣いに関する不満や行き違いを生まないためにも、お小遣いに何を含めるのかを、明確にしておいたほうがいいでしょう。

【関連記事】夫のお小遣いの平均額はいくら? 家族構成、年代別、最近10年の傾向までを解説

お小遣いの範囲の考え方:「生活費以外はお小遣いにする」が原則

では、どのような使い道までをお小遣いの範囲に含んだほうがいいのでしょうか?

夫婦で1つの口座を使って家計を管理し、2人のお小遣い額もあらかじめ決定しておく家計管理システムの場合には、絶対に必要な生活費以外はお小遣いから支払うようにすると決めたほうがいいでしょう。

夫婦で1つの口座を管理する方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。おすすめの家計管理システムなので、ぜひ併せてご確認ください。

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たとえば、子どもに着せたい洋服や遊ばせたいおもちゃを買う時、子どものための費用として生活費から支払っている方が多いのではないでしょうか。しかし、嗜好性が高く、親の楽しみのために購入している場合には、個人的な支出と捉えてお小遣いからお金を出すようにします。

さらに、生活費に含めがちな散髪や化粧品などの美容代、ママ友とのランチ代、スポーツクラブや習い事の会費、家族でのレジャー費や交際費にも、お小遣いを使用します。夫婦で映画館に行くなら、デート感覚でお互いのお小遣いからお金を出しましょう。逆に家賃や食費、水道光熱費、携帯電話代(スマホ代)といった生活に欠かせない費用は、家庭の支出として計上します。

これはお小遣いに含まれる? 揉めがちな使い道と考え方

ここでは、後々揉める原因になってしまいがちな使い道について、どのように考えてお小遣いに「含む」か「含まない」かを決めたほうがいいのか、ひとつずつ確認していきましょう。

(1)昼食代

画像: 画像:iStock/kyonntra

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まず決めておいたほうがいいのが、昼食代です。生活に必要なお金(食費)という意味では、生活費にあたりますので、お小遣いに含まないのが原則と考えられそうですが、前述の調査では、お小遣いの使い道1位は「昼食代」となっています。そのため「仕事中の昼食はお小遣いに含める」と考えてもいいでしょう。

最近はリモートワークも多くなっています。金額に関しては、勤務日数やお弁当の単価を考え、話し合って決めるといいでしょう。

(2)子どもにかかる費用

画像: 画像:iStock/kohei_hara

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学費や習い事といった子どもにかかる費用は、当然ながらお小遣いから捻出する必要はありません。子ども費という項目を設けて、そこに計上するといいでしょう。

しかし、前述のように、中には子どもに着させたい服、一緒に遊ぶためのおもちゃなど、親自身が買い与えたくて購入するものもあります。本当に必要なもの以外は、個人的な支出と考えて、お小遣いに含めましょう。

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(3)車のガソリン代

画像: 画像:iStock/Satoshi-K

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車のガソリン代は、基本的には車費を設けてそこに計上したほうがベターです。ほかにも車のメンテナンス代、車検代、駐車場代なども同様です。

ただし、会社の通勤や家族旅行でほとんど車を使用せず、趣味として1人乗りをするのが大半の場合、一部をお小遣いからまかなうことを検討してもいいかもしれません。生活に必要なのか、それとも好きでやっているのかを見極めることが大切です。

(4)携帯電話代(スマホ代)

画像: 画像:iStock/ponsulak

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現代はスマホや携帯電話なしでの生活は考えにくい時代です。家族割などを使ってまとめて引き落としている場合には「通信費」として家計の支出になるでしょう。一方、夫婦それぞれが個人の口座やカードから出している場合には、生活費にすると支払いが煩雑になってしまうので、お小遣いに含んでもいいでしょう。

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(5)外食代、美容院代

画像: 画像:iStock/kokouu

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そのほか、外食代は友人とのランチ、家族での外食、同僚との飲み会を問わず、基本的にはお小遣いからまかないます。美容院代は美容代の一部として捉え、お小遣いから出しましょう。

トラブルを生まないため、定期的に夫婦で話し合うことが大切

今回、お小遣いの範囲にどこまで含むべきなのか、考え方についてご紹介しました。ただし、これらは一方的に決定するものではありません。家計管理のしくみとともに、夫婦が納得して決定することが何より大切です。できれば、年に1回程度、夫婦で話し合えるといいでしょう。ぜひ今後の家計管理に生かしてみてください。

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